(10月4日)
今日は航空自衛隊の松島基地航空祭だが、残念ながら曇り空。
写真を撮るテンションが爆下がりだが…
しかし、唯一、基地内で天候に関係ない撮影場所もある。それは格納庫内展示の機体。
今日はF2戦闘機が格納庫内に展示されているが、格納庫展示にしては珍しく、360℃の全周から眺めることができるように展示されていた。…ので、その姿をしばし堪能する。
小説家かつ随筆家の坂口安吾は、著作「日本文化私観」のなかで「小菅刑務所」「ドライアイス工場」「わが帝国の無敵駆逐艦」を挙げて、その機能美を力説して曰く…
「美しくするために加工した美しさが一切ない、ただ必要なもののみが、必要な場所に置かれた、必要のみが要求する形。そのやむべからざる実質がもとめた独自の形態が美を生む。美は、特に美を意識して成されたところからは生まれてこない。」
…とのことであった。
しかるに、この航空自衛隊のF2戦闘機は、米国が開発したF16戦闘機を、日本の防衛戦略の必要に合わせ、外観の微修整も含めて機能改修した機体であり、“美しくするために加工した美しさが一切ない”研ぎ澄まされた機能的な存在である。
坂口安吾が挙げた「小菅刑務所」「ドライアイス工場」「わが帝国の無敵駆逐艦」は、外見的には無骨とも言え、安吾的にはその本質的な存在価値に着目した上での機能美を説いているとの解釈も可能だが…
このF2戦闘機は、“美しくするために加工した美しさは一切ない”にもかかわらず、純粋に外見的にも、刑務所や工場や駆逐艦のような武骨さは全く感じられない、洗練された優美なスタイルをしている。
これこそ、坂口安吾的な機能美の概念を越えた究極の美的存在と言えるのではあるまいか。
できることなら坂口安吾先生にはタイムトラベルでこの令和の時代に戻ってきていただいて、このF2戦闘機を御覧いただけたら…
(完)
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