を読んだ。昨日。エドモンド・ハミルトン著/野田昌宏他訳
キャプテン・フューチャーの帰還
1年後には帰ると言い残してアンドロメダ星雲に旅立ったフューチャーメンたちだったが3年経っても帰らず、政府は彼らの死亡を認定し、月の基地も接収されることが決定された。
納得できないジョオンだったが、エズラに説得され、とりあえず公開されたら危険なものだけでも基地から持ち出すことに。
苦労して基地に侵入した2人だったが、なんとそこには・・・。
短編全部に言えることだが、心理描写が細やかになっていて雰囲気がぜんぜん違う。
脳内で形作られるイメージも、これまでがアメコミっぽかったのが、実写の海外ドラマみたいになった(笑)
それがこの題材に合っているかどうかはさておき(汗)、化夢宇留仁的には読みやすくなった。
で、内容だが、実は帰っていたフューチャーはあまりにも危険なものをアンドロメダ星雲から持ち帰っており、それを使った実験を行おうとしているのだが・・・フューチャーがすっかりマッドサイエンティストになっている(汗)
と言うのも「それ」から人類発祥の秘密を知ろうとしているわけなのだが、「それ」はほんとにあまりにも危険で、銀河系の人類文明を滅ぼしかねない代物なのだ。
昔のフューチャーだったらすぐに破棄していたはずなのに、今回は銀河系まで持ち帰った挙げ句にそれを目覚めさせるなど、これまでにフューチャーが戦ってきた敵とやってることが同じである(汗)
しかも更にうっかりミス(汗)
初っ端からなんだかやばい雰囲気(汗)
太陽の子供たち
太陽の衛星であるヴァルカンで行方不明になっているフィリップ・カーリンを捜索するフューチャーメンたち。
原住民はカーリンが「光の道」を通って行ってしまったと言う。
フューチャーはカーリンを探すために自分も「光の道」に入る決断をする。
「太陽の子」というアイデアはまあまあ面白い。
ちうか「太陽の衛星」ってなんやねん(笑)?
衛星タイタンの<歌い鳥>
救援要請を受けてタイタンの蘚苔類の密林で依頼者であるケオガを待つフューチャーメン。
ケオガはもう来ないかと思われた頃に姿を現したが、4人の眼の前で小型の矢で頭を撃たれてしまう。
ケオガの友人であるハーカーは、これでタイタンを救う方法は無くなったと嘆くが、サイモンにはアイデアがあった。
人間に戻ったサイモンの身体と感覚への感動がきめ細かに描かれていてなかなかいい感じ。
鉄の神経お許しを
テレビの影響で自分が神経症になっていると思い込んだグラッグ。
地球の精神分析医を尋ねると、1人になった方がいいと言われ、それを聞いたフューチャーはグラッグを1人で冥王星の第4衛星ディスで発生している事件の調査に向かわせた。
果たしてディスでは巨大な採掘ロボットたちが仕事をサボってうろついていた。
グラッグは無人のはずのそこで人間の科学者と出会い・・・。
コメディ編。
グラッグが「知能があるようなふりをするんだ」と言われてぶち切れるのが愉快(笑)
また巨大な採掘ロボットたちを見上げるグラッグという風景が、描写も相まって実写のかっこいいイメージが想起されていい感じ。
忘れじの月
エズラ・ガーニーが行方不明になったエウロパへ向かう一行。
果たしてそこでは老人たちが過去の世界に生きることができる機械に囚われていた。
その機械は自分の過去のみならず、自分の祖先の記憶までもを体験できるのだ・・・。
トータルリコール風味。
相変わらずフューチャーの人類創世の秘密への異常な執着が怖い(笑)
もう地球人では……
宇宙空間を漂っていた凍った男ジョン・カーリーはコメットに拾われ、蘇生された。
カーリーは初の木星への有人飛行のメンバーだったが、隕石との衝突で宇宙船は失われていた。
なんとかカーリーの居場所を見つけてやろうとするフューチャーだったが・・・。
「3001年終局への旅」みたいなシチュエーションで、こっちの方が未来世界への拒否反応が強い。
またこの話ではフューチャーが鉱山会社を裏で牛耳るルーサーという男と対決するという要素もあるが、このルーサーというやつが全然キャプテン・フューチャーの敵らしくないやつで、全然証拠を掴ませない。
結局フューチャーのとった手段がこれまた全然キャプテン・フューチャーらしからぬなかなか汚いやり口で、なんとも微妙な感じ。
