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2024年04月25日23:26

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剣客商売八 狂乱

を読んだ。池波正太郎著
毒婦
 かつて不二楼に働いていたおきよという座敷女中は、大工の由次郎と夫婦となって落ち着いた・・・と思われていたが、その由次郎が元長で飲んだくれており、しかも女房を殺すなどと口走っていると元長のおもとから聞いた小兵衛は・・・。

 ちっちゃい話かと思ったら終盤に意外な展開が。
なかなか奥行きのある話である。
ラストはホームズっぽくもある(笑)

狐雨
 才能はないが剣術への情熱は人一倍強い杉本又太郎という男が道場主をしている杉本道場に向かう大治郎。
大治郎が到着したちょうどその時、又太郎は刺客にとどめを刺されようとしていた。
大治郎に助けられた又太郎は流石に自分の剣術の才能の無さを認め、あとは想い詰めた女のためだけに生きようとするが・・・。

 いきなりファンタジーになって超びっくりした(笑)
剣客商売はこういう展開もありなのかと、ますますラノベっぽくなってきたぞと思っていたら実に渋い終わり方でこれまたびっくり。
この展開であれのあの話し方で最後をこんなにしっとり終わらせるなんて、ほとんど人間業とは思えない(汗)
 この世界で悩めるキャラクターと言えば三冬ちゃんだったが、結婚してすっかり肝が座り、小兵衛が「夫婦おそろいで御入来か。してみると、わしがところで腹ごしらえをするつもりじゃな」という問いに「父上。おっしゃるとおりでございます」とすかさずこたえるのがおかしい。

狂乱
 2年ほど無沙汰をしている牛堀道場に顔を出してみた小兵衛だったが、ちょうどその時牛堀道場では石山甚市という恐ろしく腕の立つ剣客が、道場の古参を次々に打ち倒しているところだった。
道場主である牛堀九万之助との立会を断られ、渋々立ち去った石山をもう二度と会うこともあるまいと思っていた小兵衛だったが、予想外の状況で再び顔を合わすことになり・・・。

 たまに挟まる凶暴な剣客の出てくる話だが、今回も趣向を凝らしてあって実に切ない読後感を与えてくれる。
いやはやほんとにキャラクターを活かすのがうまい。

仁三郎の顔
 熱が出て寝込んでいた徳次郎だったが、手下の繁蔵から仁三郎が帰ってきたと聞かされて飛び起きる。
仁三郎はかつて同じく弥七の手下だった佐平の手引で獄門に送った一味の生き残りで、今では隠居している佐平への復讐を誓っているに違いなかったのだ。
 その仁三郎だが、かつて腹を壊して身動きもままならないところを強盗に襲われ、抵抗もできないままに殺されそうなところを大治郎に救われた過去があった。
敵の佐平のところへ向かっている途中で偶然大治郎と出会った仁三郎はその時の恩を返そうと大治郎を誘い・・・。

 実に凝った構成の物語で、様々な出来事や人間関係が絡み合った末にビッグバンのような衝撃的な瞬間に幕を閉じる。
すごすぎる(汗)
先生終わらせ方がかっこよすぎます(笑)!

女と男
 おはるが操る舟で大治郎のところへ向かった小兵衛だったが、途中船上で男が突き落とされ、女が連れ去られそうになっているのを目撃し、助太刀に入る。
その後援交専門店(笑)みたいな茶屋から出てきた同じ女と、彼女につきまとうどうやら病魔に侵されているらしい浪人を見た小兵衛は・・・。

 ラストのおはるが痛快(笑)
またこの話では久しぶりに三冬ちゃんのかっこいい活劇シーンが拝めるのも嬉しい。
気のせいか先生の筆も三冬の活劇シーンは他のキャラクターよりも気合が入っているように感じる(笑)
 またこの話では明文化されたものでは初めておはるが小兵衛の活劇を目撃したのだと思うのだが、その信頼感が印象的だった。
この調子だと明文化されていないところで様々な修羅場を目撃しているっぽい。

秋の炬燵
 手裏剣の遣い手である杉原秀は、父の墓のある押上村の長竜寺で一泊した後、小兵衛の隠宅へ向かうが、道中幼い子供が殺されそうになっているのに相対し、それを防いで子供を担いで隠宅へ。
話を聞いた小兵衛は子供を匿いつつ刺客が来るのを待つのだが・・・。

 ちばてつや風(笑)剣客女子杉原秀の再登場が嬉しい。
ここぞというところでのまさに手裏剣の遣い手という活躍がまたかっこいいんだこれが(笑)。

 ちうわけで安定して相変わらず超面白い本シリーズだが、本書では「狐雨」と「仁三郎の顔」の終わり方でまさに度肝を抜かれた。
いや〜〜〜池波先生マジすごいわ(笑)
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