を読んだ。2016年6月8日。OKさんに借りて。
角川書店。山本弘著。
MM9の世界を舞台にした短編集。MM9の世界と言っても「怪獣」のいる世界という条件しかないわけで、時代も場所もまちまちである。
生と死のはざまで
倒壊したショッピングセンターの地下に閉じこめられた少年と女性自衛官。
彼らの頭上には傷ついた怪獣が居座っており、逃げ出すことも出来ず、そしていつ崩れるかも分からない。
その少年は現実世界からファンタジーの世界の空想に逃避していた。そんな彼が現実と向き合わざるを得ない状況に対し・・・。
なんとも言えない作品。ありきたりなような、斬新なような。
特別面白くはない。
夏と少女と怪獣と
モンタナ州北西部にあるフラットヘッド湖には、怪獣が棲んでいると言われていたが、目撃者は少なかった。
少年ハロルドの祖父はその1人だったが、怪獣が存在するという確かな証拠は残さなかった。
ハロルドは祖父の遺した怪獣の鳴き声のテープを利用し、怪獣を呼び寄せようとしていた。
そんな彼が美しい少女タリーと出会い、恋に落ちるが、その後2人は恐ろしい事件に巻き込まれることに・・・。
なんとなくスティーブン・キングを思わせる雰囲気のいい作品。
変にロリコン趣味とかの描写が生々しいところはこの著者っぽい(笑)
怪獣神様
タイの田舎の湖に現れたMM9級の大怪獣は、異星の神様だった。
神様と心を通じ合った少女シリヤムは、普段から彼女を酷い目にあわせている村の人々への復讐を神様に願うが、神様はそのような争いの結果を知っており、断る。
その神様に、人間達の軍隊が攻撃を仕掛け・・・。
なかなか味わい深い作品。なんとなく「大魔神」風(笑)
ある意味宗教の本質を逆説的に解いた内容でもある。
怪獣無法地帯
1968年3月。アフリカ大陸コンゴ共和国。
怪獣だらけのジャングルの中を進む2人の男と1人の女性。
彼らはある任務を負ってこのジャングルに潜入していたのだが、強大な怪獣に追い回されて任務どころでは無くなりかけていた。
そんな彼らを救ったのは、巨大なゴリラ型怪獣を操る若い女性だった・・・。
前半はターザン&キングコング。後半はSFホラーっぽい展開。
なんだか出てくるメインの怪獣のサイズが小さいせいか、タイトルで想像するイメージとは大きく異なる印象。
正直後半はあまり面白くなかった。
可能性に充ち満ちているMM9世界だが、この短編集はそれを生かし切れているとは言えない内容だったように思う。
退屈することはないにしろ、もっともっと面白い物語ができる世界だと思うので、今後の展開に期待したい。
と言うか、ラブクラフトのクトゥルフ神話世界みたいに誰でも参加できる創作世界に成長したらいいのにな。
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