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2021年09月13日12:09

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類猿人ターザン

を読んだ。エドガー・ライズ・バロウズ著。高橋豊訳。
 アフリカ植民地の実態調査に向かったグレイストーク卿とその夫人だったが、船で叛乱が発生し、2人はアフリカのジャングルに置き去りにされてしまう。
なんとか生き延びようと努力し、男の子が生まれるが、1年後には夫人が死亡。
その直後卿も猿人に殺されてしまう。
生き残った赤ん坊は、直前に子供をなくしていた雌の猿人が保護。
男の子はターザン(白い肌の意)という名で育てられた・・・。
 誰でも知っているあのターザンの原作である。誰でも知っているが、原作が小説だったことはほとんどの人が知らないという奇妙な作品でもある。
そしてバロウズのシリーズの中でも26作という最長記録を持っているだけあって、その面白さも最高である。
 今までバロウズの作品で共通して感じたのは、どれも尻上がりに盛り上がるというところで、最初は淡々とした語り口でスローテンポに感じるのだが、だんだんヒートアップしてきて、1/3をすぎる頃にはページを繰るのがもどかしくなってくる。
これはわざとやっているのだろうか。
どうも前半で淡々と語ってきた内容の積み重ねが、後半に伏線として、また演出として効いてくる感じなのだが、これを計算してやっているならすごい。
 ところでターザンのイメージだが、実は世間で知られているそれと原作のそれとは全く異なる。
まず木から木へ飛び移るときにつるを使って振り子みたいに移動したりせず、移動時に雄叫びを上げたりもしない。
ターザンが雄叫びを上げるのは敵を殺したときの勝利の雄叫びのみである。
 ジャングルの平和など考えていない。むしろジャングルに混乱をもたらすハンターである。
なにしろ次々と百獣の王たるライオンを片付けてしまうのだから混乱は必至である(笑)
 片言でしゃべる馬鹿どころか、絵本と絵入りの辞書だけで英語の読み書きをマスターし、フランス語の日記でフランス語も同様。
先生がついたらすぐさまフランス語、英語ともに会話までマスターしてしまう言語の天才である。
この読み書きのみ覚えてしまった変な人(笑)というシチュエーションが物語にも大きく影響し、混乱を招くところがまた楽しい。
 そしてターザン強い!
さっきもライオンを片っ端から殺していると書いたが、それも幼少時からの積み重ねが描写された上での強さなので説得力があり、後半はそれを普通の文明人の目から見た印象という形でより強調されて完全にスーパーヒーロー状態で、アベンジャーズに混じっていても普通に戦えそう(笑)
文明人からの描写で印象的だったのはジェーンを抱いて木々の間を飛び越えてゆくところで、ジェーンの耳を通して風を切る音が聞こえてくるようだった。
 書かれたのが1910年代ということもあり、アフリカの暗黒大陸ぶりも楽しい。
なにしろ先日読んだ「2001年宇宙の旅」に出てきたような猿人が普通に生息しており、ヨーロッパ人たちもそれを普通のこととして受け止めているのだ。
まあ以降の巻の表紙を見ていると、猿人どころではないとんでもないことになってゆくようだが(笑)
 まだまだ語り足りないが、きりがないのでまとめると、要するに滅茶苦茶面白かった。
以上(笑)
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