を読んだ。2015年6月24日。山崎雅弘著。学研M文庫。キンドル。
第2次世界大戦の西部戦線と言えば、フランス侵攻、バトル・オブ・ブリテンあたりまではなんとなく分かっているような気がしていたが、ノルマンディ上陸作戦、マーケット・ガーデン作戦、バルジの戦いあたりの英米が逆襲に転じたあたりはやたらと有名な作戦が並ぶ割に、それが時系列的に、そしてどのような経過で行われたのか、よく分からなかった。
そこで見つけたのがこの本で、まさに求めていたタイトルそのまんま(笑)
しかも嬉しいことに、タイトルの年号をみれば分かるが、解説されているのは第1次大戦終結直後の1919年の状況からで、いかにしてどのような理由で第2次世界大戦が始まったかも分かりやすく説明されている。
まずは第1次世界大戦の敗戦によって、ドイツがいかに過酷な賠償を求めらたかが説明され、再軍備のために水面下で進められた準備を経て、犬猿の仲のはずのソ連と手を結んで戦車と空軍の開発&訓練を行う過程など、実に興味深い。
そしてヒトラーの登場とその政権掌握。
独裁者の代名詞のようなヒトラーだが、意外にもその政権掌握までの道のりは実に真っ当で民主主義的であり、現在の日本の国会とほとんど変わらない。
つまりヒトラーはドイツ国民が求めてトップの座につけたのであり、その後のヒトラーの他国への侵略も含めた政策は、その期待と要望に応えるものだったのだ。
そしてその結果はあまりにも鮮やかな勝利の連続で、バトル・オブ・ブリテンでつまづくまではなにもかもが奇跡といえるほどの成功を収める。
その後アメリカが参戦。ドイツへの空爆開始。フランスでのレジスタンス活動の激化。北アフリカでの敗北とアメリカ軍の上陸を経て、ノルマンディ上陸作戦に至る。
史上空前の規模で行われた大上陸作戦の成功により、フランスは再び戦場となり、その後は英米連合軍のドイツへ向けた進撃が続く。
初期のまさに天才的なヒトラーの采配は、戦況が傾いてからはすっかり消え失せ、ドイツの救世主がドイツを滅ぼす存在になり果てるのは読んでいて切ないものがある。
さらに切ないのは信頼を置いていた部下達に対する不信感をつのらせ、有能な部下を片っ端からクビにし、末期には幾人もの部下を自殺に追いやっているのがいと哀れ。
印象的な登場人物と言えば、モンティ(イギリス軍のモントゴメリー指揮官)も負けていない。
誰からもうとましがられ、無茶な作戦を繰り返して不要な死傷者を出しまくり、公の場所では強がりばかり言う。
当時のイギリスと言えば、もちろんチャーチルも目立っている。
なんだか当時はイギリスが濃い(笑)
ちょっと本題からそれたが、この本の主題はあくまで戦史であり、主な戦場や作戦の参加兵力、地図、状況の進展、様々な状況に対する指揮官の判断などが分かりやすく描かれており、その気になったらそれぞれの作戦のちょっとしたウォーゲームを作れそうな内容で、資料としての価値が高いのはもちろん、西部戦線の流れと各戦場の様子を分かった気になれる(笑)
読みやすいのは保証付きで、今回この記事を書くためにパラパラと見返していたら、思わず全部読みなおしてしまったくらいである(笑)
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