mixiユーザー(id:15337934)

2026年07月19日06:24

35 view

「黴(かび)」を歌う(7040)

金曜日は午前中に声楽のレッスンがあった。水曜日、ふと気がついた。なぜかレッスンは来週だと思い込んでいたのだ。木曜日の午前中はモーツァルトのレクイエムの練習があり、休むわけにはいかない。午後は鉄工所のアルバイトをする予定だったが、急きょ変更してもらった。

レッスンで歌うのは、橋本国彦の「黴(かび)」と「セレナーテ」。「セレナーテ」は秋の門下生コンサートでは歌わないが、喉の調整用である。

木曜日の午後、「黴」をやり始めた。深尾須磨子の詩を読み、YouTubeで演奏を聴き、ネットで詩人や作品について調べているうちに、気がつけば3時間が過ぎていた。深尾須磨子の詩は、とにかく難しい。本棚には妻の日本文学全集があるが、そこに深尾須磨子の名前はない。ネットで検索しながら歌詞の意味を調べていく。橋本国彦の歌曲を歌うのは「斑猫」「お六娘」に続いて3曲目だが、これほど歌詞の世界がつかみにくい曲は初めてである。

ドイツリートやイタリア歌曲、オペラアリアを練習するときも何を歌っているのか、どんな場面なのか、どんな感情なのか。それを読み込んで理解したうえで歌う。

ところが「黴」は、詩の世界そのものがなかなか見えてこない。では、このわかりにくい詩を、橋本国彦はなぜこの音楽にしたのか。なぜこの旋律でなければならなかったのか。詩の意味を調べ、音楽を聴き、また詩に戻る。わかったような、わからないような。同じところをぐるぐる回っていた時間だった。

https://youtu.be/tSk3lfPOU6k?si=O9u9sGuGGWfB9wGd

だが、これが声楽の楽しみでもある。ただ音符を正確に歌うだけなら、こんなに時間はかからない。しかし、一曲の詩と音楽を自分の中にどう取り込んでいくかを考え始めると、終わりがない。どこまで熟成できるか。

もっとも、この曲は師匠が推薦してくれたのだから、きっと自分の声には合っているのだろう。そう思うことにして、金曜日のレッスンに行った。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年07月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031