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2022年12月15日22:55

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ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン

を読んだ。
ピーター・トライアス著/中原尚哉訳
 1948年、サンノゼ、サウサリート、サクラメントで原爆が炸裂し、アメリカは日本に降伏した。
その時日本人強制収容所から開放されたルースとエゼキエルを両親に生まれた石村紅功(ベン)は、1988年にはネットゲームをプレイする人々に反体制的な性質が無いかを監視する検閲局に勤めていた。
そんな彼のところにかつての上官である六浦賀将軍より謎めいた電話がかかり、更には特高の槻野という女が訪問し・・・。

 「高い城の男」を読んでから読もうと思っていたので読んだ。
理由はもちろんどちらも第2次世界大戦で日本が勝った世界を舞台にしているからだが、結果から先に言えばなかなか酷かった(汗)
 まず内容の優劣とは別に感慨深かった点を挙げると、夜のビル街で対峙する巨大ロボットという表紙だが、これはなかなかかっこよくてよろしい。
しかしこの「これといった個性のないロボットが夜のビル街で対峙する」というシチュエーションは、最近すごい勢いで存在感を示しているAIアートの最も得意とする内容で、この表紙よりも美しく精細でハッとさせられる作品を何十パターンも短時間で生成してしまうだろうという現実がそれである。
そんなことになってるの?と思った人はフェイスブックで「AI ART」で検索してみるといい。化夢宇留仁と同じ何とも言えない感慨に襲われるはずである。
 それはさておき本編だが(笑)、第2次世界大戦で日本が勝った世界が舞台の小説にまず期待するのは「どうやって勝ったのか」「その後どんな世界になったのか」の説得力だと思う。少なくとも化夢宇留仁はそう。
その点では「高い城の男」は非常に満足度が高く、その結果物語にも説得力が生まれていたと思う。
本作では日本が勝った理由はほとんど触れられておらず、わずかに出てきた中でも大きな理由は太平洋戦争をすぐには開始せず、日本がまずソ連に宣戦したということくらい。
その結果ドイツがソ連を下し、アメリカに攻め込んだところで日本も攻勢に出るというわけだが、これだけでは全然説得力が足りない。
 日本がアメリカに勝った世界なのに、日本側の記憶として戦争中は食べるものがどんどん無くなって終戦までそれは続いたという記述や、神風特攻隊が存在していたことも記される。
この2つがあって日本が勝つなどあり得ない。
また特高が罪もない人々を捕らえては拷問して殺しているという設定も、敗戦濃厚になった国でないとなかなかそうはならないし、勝利の後40年後もそんなことが続いているというのも考えにくい。
非常に多面的な知識と考察で仕上げられていた「高い城の男」と比べると、歴史を覆してはみたものの、結局現在の状況や歴史をそのまま使ってしまっているような、浅はかさを感じてしまう。
しかしここはまだいい。
ここに書いたことはまだマシな方なのだ。
本当の驚愕すべき内容は最後に記すことにする(汗)
 上下巻なのだが最新フォーマットなので字が大きく、昔のフォーマットなら普通の厚みの1冊で十分なボリューム。
今回読んでいてこのフォーマットにも少し不満を感じるところがあった。
化夢宇留仁はご飯を食べているときにフォークの先端のような形の本を開いたままにする金具を使っているのだが、このフォーマットだとページをめくって金具を差し直す頻度が非常に高くてうっとおしい(笑)
 読み味やキャラクターがなんというかアニメっぽい。
実はものすごく残酷描写が多く、血みどろな内容なのだが、なんだか全体的に軽く、キャラクターのセリフも現実よりもアニメを再現しているようで、ものすごく距離感を感じ、だんだん物語もどうでもよくなってくる(汗)
 最初に描いた表紙だが、実はあんなシーンは無い(汗)
確かに巨大ロボットは出てくるが全然脇役だし、そもそもそれが存在している理由は特に無い(汗)
 「高い城の男」の「イナゴ身重く横たわる」と同じような存在として、アメリカが勝った世界を舞台にしている「USA」というゲームが登場するが、この内容が酷い(汗)
あまりにも面白そうじゃない単なるアクションコンバットゲーム(汗)。
 最後に上で書いた歴史的説得力の無さの驚愕すべきポイントだが、それは「韓国」の存在である。
主人公格である槻野はフランス人と韓国人とのハーフだし、途中で日系と韓国系で敵対しているような描写も出てくる。
いったい日本が勝った世界でどんな理由があれば韓国が存在できるのだろうか(汗)?
しかもその説明は一切ないのだ(汗)
著者は韓国系アメリカ人ということなので、韓国を贔屓するのは不思議ではないし、それが悪いとも思わないが、わざわざ日本が勝った世界の小説を書いてそこに韓国という国を理由もなく存在させるというのはどういう思考なのか理解しがたい(汗)
ちうわけで酷い本だった(汗)
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