を読んだ。ウイリアム・アイリッシュ著/中村能三訳
コールフィールドの閑静な住宅に住む「私」は可愛い息子と愛し合う夫と暮らしており、幸せなはずだったが、お互いに拭いきれない疑いを捨てきれず、苦悩していた。
あるドアの前に立つヘレン・ジョーゼッソンという女は、それが開かないと納得するまで立ち尽くし、次には電話ボックスで相手が出ないと納得するまで立ち尽くし、やがて汽車に乗ってサンフランシスコに向かった。
彼女の前の席には新婚らしい幸福そうなカップルが座っていたが、やがて男が立ち上がり、席を譲ってくれた。
それが縁となって仲良くなった若い女性はパトリス・ハザードといい、これから夫の実家に行くところだという。
彼女たちは2人とも妊娠していた・・・。
ホームページの掲示板でこの本を読み始めたという書き込みがあり、その本なら化夢宇留仁の本棚にもあったと思い、いいきっかけなので読んでみた。
結果非常に面白かった。
ミステリーなのは間違いないが、サスペンス色も強く、中盤からは主人公である女性がドキドキオドオドしまくるので「死者の入江」を思い出した(笑)が、こっちはそうする理由が有り余るほどあるのでサスペンスにも説得力があった。
ちうか「死者の入江」と比べたら小説としての完成度が天と地ほどの差がある。
<ここよりネタバレ>
面白かったのだが、化夢宇留仁は冒頭と最後のオチはカットしたい(汗)
彼女も大きな罪を犯しているのでそう簡単には幸せにさせないという感じだと思うが、みんな苦労したんだし、めでたしめでたしでいいじゃんっと思った(笑)
ところで化夢宇留仁は中盤に入るか入らないかで犯人がわかった。
といっても本編内で具体的に提示されるわけではないのだが、いくつかの証拠は提示されている。
ちうか化夢宇留仁は冒頭の状況を鑑みて、登場人物が出揃った時点でそれ以外ありえないと思っただけなのだが(笑)
ホームページの掲示板の書き込みで登場人物紹介の内容と本編が食い違っていて混乱したとあったが、化夢宇留仁は登場人物紹介は誰が誰だかわからなくなるまで見ないので、その混乱は免れた。
確かに最初にそっちを見ていると本編冒頭でなんじゃこりゃ!?ってなるわ(笑)
言ってしまえば単純な話なのだが、時系列や名前なんかがややこしい配置のされ方をしているのだ。
一番印象的だったのはハザード家のいい人たちぶり。
「彼」もまさかあんな過激な反応が複数返ってくるとは予想もしなかっただろう(笑)
他にも「ブルース・パティントン設計書」を思い出す展開とか、いろいろと見どころが多かった。
そうそう子供の存在感の無さもすごく奇妙で印象に残った。
まるで人形(汗)
「幻の女」で有名な著者だが、ストーリーの面白さはこっちの方が勝っていたように思う。
まあこちらは完全に主人公視点なのでストーリーとして追いやすかったというのはあると思うが。
なんだかんだ言ったが、要するに非常に面白かったのでこの本を読むきっかけを与えてくれた書き込みに感謝したい。
あ、「死者との結婚」というタイトルは内容と合ってないと思った(笑)
ログインしてコメントを確認・投稿する