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2025年09月13日14:59

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聖者の行進

を読んだ。アイザック・アシモフ著/池央耿訳
男盛り
 まだ生きていたのかと驚かれるアシモフがそのことについて書いた詩。
この詩を書いた当時(1966年)はアシモフはまだ46歳だったが、そのあまりの多作ぶりにとうの昔に亡くなった昔の作家だと思われていたらしい(笑)

女の直感
 極秘に地球上で活動していたロボットが事故によって失われた。
それは今までUSロボット・アンド・機械人間社が開発したロボットの中でも最も進んだ思考能力を持っており、人間には不可能な量の情報を突き合わせて直感を働かせることができ、その能力で人類が目指すべき居住可能な惑星の選定を行っていたのだ。
そしてロボットを開発したマダリアンの最後の報告では、それが成功していたはずなのに、研究者たちはその様子を誰見ておらず・・・。

 ロボットジェーンシリーズのボディを女性型にするという件があるが、そもそもこのロボットに人間のようなボディが必要な理由がよくわからない。
それと冒頭の事故内容があまりにも奇跡的な出来事で、神の審判かとさえ言いつつそのままなのが気になった。
スーザン博士が活躍するのは相変わらず楽しい。

ウォータークラップ
 月世界から地球の深海居住施設オーシャン・ディープにやってきたデマレストは、ある決意を秘めていた。
人類のためには月と宇宙の開発を進めるべきで、深海などに予算を割くのは無駄以上の深刻な問題につながるのだ・・・。

蒸気を利用した深海のエアロックの描写が面白い。
それにしてもそもそもオーシャン・ディープはなんのためにあったのだ(笑)?

心にかけられたる者
 前に読んだ「究極のSF -13の解答-」収録のものと同内容。
あっちの感想で化夢宇留仁は「そもそもロボットは人間をどうやって人間だと見分けていたのか???」という感想を書いたのだが、本書の冒頭のいつものアシモフのつぶやきで、そもそもこの作品は同じ疑問が出発点だったと知って驚いた。
ところがこれが同じ文章なのに意味は違うのだ。
化夢宇留仁が知りたかったのはもっと単純に、人間とそれ以外をどうやって見分けているかで、例えば寝たきりの人、部位の欠損のある人、子どもなど、ロボットはどこまでを人間とみなすのか、その線引きはどこなのかという疑問だった。
しかし最近のAIの様子や、更には本書収録の「バイセンテニアル・マン」でだいたいわかった。
なんとなくの見た目で判断しているらしい(笑)

天国の異邦人
 その時代には同じ両親から2人以上の子どもが生まれるなどということは滅多に無かった。
また名前は名字も含めて本人が自由に名乗っていた。
そんな世界で同じ両親から生まれた顔もそっくりの兄弟が同じ目的を持って働くことになる。
それは水星にロボットを送り込んで調査を行うことだったが・・・。

 最後なんだか爽やかな感じで終わるのはいいのだが、この話は納得のいかないところばかりでよくわからなかった。
真の名前はそれぞれにユニークな数字と記号が割り当てられているので名前はどう名乗ってもよいのなら、なんでそもそも名字が必要なのか?
兄弟の拒否反応もよくわからない上に、物語になにか影響しているとも思えなかった。
 繊細すぎるロボットの反応を制御するために専用の超高性能コンピュータを地球に設置してコントロールするが、その通信には7分のタイムラグがあるというのはどう説明されても突っ込みどころしか無い。
 またこの作品のロボットこそ人間型である必要性が(オチ以外では)見当たらない。
ゴツいタイヤ移動でいいじゃん。
 というわけでこの作品は2人の編集者がそうしたように、ボツがふさわしいと化夢宇留仁も思う(笑)

マルチバックの生涯とその時代
 超大型コンピューター「マルチバック」にコントロールされた世界。
パクストは端末を破壊しようとしたハインズを告発したことで、反コンピューターの組織から糾弾されることになったが、彼の計画上それは必要なことだった・・・。

 オチは予測できるが、最後に付け加えられたという質問はなかなか深みがあってよかった。
またこの世界は「鋼鉄都市」の世界に近い雰囲気があるように思ったが、ほんとうにつながっているのかどうかはあっちを読み直してみなければ・・・(汗)

篩い分け
 地球の人口は60億に達し、絶望的に食料が不足していた。
そんな中細胞膜の浸透力をコントロールして変化させることを可能にした研究を発表したロッドマン博士は、政府によって囚われの身となり・・・。

 その話の流れで食べるとは思えない(笑)

バイセンテニアル・マン
 マーチン家のロボット、アンドリュウにリトル・ミスが木彫りのペンダントを作るように命令すると、アンドリュウはあっという間に見事な作品を作り上げた。
彼は世にも珍しい創造力のあるロボットだったのだ・・・。

 超名作。映画「アンドリューNDR114」の原作でもある。
化夢宇留仁が特に好きなのは前半部分で、その幸せな時間の流れに感動する。

聖者の行進
 精神に異常のある人に対し、その原因である脳波の一部を取り除いたものを音と光で患者に与えると、改善が見られた。
しかしレーザーで計測される脳波はあまりにも複雑で、そこに音楽家であるジェローム・ビショップが協力することになり・・・。

 あの「聖者の行進」である(笑)

前世紀の遺物
 小惑星帯の中でブラックホールに遭遇してしまった宇宙炭鉱船の乗員2人は、なんとかして地球に連絡を取ろうとするが通信機も破壊されており・・・。

 オチは想像つくが、本作が発表された非SF誌の読者ならどうだろう?

三百年祭事件
 2076年7月4日。世界は統一された連邦制になっていたが、「地方」として元の国の文化も色濃く残っていた。
そんな世界でアメリカの建国300年祭が行われるが、大統領の姿が一瞬で消え・・・。

 オチは読める・・・というかオチなのかどうか、ちょっとよわくわからなかった(汗)

発想の誕生
 タイムマシンを発明した男が約50年前のアメリカに・・・。

 アメージング・ストーリー誌50年記念号に掲載されたもので、ほとんど楽屋落ちみたいなもの(笑)

 面白いのもそうでないのも収録されているが、やはり「バイセンテニアル・マン」が飛び抜けている。
ところで本書の中のいくつかの作品もそうだが、アシモフの作品はどうやらロボットが登場しないものでもUSロボット・アンド・機械人間社が存在する同じ世界線で展開しているものが多いようだ。
誰か調べ上げて年表とか作ってないのかしら。
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