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2022年05月20日22:20

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神への長い道

を読んだ。小松左京著

宇宙鉱山
 宇宙艇は金属質の隕石群に取り囲まれて身動きもままならない状況に陥っていた。
隕石群は粉末状の微小なものから数mの大きなものまで混じっており、レーダーは光点だらけの上に細かい隕石の衝突によって船体外皮に取り付けられた装備は片っ端から破壊されていた。
しかしそもそもなぜ隕石群はどんどん加速しつつ密度を高めているのか?
その理由を突き止めるために、隕石群の向かう地点に行ってみると・・・。

 実にSFらしい好編。
小松の理数系知識の積み重ねの確かさも感じさせる。
最後にタイトルの意味がわかる仕掛けも面白い。

飢えた宇宙(そら)
 ジョーが行方不明になり、残ったのはアキオとマリアの2人だけになってしまった。
しかし彼らはいったいどこに行ってしまったのか?
ここは宇宙船の中だというのに・・・。

 ちょっと練り込みが甘いかも。いくらなんでもその計画は無茶すぎる。
これだったら「ブラインドサイト」のやり方のほうがスマートだろう。

宇宙(そら)に嫁ぐ
 火星移民船に乗り込む男と結婚することになった娘が体験する「結婚式」とそれによる変化。

 なぜ処女でないといけないのかが読み取れなかった。
もしかしたら執筆当時の「処女」と、今の「処女」とは大きな乖離があるのかもしれない。

星殺し(スター・キラー)
 豊かな自然に覆われたその惑星は地球そっくりだったが、昆虫以上に大きな動物は存在しないようだった。
しかしこの惑星で2つの調査隊が消息を絶っているのだ。
第2調査隊にはT・Kの友人が乗り込んでおり、彼は前調査隊の一行がどうなったのかをどうしても突き止めたかった。
しかし彼の属する第3次調査隊のメンバーも様子がおかしくなり・・・。

 同性愛絡みの内容だが、特殊なことのような書き方をせず、当時としては非常に自然な状況に描けているのは流石に先見の明の塊左京先生だと思わされた。
落ちは少々唐突ながら(なぜそんな装備を・・・)、これも最後にタイトルの意味がわかる仕掛けでなかなか面白い。

再会
 海中で高度な文明を発達させた種族のいる惑星に、真空で高度な文明を発達させた種族がコンタクト。
しかし彼らは・・・。

 雰囲気がよくてこれからの展開が楽しみ!っと思ったら終わった(笑)
これを冒頭にした長編が読みたかった。
これもタイトルがオチと連動している。

神への長い道
 21世紀の地球に飽き飽きしたフジはコールドスリープによって未来に希望を掛けた。
彼が目覚めたのは56世紀の未来だったが、事態はますます悪化していた。
最後の望みと恒星間宇宙船に乗り込んだフジがたどり着いたのは、滅び去った異星文明の遺跡だった・・・。

 非常に壮大な内容を変化に富んだ展開で描き出している。
昨日NHKスペシャルの立花隆の特集を観たのだが、それと重なる部分が多くて驚いた。
ただし小松の思考は人類だけではなく宇宙全体に及ぶのが流石SF作家は違うと思わせる。
書かれたのはおそらく60年代末期〜70年代前半だと思うのだが、この時点で地球温暖化による海岸線の後退まで導入しているのは流石すぎる。
少し残念だったのは後半がほぼ台詞による説明で構成されていたところで、内容的にある程度は仕方がないとは言え、もう少し工夫してほしかったかも。
ちなみにこれも最後にタイトルの意味がわかる仕掛け。
こういう仕掛けに凝っていたのか(笑)?

 ちうわけでひさ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しぶりに読んだ左京大先生の作品だったが、ほんとに申し訳ないけど今まで著者のことをなめていた(汗)
これまでに読んだことのある作品が偏っていたというのもあるかもしれないが、こんな本格的なハードSF短編も書ける人だったのね(汗)
ちうかSF御三家ではSFらしいSFという意味ではまさに旗手だったんだと再認識させられた1冊だった。
 
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