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2026年11月03日04:05

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両王手(8457)

将棋は、最後まで指せば自玉に王手がかかり、詰みとなるところまで進むこともある。しかし、プロの将棋では、そこまで指すことは少ない。形勢に大きな差がつき、逆転の見込みがないと判断した時点で投了するのが普通である。一方、アマチュアでは、最後まで指すことが多い。

王手は通常、一つの駒を動かすか、打つことで相手の玉を直接攻める。ところが、二つの駒が同時に王手をかける場合がある。両王手と呼ばれるもので、数年に一局あるかどうかという珍しい形である。

第7期女流順位戦A級第1回戦、加藤桃子四段対渡部愛四段の対局で、珍しい両王手が現れた。118手で後手の渡部四段が勝ったのだが、最後の局面が見事だった。

先手の加藤玉は7七にいる。それに対して、渡部四段の龍が7五、角が4四に配置されている。龍と角の二つの駒が、それぞれ別の方向から玉に王手をかけているのである。

まだ玉が逃げる余地はあったが、加藤四段はここで投了した。

こうした局面は、数手前から予想されていたはずである。うっかりしたミスで突然両王手を受けたというわけではない。渡部四段が局面を組み立て、加藤四段の玉をこの形に追い込んだ結果である。加藤四段としても、避けるのが難しい展開だったのだろう。

プロの将棋は、詰みまで指さずに投了することがほとんどだが、今回の投了図には、単に勝負が決まったという以上のものがある。龍と角による両王手。二つの駒が別々の方向から玉を攻める、見た目にも鮮やかな形である。

勝敗が決まった局面にも、将棋の美しさがある。今回の投了図は、まさにそれを感じさせるものだった。
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