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2026年09月12日08:38

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時には懺悔を

(ネタバレあり)


監督中島哲也、打海文三の同名小説の映画化。


探偵の米本洋一(佐藤二朗)が何者かに刺殺された。
米本は探偵業を利用してのゆすり行為など、かなりあくどい稼ぎをしていたらしい。

探偵事務所の寺西(役所広司)は、警察の捜査とは別に、腕利きの探偵の佐竹三雄(西島秀俊)に米本が殺された背景を調べさせる。探偵助手として、若くて経験は浅いが有能な中野聡子(満島ひかり)が就く。

佐竹は無口で不愛想で、聡子を相棒としてまともに扱わず、時に現場で突き放した対応もするが、聡子は歯を食いしばって佐竹の行動についていく。

やがて二人は、米本が最後に請け負っていた探偵の仕事を調べていくうちに、依頼人の「尋津民恵」という主婦(黒木華)と、調査対象者の「明野哲夫」という男(宮藤官九郎)に辿りつく。
この男の方は生活保護を受けつつ、自宅で脳性麻痺で寝たきりの9歳の息子を育てていた。

佐竹は「尋津民恵」と「明野哲夫」が米本殺しに深く関係していると推測し、この2人の身辺を調べていくが、その結果、浮かび上がってきた、予想外の事実…




発端は殺人事件ですが、警察はほとんど登場せず、探偵による真相究明の展開。
探偵には事件の捜査権はないですが、その代わりに非合法の盗聴など過激な探偵手法を使い放題。
ただ、サスペンスがメインではなく、ヒューマンドラマです。
主人公の佐竹自身も、家族との心の摩擦を抱えており、過去のトラウマに悩まされています。

全体としては、さすが中島哲也監督というべき、見ごたえのあるドラマになってました。
西島秀俊も良いですが、ひたむきに行動するキャラの満島ひかりが特に良く、宮藤官九郎の演技も味がありました。


(以下、重大なネタバレ)

身代金目的で誘拐した新生児について、身代金を奪取できず、その後、そのまま自分の子どもとして育てる。しかも、健常児ではなくて、ケアの大変な重い脳性麻痺の子どもを…
一般常識的にありえないと思われますが、観ていて「それもあり得るかな」と思わせる、丁寧な状況設定と心理描写でした。

一方、米本刺殺事件の犯人は、親子仲が良くない米本の息子だったのですが(単なる親子ケンカ)、米本は刺されて自分の死を悟り、その場で刺した息子に、
「返り血を浴びた服を着替えろ」
などと指示して現場から逃がし、さらに現場の息子の指紋を拭き取るなど、証拠隠滅した後に絶命したのが、真相でした。

殺人という重罪を犯した息子(しかも被害者は親である自分)について、その罪を隠して今後の長い人生を生きていくことを示唆する親って、あり得ないです。

そして、親を殺して良心の呵責もなく、罪を隠蔽してのうのうと生きていける人間がいるとしたらロクなもんじゃありません。全く感情移入できません。

親子ケンカでつい刺してしまったのなら、情状酌量で罪が軽減されることあるでしょうし、最期に、罪を償うように息子を導くのが、本当の親ではありませんか。

…というか、刺された時に即死でもなく、その後にわざわざ証拠隠滅だけの体力があったのなら、刺された時点ですぐに救急車を呼べば命も助かったのではないですか?

(以上、重大ネタバレ終わり)

いずれにしても、劇場で観て良かったと思える秀作でした。
お勧めです。

(完)




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