監督脚本ファティ・アキン、ドイツ映画。
ハーク・ボームの自伝的小説の映画化。
1945年、第二次大戦末期のドイツ。
12歳の少年ナニング(ジャスパー・ビラーベック)は、母ヒレ(ローラ・トンケ)と弟と共にドイツ北部のアムルム島に疎開する。父は戦地に出征中。
父はナチス親衛隊に所属しており、両親ともに熱烈なナチズム及びヒトラーの信奉者。
ナニング少年自身もヒトラー少年団に所属している。
ただ、子どもなので、ナチズムを頭で理解して心酔しているとまでは云えない。
そしてアムルム島は疎開先とは云え、決して生活が豊かなわけではなく、物資や食料も不足気味。
そんな4月30日、首都ベルリンでのソ連軍との攻防戦の最中、ヒトラーは自決。
それをラジオ放送で知った母ヒレは、大きな精神的ショックを受け、食事も喉を通らなくなる。
母が唯一食べたいものは「バターと蜂蜜をぬった白いパン」だという。
母親想いのナニングは、何とか母を元気づけようと、「バターと蜂蜜の白いパン」を手に入れようとするが、そもそもバターも蜂蜜も小麦粉も、材料が全くない。ナニングはそれらの材料を集めるため、東奔西走することに…
日本でも、戦争中に田舎に疎開した子どもが、疎開先の地元の子どもとケンカして、でも疎開が終って別れる時には仲直りとか、敗戦したら価値観が変わったとか、そんなエピソードがありますが、本作も一言で云えば、そんな流れの話です。
そして…
本作は動物に関係したかなりグロいシーンがあります。すなわち…
「鶏卵」を手に入れようとしたがないので、代わりにガチョウの卵を取ってきたものの、割ってみたら黄身と白身ではなくて孵化する直前のヒナだったとか、野ウサギを捕まえて捌いて、野ウサギのハラワタが出てくるとか、アザラシのマネをして野生のアザラシをおびき寄せて猟銃で撃つとか…
エンドロールのテロップに「撮影において動物に危害は加えてません」と出ましたけれども、あれらのリアル動物残酷描写において、すべてがCGや縫いぐるみを使用したとは思えません。
もしかしたら、動物の死骸を業者から仕入れて撮影に使用したのではないですか?
撮影前から死んでいたのであれば確かに「撮影において動物に危害は加えてません」ですが、撮影のために狩猟業者等から調達したのであれば、結局は「撮影の必要で動物が殺された」ことになりますが?
いずれにしても、我が国では癒し系のカワイイ動物である「ウサギ」や「アザラシ」が殺されてしまう描写がありますので、そうした描写が苦手な人にはお勧め出来ない作品です。
念のため、蛇足を承知で、書き添えておきますが…
食べるものが不足している時であれば、そうした動物も捕まえて食べなくてはならないでしょう。日本でも「町中にいた犬を捕まえて食べた」という話も聞きます。人が生きて行くためにはそれも仕方ないことですから。それは十分に解ってます。
一方、だからと言って、現代の我々が、観て不快になるかも知れないシーンのある映画を、安易に他の人に勧める訳にもいきません。注意喚起は必要かと。
以上、蛇足でしたが、ここまで説明しないと、何だか誤解する人もいるみたい…ですので。
(完)
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