を読んだ。池波正太郎著
待ち伏せ
夜道を歩く大治郎が猿子橋にさしかかったとき、突然2人の曲者に襲われる。
2人は敵討ちをしようとしていたようだが、大治郎の顔を見た途端、そそくさと逃げ出してしまった。どうやら人違いだったらしい。
気になった大治郎は翌日自分のたどった道筋を歩いてみて、自分とよく似た背格好の男を見つけ・・・。
意外に奥行きのある話で、最後は自然な流れで身近な存在に絡めてくるところなど、ミステリーのような趣も。
ラストは切ないものがある。
この話の化夢宇留仁にとってのハイライトは鰻売りの又六の母親が大治郎にごちそうした「ぶっかけ」で、あの大治郎が正気を無くして4杯もたいらげてしまうという破壊力(笑)
小さな茄子二つ
ひさしぶりに江戸に出てきた落合孫六だったが、夜道で曲者に襲われ、弟のために借りてきた100両の大金を奪われてしまう。
小兵衛は泣きついてきた孫六をしかりつけるが、100両を立て替えてやる。
小兵衛は孫六が襲われたのは偶然ではないと考えていた・・・。
成り行きでいい思いをする傘徳(笑)
ちなみに落合孫六は剣客商売四の「雷神」に出てきた元小兵衛の弟子である。
或る日の小兵衛
神無月の寒い夜、手水に起きた小兵衛は幽霊のようなものを見る。それはかつて小兵衛が童貞を捧げたおきねだった。
翌日小兵衛はおきねを探し出そうと出かけるが、なぜか様々な事件に巻き込まれ・・・。
混沌としすぎていて夢幻紳士を思い出した(笑)
しかもオチが・・・その人違いはありなのか(笑)?
秘密
大治郎が浪人3人を刀も抜かずにあしらったのを見て、宮部平八郎という男が頼み事をしてきた。なんと50両で人を斬ってほしいという。しかしそんな平八郎はそんなことを言い出すような男には見えず、興味を持った大治郎は引き受けると言うが・・・。
なんだかこの本は過去の悲劇を発端にした切ない話が多い。
そして新蕎麦を打つおはるが可愛い(笑)
討たれ庄三郎
小兵衛とは鬼熊酒屋で顔なじみだった黒田庄三郎という男が訪ねてきて、小兵衛に果たし合いの見届人になってほしいと言い出した。
事の次第を聞いて引き受けることにしたが、果たし合いは残念な結果に・・・。
これまた切ない果たし合い。
黒兵衛がまた出てきてくれると嬉しい(笑)
冬木立
3年前の雨の日に優しくいたわってくれた少女のことを思い出し、小兵衛はその飯屋に行ってみるが、そこに当時の面影はなく、薄汚れた人相の良くない男たちのたまり場になっていた。しかしそこに当時の少女がいるのに気付いた小兵衛は彼女を苦境から救い出そうとするが・・・。
これまた実に切ない。このとき正太郎くんは切ない話ブームだったらしい(笑)
剣の命脈
死病の床にある志村又四郎が思い残すことは、かつて試合で打ち負かされた秋山大治郎と真剣で果たし合いをするというものだった。
最後の力を振り絞って大治郎のところへ向かうと力がみなぎってきたが、その先には皮肉な運命が待ち構えていた・・・。
偶然のすれ違いの強調が多く、めぞん一刻を思い出した(笑)
そしておはるの「そんなら明日、三冬さんをうちへ連れて来ていおくから、久しぶりに、みんなで何かうめえものを食べましょう」という台詞が一番印象に残った(笑)
ちうわけで、巻を追うごとに物語とは直接関わることがほぼ無いおはるの存在感が増してきているように感じる化夢宇留仁なのだった。
剣客商売世界を成立させているのはおはるの存在だと思う(笑)
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