ミトコンドリアDNAはいろいろな話に出てくるから知っている人も多いと思う。
小説でも「パラサイト・イブ」っていうのがあったね。
(ワシは読んでないけど)
あと、世界中の人間は実はアフリカにいたたったひとりの女性から分かれた、とか
そういう話もつまりはミトコンドリアDNA解析からきているのだな。
人間の遺伝情報は細胞核の中のDNA。
2本鎖になっていて、父母から一本ずつ受け継ぐ。
このどっちかが表に出る(発現する)から
親が金髪と黒髪の組み合わせでも、金と黒の混じった髪にはならない。
細胞核じゃなく、それを包む細胞質は
細胞核からの遺伝情報を受け取っていろいろ働いているんだけどね。
細胞質内にあるミトコンドリアは、エネルギー産生の中枢だね。
こいつが実は、独自のDNAをもっているのよ。
でも、ミトコンドリアがエネルギー産生するためには
核内DNAからの情報が絶対に必要で、
細胞質から出るとミトコンドリアは生きていけない。
だから大昔に生物の細胞に寄生した単細胞生物の名残、と言われている。
ミトコンドリアDNAは細胞分裂のとき複製される。
細胞がふたつに分かれるときミトコンドリアもわかれて、
ミトコンドリア内DNAも複製されて、同じものができるわけ。
人間のミトコンドリアDNAは「母親からのみ」受け継がれる。
だって父親からくる精子は核DNAの入れ物だから。
母親の卵細胞は、核を包むたっぷりした細胞質を持っている。
この卵細胞のミトコンドリアが胎児のミトコンドリアになる。
おもしろいことを教えよう。
髪の毛は、毛根は生きている細胞だけど
髪の毛そのものは死んでいる細胞。
だから核がないので核DNAもない。
ところがミトコンドリアがあるので、ミトコンドリアDNAをもっているのよ。
毛根のない毛髪からでも遺伝子診断ができちゃうのさ。
ミトコンドリアDNAは母親から受け継がれるので、
同じ母をもつ兄弟は全員が同じミトコンドリアDNAを持っている。
今回の被災者さんは一人なので問題なしだけど、
きょうだいが数人いて、その人たちを遺伝子で区別する場合には
「ミトコンドリアDNA」では区別できないことになる。
一卵性双生児だと核DNAも全く同じとか、
骨髄移植すると血液細胞の遺伝子は骨髄提供者と同じになるとか、
(体細胞は違うけどね)
とにかく遺伝子関係はいろいろあって、勉強すると面白い。
■東日本大震災直後に発見の遺体、10年後に身元判明 新DNA鑑定で
(朝日新聞デジタル - 11月28日 15:14)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6756934
ログインしてコメントを確認・投稿する