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2024年07月20日18:56

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鼠と竜のゲーム

を読んだ。コードウェイナー・スミス著/伊藤典夫・浅倉久志訳
 人類補完機構シリーズの短編集。
スキャナーに生きがいはない
 マーテルは通常なら苦痛のあまり死んでしまう「空のむこう」でも生き残ることができるヘイバーマンと同じ身体構造で、更には航海中意識を保ったまま全てのコントロールを行うスキャナーだった。
スキャナーは視界以外の感覚を脳から遮断しており、クランチの効果が続いているときのみ従来の感覚を楽しむことができる。
クランチ中だったマーテルは緊急呼び出しを受けてスキャナーの集会に行くが、そこではスキャナーの存在を脅かす発明が行われたことが議論され・・・。

 いきなりなんだかよくわからない(汗)
なにが起こっているのかはわかるのだが、それによって何を伝えようとしているのかがわからない。
内容の割にオチが人間臭すぎるからだろうか。

星の海に魂の帆をかけた女
 光子帆船に冷凍睡眠した多数の乗客を乗せ、地球にやってきた植民者のパイロットであるミスター・グレイ・ノー・モアは、1人だけ航海中一睡もせず意識を保ったままだった。
一方地球でスキャンダラスな母親から生まれた天才少女のヘレン・アメリカは、自分の居場所を探していた・・・。

 なかなか感動的な物語だが、感情移入させるような構造ではなく、なんとなく神話を読んでいるようなイメージ。
ちうか「空のむこう」の苦痛はどうなった?

鼠と竜のゲーム
 昔と比べて恒星間旅行は気楽になったが、宇宙にはおそるべき敵が存在していた。
それは人間がテレパシーを介して見ると竜のような姿をしており、遭遇した宇宙船の乗員を発狂させる。
竜に対処するために宇宙船にはピンライターと呼ばれるテレパスと、人間よりも遥かに反応速度の速いある動物がパートナーとして乗り込んでいた。
その動物からすれば、竜は鼠だった・・・。

 なんだかタイトルが納得いかない。
それはさておき、この話はなんだか「トップをねらえ2!」みたいな雰囲気で、読みやすかった。
しかしほんとに「現場」での状況のみなので、他の話との違和感が強い。

燃える脳
 伝説のゴー・キャプテンであるマーニョ・タリアーノは魔女のような妻を連れていた。彼女はかつては最も美しい女性の1人だったが、外見以外に自分の価値があると信じて若返り処置をしなかったのだ。
他にマーニョの姪であるディータをはじめとした多くの乗客を乗せた最新型の客船は宇宙に旅立つが、信じられないような不手際によって宇宙の迷子となってしまい・・・。

 不手際がいろいろな意味で酷すぎて頭を抱えたのち、いきなりのオチに目が点になる。
ちなみにマーニョの妻ドロレス・オーは日本人の末裔ということになっている。

スズダル中佐の犯罪と栄光
 たった1人で銀河系の果ての探検任務に向かったスズダル中佐が遭遇するおそるべき敵と、それに対処するために中佐のとった神をも恐れぬ所業。

 ものすごく気軽に発生する文明(笑)
ちうかこの世界は時間旅行も可能なのか。
そして著者はすごく猫が好き(笑)
そして敵の設定が恐ろしすぎる。

黄金の船が- おお!おお!おお!
 ラウムソッグの艦隊が地球に向かい、地球は超巨大な黄金の船で立ち向かうが・・・。

 要するに全て人類補完機構の隠蔽工作だったわけで、ちょっと「銀河帝国の興亡」を思わせる展開だが、登場人物の説明が足りていないので展開がつかみにくかった。

ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち
 ベンジャコミン・ボザートは盗賊ギルド世界ヴィオラ・シデレアで最も腕のたつ盗賊だった。
彼は長い時間をかけてオールド・ノース・オーストラリアに潜伏し、そこの防御システムの謎を解こうとしていた。
しかしその動きはある些細なことから看過され・・・。

 なかなか雰囲気が面白いが、今の感覚で見るとその動きは確かに無防備過ぎる。ちうか今のそのような状況を予見していたと思えば逆にすごいことでもあるが。
そして件の防御システムだが・・・なんだか納得がいかない(汗)
あれだといきなり突入されたら手も足も出ないし、調査されるのが前提なら普通に対空ミサイルでも撃てば片付く(汗)

アルファ・ラルファ大通り
 それまでの完全管理体制は見直され、人生に不測の事態が取り戻された。
フランス人になった「わたし」と、同じくフランス人になりヴィルジニーという名前になったメネリマは恋人同士となり、再現されたパリ風世界をうろつくが、世界にはまだまだ再構築されていない箇所も多く、やがて彼らは運命に導かれるように空にそびえるアルファ・ラルファ大通りへ向かう・・・。

 全然わからん(汗)

 ちうわけで初めて読んだ人類補完機構シリーズだが、頭の中にクエスチョンマークが飛びまくった。
冒頭に長々とシリーズの解説が載っており、それによると本書は期間にして1万5000年にもわたる歴史の一部である。なのでもちろん作品間の時間経過も数千年に及び、その関連は希薄になっている。しかし人類補完機構という存在は最初から最後まで登場しているので、普通ならその存在を骨子とした物語が展開するところだが、その人類補完機構自体も人類を生き延びさせるという目的以外は時代によって方針ややり方も大きく変化しており、話によっては名前がちらりと出てくるだけだったりもして、意志というものを感じない。
そもそも本書は連作短編というわけでもなく、バラバラに発表されたものを作中の時間軸に沿って並び替えて収録しているものなので、作品間に渡るテーマ性を加味するのは読者的には優しすぎるとも思える。
 上でもちらりと書いたが、全体的に神話の抜粋を読むような感覚で挑むべきシリーズなのかもしれない。
しかしその割には猫への偏愛とか、ちょっと作者の趣味が出すぎているところも目立つんだよな・・・。
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