を読んだ。2015年10月23日。OKさんに借りて。
早川書房。
多々良島ふたたび 山本弘
怪獣の出現によって3名が死亡した多々良島の事件は2年半前のこと。
ようやく多々良島に2度目の調査船が派遣された。
しかしその船には新聞社の記者である若い女性がが密航していた・・・。
テレビのエピソードのダイレクトな続編になっており、同時にテレビでは謎だった多々良島にどうして怪獣が大量に生息していたのかの解答にもなっている。
まさに王道という感じで嬉しい。
ただし王道だけあって意外な展開という感じではないが、安心して楽しめた。
宇宙からの贈りものたち 北野勇作
夢うつつの中で体験するおかしなウルトラQ世界。
なにがなにやらさっぱり分からないが(汗)、なぜかウルトラQの白黒画面で展開される様が想像できるので、少なくとも雰囲気的には成功しているのだろう。
しかしやっぱりなにがなんだか分からない(笑)
マウンテンピーナッツ 小林泰三
女子高生久野千草はギンガライトスパークを使い、初代ウルトラマンに変身できる。
今日も怪獣デットンを倒すためにウルトラマンに変身したが、なんと民間の戦闘機に攻撃される羽目に。
戦闘機を操っているのは、世論を味方につけて強大な力を手に入れた自然保護団体マウンテンピーナッツだった・・・。
ギャグかと思いきや、黒い描写も多く、シチュエーションもえげつない。
なかなか悲惨な話で面白いが、ギンガライトスパークなど、最近のウルトラマンシリーズを観ていないと分からない要素も含められていて、最近のウルトラマンと言えばメビウスしか知らない化夢宇留仁にはついていけない部分も多かった。
しかし変わり種でなかなか面白い。
影が来る 三津田信三
カメラマン江戸川由利子は、自分がもう1人いることに気付く。
自分とは僅かに時間をずらし、あたかも自分と同一人物であるかのように振る舞っている何物かがいるのだ。
そしてそれは誰かのいたずらなどではなく、奇怪な現象が実際に起こっていると判明し・・・。
ウルトラQの1エピソードという体裁。内容的にはSFというよりもオカルト寄りだが雰囲気はバッチリで、本当にウルトラQの新しいエピソードを観たというお得な気分が味わえた。
こういうストレートなのもいいね。
変身障害 藤崎伸吾
かつてウルトラセブンとして幾多の戦いをくぐり抜けてきたモロボシ・ダンは、なぜかウルトラセブンに変身できなくなって悩んでいた。
悩んだ末に訪れた精神科の医院で彼を診断した精神科医は、なんと彼と同じ症状に苦しんでいる患者が他にもいると言う。
後日グループセラピーのためにダン以外に集まったのは、昔ウルトラセブンが倒したはずの宇宙人・・・に変身できないと悩んでいる人々だった・・・。
非常に面白い。
ミステリアスな展開に、コメディ要素も取り入れ、SFとしても成立している。
またこの本は作品毎に異なる挿絵がついているのだが、この作品は挿絵も最高の出来。
文句なしの名作。
怪獣ルクスビグラの足型を取った男 田中啓文
怪獣の足型を取る職業の男達の熱い戦い。伝説の怪獣ルクスビグラは実在するのか?
昔の子ども向け怪獣図鑑には必ずと言っていいほど怪獣の足型が掲載されていた。あれを最初に思いついた人は誰なのだろう?素晴らしいアイデアだと思う。
そして怪獣が実在する世界では、当然その足型を取る人々も実在することに(笑)
この辺の思考の発展は実に面白い。
面白いが作品としてはもう一つに感じた。
もっとストレートに足型を取る職業を描ききってほしかった。
痕の祀り 酉島伝法
「怪獣のようなもの」と、「ウルトラマンのようなもの」が実在する世界。
その世界ではそれらを元に「ウルトラマン」というテレビ番組が作られ、人気を博している・・・。
物語は「怪獣のようなもの」の死骸を解体して処理するチームの視点で進む。
SFっぽい雰囲気なのだが、なんだか観念的でよく分からない(汗)
とりあえずイラストは加藤直之大先生で素晴らしいのだが、だからこそ逆に残念(汗)
というわけで色々な作品を楽しめた。
それぞれに異なる挿絵がつけてあるのが素晴らしく、これぞアンソロジー!という感じである。
面白いのもそうじゃないのもあるが、次はどんな作品なのかワクワクできるのがアンソロジーの一番の魅力ではなかろうか。
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