mixiユーザー(id:462499)

2024年11月22日21:12

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夜の闇の中へ

を読んだ。
コーネル・ウールリッチ著/ローレンス・ブロック補綴/稲葉明雄訳
 自殺に失敗したマデリンは・・・ってなんかつい最近同じ書き出しがあったな(笑)
失敗したことで生の喜びに気づいたのはいいが、もう使わなくなった銃を置いたはずみに暴発し、見も知らぬ若い女性を殺してしまう。
マデリンは死ぬはずだった自分が生き残り、生きるはずだった女性スタアを殺してしまったことで、その代償は1つしかないと決断する・・・。

 はっきり言って主人公マデリンはキチガイである(笑)
しかしそのキチガイが、考えた末に行動を起こし、綿密に計画を立てて目的を達成していく様はなかなか鬼気迫るものがある。
しかしなにしろキチガイなので(笑)、感情移入とまでは行かず、まあまあ眉を寄せながら読んでいたのだが、2番目の他殺死体(笑)が登場してからは俄然盛り上がって最後まで楽しく読めた。
しかし・・・最後のオチはいただけない(汗)
 ところで本作は著者の未完の遺作の1つであり、それをローレンス・ブロックが補綴して完成させたものなのだが、未完と言っても前半はあったけど後半がないというような単純な状態ではなく、冒頭、途中のいくつかのパート、そしてラストが欠落というなんとも悩ましい状態で、それらを補完して違和感なく1つの作品として仕上げたブロックの手腕はなかなかのものだと思う。
しかしそれにしてもラストはいただけない。
本作では主人公のバックグラウンドがほとんど語られないのが特徴的なところでもあるのだが、あのオチに至るためには絶対にそこは必要なのだ。
しかも解説で示されていた著者が消したがなんとか読めた草稿で暗示されるオチは、それまでの内容をほぼ完全に受け止められる素晴らしいものなのに、どうしてそうしなかったのかほんとに理解に苦しむ。
そうだったとしてもこのままだとマデリンの心情描写が足りなさ過ぎるとは思うが。
 ホームページの掲示板で本書を読んだ有識者の方は、本作はひねりが無いと書いていた。
確かにそうかもしれない。
例えば化夢宇留仁は本作の謎に関しては、前半に示されるヒントを完全に忘れていたのだが、提示された条件であり得るのはこれしかないと思っていたらやはりその通りだった(汗)
そこから更にオチはこうだったら面白いというアイデアがあったのだが、それは全然違った(笑)
しかし本作はひねりはないかもしれないが、想像もつかないストーリーという点では十分に奇抜だったと思う。
途中で出てくる様々な要素が投げっぱなし(超有能な刑事とか)なのも、わざとなのか未完ゆえなのかわかりにくいというところも含めて、最初から最後までに興味深い作品だったのは間違いない。
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