録画しておいた山田和樹とスイス・ロマンド管の演奏を観た。このオーケストラは68年だったかアンセルメに率いられて初来日した時、上野の文化会館で聴いている。その時の印象は「なんだレコードの音とずいぶん違うな」というものだった。
英デッカの録音はひと言で言えばブリリアントそのものだったから、かなりガッカリしたものだ。今回45年ぶりに聴いた曲目はベルリオーズの幻想交響曲。奇しくもあの時アンセルメで聴いた曲と同じだった。
オーケストラは当然ながら若返り、立派な現代オーケストラに変身していた。それに山田和樹の演奏がすこぶるいい。きっと将来、日本の音楽界を背負って立つ人材に育っていくだろう。
テレビで観た感想のように書き進めてきたが、実はあの日7月8日サントリーホールにいて実際の演奏を聴いていた。
そしてその演奏会の真っ最中、母が亡くなっていた。長らく介護施設のお世話になっており、最近はめっきり衰えを見せていたので、いつかはと覚悟していなくもなかったのだが、まさかその日にそれがやって来るとは思いもしなかった。
演奏会が終わり、切ってあった携帯のスイッチを入れると家族からのメールがあった。母が亡くなったと。終生、忘れることのない演奏会になった。
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