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2024年05月03日09:57

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銀河帝国の崩壊

を読んだ。アーサー・C・クラーク著/井上勇訳
 過去のビジョンから現在に引き戻された少年アルビンは、これまでにも増してダイアスパーから出て外の世界を探検したいという思いを感じていた。
しかし彼の周りの人々は外の世界が存在しているのを知ってはいるが全く興味を示さず、それどころか外の世界を考えるだけで恐怖を感じていた。
アルビンが知る限り唯一外の世界を見ることができる、ダイアスパーの頂上近くの通風孔からは、限られた視界内いっぱいに砂漠が広がっていたが、ある日アルビンは通風口の外にも足場がある可能性を思いつく。
果たしてそこにはダイアスパーの外壁に沿った階段があり、アルビンはそのまま外の世界へ出ていけると思ったのだが、たどり着いたのは行き止まりと、遥かな過去に残されたメッセージだった・・・。

 クラーク大先生の超初期長編で、後の名作「都市と星」のベースにもなったらしい。
流石に初期の作品だけあって色々と粗削りで、クラークの味でもある余裕たっぷりの演出技法もまだ感じないが、流石に只者ではないのは読み始めてすぐに感じた。
同じようなことを考えたとしても、クラークレベルになると常人とはスケールが違うのだ。
なにしろ冒頭少年アルビンが観ているビジョンは、「ビジョン内の現在から5億年前」に襲いかかった侵略者たちが再び来襲した様子だが、そのビジョン自体が最も古いレコードで内容は「数億年前」の出来事なのだが、そのビジョンの舞台だった都市である巨大な塔ダイアスパーに現在アルビンは住んでおり、ダイアスパーに住んでいる人たちは不死なのだが、「少年」アルビンは最年少かつダイアスパーで最後に生まれた子供で、年齢7000歳(汗)
主人公の年齢ランキングではおそらくトップ10内に入るだろうし、「少年」の年齢ランキングではトップ3くらいには入るのではなかろうか(笑)
 物語は遺されたメッセージの「記録保管人によろしく伝えてくれ」に従ってアルビンが現在の記録保管人ロアデンと出会うことで、過去に仕掛けられた謎を解き明かすミステリーとして展開しはじめる。
ここがなかなか雰囲気があって面白いが、読者的にはまだタイトルの「銀河帝国」のぎの字も出てこないので目的地も定まらない迷路を歩いているような気分である。
と言うか「銀河帝国」が言及されるのはほとんど終わり近くなのだ(笑)
しかしとうとう出口を発見してからは怒涛の展開となり、蘇った超高速交通システムや、太古の要塞と奇妙なロボット、そして砂漠から現れる○○○と、まさに見せ場の連続。
ちょっと「第9地区」を思い出すようなところも。
ラストは真相があまりにも一方的に語られるのでちょっとどうかと思わないでもなかったが、このへんはまだクラークの技術が自らの想像力に追いついていなかったのだろう。
このことからもやっぱりクラークはその想像力が骨子なんだなあと思わされた。
 ちうかまた表紙のシーンが無かった気がするぞ(笑)
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