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2022年10月16日17:35

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クローム襲撃

を読んだ。ウィリアム・ギブスン著/浅倉久志・他訳
 80年代を席巻したサイバーパンクの旗手による第1短編集

記憶屋ジョニイ
黒丸尚訳
 脳に暗号化した情報を記憶させ、それを運ぶことで生計を立てている記憶屋ジョニイは、博物館モノの手製散弾銃をバッグに忍ばせた。
ラルフィが記憶を引き出さないままで金も支払われず、話をつけなければならなかったのだ。
しかしその記憶は想像以上に危険な代物だった・・・。

 怪しいバー「ドローム」の雰囲気や、単分子繊維ムチの殺し屋、そしてミラー・シェードのモリイなど、どこもかしこも実にかっこいい。
映画JMの原作だが、なにしろこっちは短編なのでだいぶ趣が違う。

ガーンズバック連続体
黒丸尚訳
 ポップアート史家のディアルタ・ダウンズに依頼され、1930年代アメリカの失われた未来をテーマにした写真を撮っていた「ぼく」だったが、次第にそれが現実に現れたかのようなヴィジョンを見始め・・・。

 レトロフューチャーをディスっている?
イメージは面白かったけど、物語としてはピンと来なかった。

ホログラム薔薇のかけら
黒丸尚訳
 デルタ波誘導装置が電力低減のためにたまに停止し、パーカーは苦しい覚醒状態に引き戻される。それを避けるために電池式の誘導装置を接続し、電力が弱まると切り替えるようにする。
彼は別れた彼女が残していったテープを再生し・・・。

 ギブスンのデビュー作らしい。
でもなんだかよくわからん(汗)

ふさわしい連中
ジョン・シャーリイとの合作/小川隆訳
 コレッティはバーで話したアントワネットと名乗る女が、店を出ると変身するのを目撃する。
後をつけると彼女のパートナーらしき男も現れ、彼らは次々にバーに行ってはそこにふさわしい姿になって酒を飲んでいた・・・。

 星新一みたいな(笑)

辺境
 戻ってきた船には、ドイツの物理化学者である女性が乗っていた。トビーはヒロに叩き起こされ、彼女を迎えに行く。
彼女が行ってきたのは、今までに何人もの人間が行って帰ってきたのに、まだ誰もその行き先を語ったことが無い未知の宇宙だった・・・。

 一種のカーゴ・カルト?
設定も描写も面白いが、こういう展開の話としては終わり方が残念。
ちうかギブズンも宇宙SF書くんだ(笑)

赤い星、冬の軌道
ブルース・スターリングとの合作/小川隆訳
 コロリョフ大佐は宇宙ステーション「コスモグラード」の中の「宇宙におけるソヴィエトの勝利記念博物館」で目を覚ました。
事故によって地球に戻れなくなった彼は、もうここに20年も住んでいた。
しかし政府がコスモグラードの廃棄を決定し・・・。

 ソ連がソ連らしく描かれているのがなんだか嬉しい(笑)
最後にいい感じのオチがあるのはスターリングの作風かしら?

ニュー・ローズ・ホテル
 40年前にはカプセルホテルの部屋として使われていた棺桶「ニュー・ローズ・ホテル」の中で息を潜める「おれ」
フォックスとサンディーと「おれ」は、有限会社マース生命工学の虎の子の科学者ヒロシをホサカに転職させてやり、大金を稼ぐ。
しかしヒロシのプログラムに細工をした者がおり・・・。

 この世界で一番やばいのが生命工学系の会社であるというのがよく分かるお話。
ちうかオチ(?)の意味はよくわからん(笑)
オチてないんだけど。

冬のマーケット
 「眠りの王たち」の売上がが300万個に近づいているという連絡を受ける「おれ」
彼が「眠りの王たち」の編集をすることになったのは、ゴミのアーティスト、ルービンのところで外骨格の女を見つけたのがきっかけだった・・・。

 ギブスンはすでに事が起こったあとから事件を振り返るという形式が好きらしい。
これもそんな形式。
色々と魅力的な描写が多く、面白い。
人格をコンピュータに移植するというアイデアは誰が最初にやったんだろう?

ドッグファイト
マイクル・スワンウィックとの合作/酒井昭伸訳
 スリを繰り返してワシントンを追放されたディークは、バスのステーションの娯楽室で展開されていたフォッカーとスパッドの空中戦に目を奪われる。
彼は各種モジュールを手に入れ、チャンピオンのタイニーに挑戦することを決意するが・・・。

 スターウォーズに出てきたホログラム・チェスを、もっと鮮明にして第1次対戦の空中戦に。
イメージがとても面白い。
またヒロインの17歳の天才少女の描写も面白い。
しかしオチがしょぼすぎる(笑)

クローム襲撃
 ジャックとボビイはソ連製のウイルス・プログラムを使って電脳空間をクロームの城へ侵入する。

 クロームが人名だったのが意外だった(笑)
内容はまさにジャック・インの始祖の1つであり、今となっては非常に馴染み深い描写になっているのが偉大なところでもある。
「ニュー・ローズ・ホテル」とシチュエーションが似ているところもあるが、オチはこっちの方が意外だった。

 ちうわけで今更初めて読んだギブスンだったが、サイバー・パンクっぽくない作品も多かったのが意外だった。
またサイバー・パンクっぽい作品はどれもお馴染みのイメージとなっており、サイバー・パンクは廃れたんじゃなくて、一般的描写の1つとして定着したから語られなくなったんだと再認識した。
でも結局一番面白かったのは「記憶屋ジョニイ」(笑)
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