<物質生成の場>の秘密
フューチャーたちの留守の間に月の基地に侵入した賊は、「物質生成の場」への航路地図を複製して持ち去った。
それに気づいたフューチャーは急いであとを追うが・・・。
「輝く星々のかなたへ!」の続編的な内容。
やっぱりフューチャーのマッドサイエンティスト感が・・・(笑)
この先はキャプテン・フューチャー誌に掲載されたコラムが続く。
ほとんどはキャラクターや設定の紹介なのだが、中にはいくつかショートショートレベルの小説もあったので、それを抜粋して記す。
8 キャプテン・フューチャーの少年時代
14歳のカーティス・ニュートンはこっそりと1人で月面上へ出た。
しかしそこで出会ったのは、地球人の海賊たちだった・・・。
初めて自分以外の人間に出会ったカーティスだが、その顛末は悲惨の一言。
よくこれで地球人を滅ぼす悪の魔王に育たなかったな・・・(笑)
9 カーティス・ニュートンはいかにしてキャプテン・フューチャーになったか
初めて月を出て太陽系全域の旅をしていたカーティスは、しばらく冥王星の原住民といっしょに過ごし、彼らが地球人との交易に向かうのにも同行したが、そこで彼が見たものは悪逆な地球人による原住民に対する不公正な取引だった・・・。
よくこれで・・・(笑)
10 キャプテン・フューチャー、カメレオンを追跡する
神出鬼没で血を流さずに積荷を奪うカメレオンと呼ばれる海賊が出没し、それをどうしても捕まえられない惑星警察機構がキャプテン・フューチャーに泣きついた。
フューチャーはいつものように囮作戦でカメレオンをおびき出すが・・・。
おしゃれなミステリーシリーズの1編みたいな好編。
しかし最後のフューチャーが、さも自分の手柄のような余裕をかましているのが気になった。
あの「事故」が無かったらお手上げだったくせに(笑)
11 <宇宙の女王>号の人騒がせな事件
キャプテン・フューチャーの偽物現る!
大元の長編シリーズに非常に近い雰囲気と内容で、膨らませて長編にしてもよかったのではと思った。
12 グラッグの誕生
誕生したばかりのグラッグは従順なだけの役立たずだったが、ロジャー・ニュートンのアイデアでグラッグの脳を改造し・・・。
脳の改造の方法が意味不明すぎて全然納得いかない(笑)
13 キャプテン・フューチャーのもっとも不思議な冒険
銀河中心部近辺から地球への帰路の途中、燃料である銅が残り少なくなったコメットは放浪惑星を発見して着陸する。
しかしそこは思ったものがたちまち現物として現れる奇妙すぎる世界だった・・・。
スタートレックの「おかしなおかしな遊園惑星」に似た内容で、雰囲気も近い。
逆に言うとキャプテン・フューチャーらしくない(笑)
14 サイモン・ライトの変身
ロジャーのアイデアでサイモンが「生きている脳」になる過程・・・なのだが「3 <生きている脳>」ではそれをサイモンがロジャーに提案したと書かれている。
そのくらいのことは覚えておけよ(笑)
またサイモン視点でニュートン夫婦が殺される様子も出てくる。
そう言えばこれまで各長編で語られていたその事件の様子に、サイモンが登場していた記憶がない(汗)
15 驚くべき創造物オットー
オットー誕生の様子。
オットーの脳はグラッグのそれとは根本的に異なる構造になっているようだが、その製造過程の説明も成長過程も全く意味がわからない(笑)
16 オットー、マスコットを見つける
オットーがオーグを手に入れ、グラッグのイイクにけしかけるが・・・。
化夢宇留仁はそもそもこの2匹のペットが好きではない(笑)
17 グラッグのペット、月犬
グラッグがイイクを手に入れ、手懐ける過程。
上に同じ(笑)
それとなんでイイクはいつまでも小さいままなのかの説明が無いのが気になる。
後は解説と著作リストである。
どうやらハミルトンはパクリ魔らしい(笑)
ちうわけで少なくともハミルトンが書いたキャプテン・フューチャーものはこれで一通り読んだことになる。
全体的になかなか面白かったが、やはりもっと早く、小学生とか中学生の頃に読んでいたら何倍も楽しく読めただろうという気がする。
化夢宇留仁がそういうことを思うのは珍しいのだが。
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