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2022年05月31日20:15

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ターザンの逆襲

を読んだ。エドガー・ライス・バロウズ著/長谷川甲二訳
 ターザンが一人息子を取り戻してから10年。
なんとジャングルに取り残されたアレックス・パウルヴィッチは生きていた。
彼は長年現地の食人族の慰み者にされてボロボロになっていたが、なんとかイギリス行きの船に拾ってもらい、アフリカを脱出した。
また途中立ち寄った島では人を探しているような奇妙な様子を見せる猿人も収容した。
その猿人はかつてターザンとともに冒険を繰り広げたアクートだった。
イギリスで頭の良いアクートを見世物にして稼いでいたパウルヴィッチだったが、ある日猿人がターザンの旧友であることを知り、しかもターザンの息子のジャックが猿人と仲良くなったのを利用してジャックを殺して復讐しようと企み・・・。
 フランス外人部隊の誇り高きアルマン・ジャコー大尉の7歳の娘ジャンヌが誘拐され、とうとう見つからなかった。
幼いジャンヌはジャコー大尉が捕まえて死刑にした男の叔父であるアラブ人の族長のところに拉致されており・・・。

 まず表紙を見て思うことは、今回は加藤直之先生がイラストを描いているということ。
そして表紙にターザンがいないということ。
ちうか読み始めるとわかるのだが、本作はターザンの息子であるジャックが主人公である。
しかしそのジャックもいない(汗)
ちうかジェーンは金髪だし、そもそも表紙の黒髪の女は誰なのだ???っとクエスチョンマークが飛び交うのだが、もちろん彼女が本作のヒロイン、メリームなのである。
ちうかこのメリームの境遇が小公女セーラが裸足で逃げ出すほど(笑)悲惨なもので、唯一の友達が汚い人形のジーカ(ちなみにネズミの皮とかでできている/汗)。
言われてみれば表紙の女性も汚い人形をぶら下げている。言われるまで気づかなかった(汗)
そこまで来ると加藤先生がなんで彼女を表紙に描いたのかがわかりすぎるほどわかる。
そこにたどり着くと、もはや読者の化夢宇留仁もメリームにメロメロなのである(笑)
 あまりにもヒロインが魅力的だったので後回しになったが、ターザンの息子であるジャックももちろん只者ではない。
猿人アクートと共にジャングルで暮らすのだが、アクートが彼につけた名前「コラク」は「殺し屋」という意味である(笑)
印象的なのが、何度か襲われて死にそうになるのだが、そういう状況で絶対に声を上げず、例えば首を絞められながらも黙ったまま反撃の機会を探るというゴルゴみたいな性格(笑)
彼はこれでも少なくとも10年以上イギリスで何不自由なく成長してきた少年なのだ(笑)
 本作はバロウズ大先生ノリノリの執筆だったようで筆が冴えまくりで、前にバロウズの作品は最初の方は地味だがだんだん盛り上がると書いたが、本作では序盤から怒涛の展開&可哀想過ぎるヒロインの登場でいきなり大盛り上がり。
そこに更に畳み掛ける無慈悲な時間経過。
本作が始まった時点で前作から10年が経過しているのだが、その後本編内でもどんどん時間が過ぎていく。年単位で(汗)
子供が行方不明になった。そして5年経過(汗)
再会するはずがすれ違いになった。そして1年経過(汗)
ってな感じで、あまりにも無慈悲に時間が経過し、それがどんどん切ない状況に盛り上げていくので、読んでいて息もつけない(汗)
そんな調子で前半から飛ばしまくるので、後半に来てまだまだ盛り上げる気満々のバロウズ先生に読者である化夢宇留仁の方が心が折れそうになり、もう許してあげて・・・と祈るばかり(笑)
いやほんとにお腹いっぱいの超傑作大河冒険ロマン大作だった。
何度も書いているが、これだけ多作なのに1作あたりの密度までこんなに高い作家は他に思いつかない。
バロウズはほんとにすごい。
 それにしてもまだ20冊近くあるのに、4冊目にしてこんなにターザン老けちゃって、火星人みたいに寿命が長いわけでもないのに大丈夫かと少し不安になった(笑)
そして「ターザンの逆襲」というタイトルは内容と全然違う(笑)
ちうか原題は「THE SON OF TARZAN」である(笑)
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