「午前十時の映画祭」で観賞。黒澤明監督作品の中でも名作の一本。
ヴェネツィア国際映画祭男優賞(三船敏郎)受賞など、海外でも評価の高い痛快アクション作品。
個人的にDVDも持っており、過去に何度も観ていますが、今回、劇場スクリーンで4K版を初めて観賞しました。
あてのない旅をしている素浪人だが、実は凄腕の剣客である、自称・三十郎(三船敏郎)は、とある宿場町・馬目宿に辿り着く。
その宿場では、清兵衛(河津清三郎)と丑寅(山茶花究)というヤクザの親分が対立しており、無法者が多数集まってすっかり荒廃、その悪影響は周辺の村にまで及んでいた。
三十郎は、宿場の飯屋の主人の権爺(東野英治郎)からそうした状況を聴き、清三郎一家と丑寅一家を全面闘争に追い込み、両者を共倒れさせ、宿場に平穏を取り戻そうと考える。
剣の腕前を見せて、清兵衛一家と丑寅一家の間を上手く立ち回り、密かに両者の対立を激化させる三十郎だったが、そんな時、旅に出ていた丑寅一家の卯之助(仲代達矢)が戻ってきた。
卯之助は恐ろしく頭が切れる上に、舶来品のピストルを使う。
剣では誰にも負けない三十郎だが、相手がピストルを使うとなると、ちょっと厄介である。
果たして、清兵衛一家と丑寅一家、そして三十郎の運命は!?
ブラックなユーモアが散りばめられたストーリー構成も、カメラワークも秀逸。
個人的には黒澤映画では、より有名な「七人の侍」よりも好きかもしれません。
セリフのやりとりもいちいち面白くて、「映画 用心棒 名セリフ集」みたいなウェブサイトもありますが、今回の観賞であらためてインパクトを感じたのは次の二つ。
【その1】
クライマックス直前、丑寅一家に捕らえられて拷問されて半殺しにされた三十郎。瀕死の状態だが、隙をみて逃走に成功、権爺の店に這って行き、助けを求める。
そして、三十郎は権爺に隣の棺桶屋から棺桶を買ってきてくれと頼む。権爺は三十郎が死ぬものと早合点し、泣き声になりながら、そんな気の弱いことを言っちゃいけねえよ、と言う。
しかし、三十郎は棺桶で死ぬつもりではサラサラなく、棺桶に隠れてさらに安全な場所への脱出を意図していた。そこでの三十郎のセリフ。
「俺はまだ死ねねえ。死ぬ前に、たたっ斬らなきゃならねえ奴がだいぶいる!」
半殺しにされつつも、あくなき闘志とリベンジ宣言、あらためてシビレました。
【その2】
やはり、ラストシーン。
全てが一件落着し、三十郎が、眼の前にいる権爺と棺桶屋に別れを告げて去っていくシーンのセリフ。
「さて、これで、この宿場も静かになるぜ。…あばよ。」
そして振り向くことなく去っていく三十郎の背中に「終」のテロップが出てスパッとエンディング。
やはり何度観ても素晴らしい名作です。
(完)
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