を昨日読んだ。ラリイ・ニーヴン著/小隅黎訳
えり好みしなさすぎるラムロボットによって人類の居住に適していると判断された鯨座タウ星は超高温と有毒大気の惑星だったが、地表から40マイルも突き出しているマウント・ルッキッザットの山頂平原だけは確かに居住可能だった。
そのマウント・ルッキッザットに人類が植民をはじめてから約300年後、マシュー・ケラーは追いすがる統治警察の手を逃れ、マウント・ルッキッザットから飛び降りた。
それでもマウント・ルッキッザットはこれまで通りで変化は無かったが、新たなラムロボットが運んできた地球からの荷物は大きな変化をもたらそうとしていた。
ノウンスペース・シリーズの長編。
主にマシューの甥であるマシュー・リイ・ケラーの視点で進むが、どちらかといえばマウント・ルッキッザットの歴史の転換点全体がメインの群像劇という印象も。
ノウンスペース・シリーズは非常に長い歴史を描いていて、その中でも最も悲惨なのが臓器移植が社会の根幹を占めた時代で、交通違反でも死刑になって臓器移植用のパーツにされてしまう(汗)
本作はそんな時代のしかも超光速航法技術もない上でのコロニーが舞台であり、より悲惨なことになっている。
移民船の乗員はそのまま貴族階級となり、コールドスリープされて運ばれてきた移民たちは彼らに奉仕する立場で、もちろん反逆罪は即座に死刑で臓器パーツにされてしまうのだ。
そんな世界の変革の流れが描かれるわけだが、化夢宇留仁的には今まで読んだノウンスペース・シリーズの中ではもう一つに感じた。
何と言ってもニーヴンの魅力は面白い異星人なので、それが一切出てこない上に上記のようななかなか悲惨な状況で一気に盛り上がるという感じにならないのだ。
また主人公マシューがその能力の関係もあってヒーローっぽい要素が皆無なのも影響していそう。
その分2人のヒロイン(?)は超ヒーローっぽいが(笑)
統治警察の長官ジーザス・ピエトロや、乗員階級で「病院」の支配者のミラード・バーレットなど、じじいで魅力的なキャラクターがいるのはなかなかよかった。
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