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3時には目覚め準備して出発は5:15、鉱山道と呼ばれる水平道。
少し行くとこんな標識、緊張感が高まる、正直僕の中ではまだ「本当に北方稜線に行けるのか」が抜けていない。 ドキドキがいつもより大きい。 淡々とした巻き道から小窓雪渓を見下ろす、正面上にモンローの唇と下に滝が見える、この滝が逆コースのときに雪渓から鉱山道へ上がる目印になると言われるものだ。
明瞭な踏み跡に従いアイゼンを着けて雪渓に乗る(6:20)。
斜度は緩いので無くても歩けるが、ロングコースを少しでも楽に早く歩くためである。
お二人は12本アイゼンとピッケル、ヘルメット、僕は6本アイゼンのみ・・舐めた装備だ(^^ゞ
群青の空に向かい45分程で小窓に着く(7:05)綺麗な草原の斜面が小窓の頭に向かって上がり、その奥に大きくそそり立つ岩壁、小窓の王。
ここからも明瞭な踏み跡を追うが、岩場に入るところで2筋に分かれる、手分けしてルートを見ると左側の岩のルンゼの中に踏み跡が見つかった。
この先も草原のトラバース、途中2箇所の雪渓があるが、一つ目は既に痩せていて巻けた、問題は二つ目、大きく割れた斜面に残る急斜面の雪渓は、ほんの10歩程ではあるが、かなりヤバイ。アイゼンを着け慎重にキックステップで通過
その先も踏み跡と少ないペンキ印を追い岩斜面を上がる、ここも迷いやすいところ。上がりきると稜線のすぐ下を巻く踏み跡をたどり、小窓の王の基部に出た(9:55)。
窓という表現が良く分かる、越えると向こうが見える地形、ここからは「池の谷ガリー」ザレ・ガレの標高差200mの急斜面が正面にある。 あれを登るんだ。
その前に小窓の王の側面のバンドを下がる、こちらも急な斜面でフィックスロープがある、降りきった所が三の窓(10:30)、テント場が2張り。
越えてガリーに取り付く、グズグスと崩れやすく、一歩進むと半歩下がると表現される斜面、でも、まあバリエーションやってるとありがちかも、と言う感覚で僕としては無理なく通過し、池の谷のコル。
この正面の岩壁、池の谷の頭への登りはそれほどきつくない、クライミングのセンスは要求されるが、ホールドもスタンスも豊富にあり、斜度も緩い。
上がると小さな平坦地で八つ峰の頭が良く見える(11:30)。 この日はクライミングの人が10人以上居た。手を振って挨拶をする。 お互いの健闘を祝しエールの交換、と言う気分。
ここにガイドが率いる4人パーティが八つ峰方面から上がってきて、僕らを追い越していった。
長次郎の頭手前の天場 ネットでよく見るポイント
このパーティは岩場慣れもしていてガイドが先導するので早いため、追従は出来なかったが、この日最後の、そして最大の心配事であった長次郎の頭の巻き道のルートを先行してくれたおかげで、ルートファインディングが楽に出来た。 これも大変ラッキーで、この出会いが無かったらもっと時間がかかったか、お二人が予備で持っていた50mザイルとシュリンゲを借りての懸垂下降になっていたかもしれない。
重要なポイントは先行者達を見ることで判ったが、それでも何度か迷いつつ長次郎の頭を巻いた。 確かにこの巻き部分が見つからずに頂上部に出たら、ザイルなしでクライムダウンするのは無理な岩壁である。
巻きから入った中間部から下は、どうにかクライムダウンすることが出来、無事本日の最後の核心部・長次郎のコルに降り立った時(13:50)、ついに来た、北方稜線を越えられたのだという実感が僕らを迎えた。 三人で称えあい感謝し合う、淡々と長い半日だった。
さて、ここで気を抜いてはいけない、剱岳の下りはカニのヨコバイだし、そこへ至るルートもガレの急斜面である。と言うことで気合を入れなおして歩く
剱岳山頂(14:35)には1人の軽装登山者、その後も数名が上がってきていた。剱山荘からだと夕方のこんな時間でも狙える、そんな山なんだと思われているらしい剱岳・・
無事のメールを自宅に入れテント荷を持ち行動9時間を越える疲れた体で、カニのヨコバイ。案の定背中が重い、鎖を掴む腕がきつい。
渋滞回避のため上り下りを分けるルートは4年前よりも増えているのではないか? そして新しく付けられたコースは以前のものより無理なところに付いてはいないか? 鎖が補助ではなく、鎖が無いと降りられないそんなコースになっているように思った。
3人ともヘロヘロ、コースタイムより大分余計にかかって剱山荘が見えてくる。この辺で脳裏に浮かんだのは、合宿合流予定時刻の16時を越えてしまっていることだった。最悪の場合遭難騒ぎになりかねない、しかし展望の良い場所で携帯を見るが圏外のままで連絡の付けようが無かった。
お互い疲れた中で、事情を察した二人が「先に行ってください」と言ってくれる。僕だってヘロヘロなんだが、それでも突き動かされるものがあるだけ早く、徐々に先行し剱沢小屋には2時間以上遅れて18:20頃たどり着いた。
小屋の前ではちょうど会の仲間たちが集まって居たところで、大歓迎を受けてしまった(^^ゞ みんなに囲まれて、歌なんて歌っていたら・・・やっと北方稜線を無事に歩ききれたことが実感としてこみ上げてきて、気恥ずかしいと共に何ともいえない気分になった。
翌日同行予定のメンバーと少し話をして、天場へ移動、手続きをして場所を物色していたら、ちょうどお二人がテントの設営中だった。 ここでもラッキー。広い剱沢の天場で再会できるか不安だった、会えなかったら挨拶もお礼も、自己紹介すらもまだ出来ていないのだった。
この日きつかったこともあり、明日二人はゆっくり出て御前小屋の前を越えて室堂へ下山し富山方面へ降りるとのこと、僕は脚と相談して決めることにしたが、正直左足首と右膝に痛みが出てきており、翌日無理をしないほうが良い状態ではあった。
最終日も快晴、会の仲間が剱岳アタックで出かける5時に合わせて起きて剱沢小屋の仲間に挨拶に行き、今日の同行を断ると同時に、コース情報を伝える。内蔵助平の水場の話、黒部川の雪崩情報など。
そしてテントに戻り二度寝してゆっくり撤収し出発(8:25)、剱御前小屋(9:00)から大きく下り
キャンプ場の下で沢を越えて登り返し、
観光地・みくりが池温泉(11:30)で昼食と温泉に入り
途中で雷鳥も見つつ室堂駅(13:00)まで同行。
ほとんど4日間ご一緒させていただいたお二人ともここでお別れ、いくら感謝しても足りない、本当にお世話になりました。
この後アルペンルートで扇沢まで下山、同行予定だったパーティが1時間遅れで降りてくるとの連絡が入り、車の準備をして待ち、毎度の大町市民浴場経由で帰宅した。
幾つもの幸運な出会いが、僕の北方稜線山行を助けてくれた。
心に残る良い山行が、出来ました。
8/19 扇沢3:00/7:10/7:30==黒部ダム7:45/7:55-橋8:10-内蔵助谷出会9:15-内蔵助平分岐11:40-ハシゴ谷乗越13:45-橋15:30-真砂沢ロッジ15:55 行動8:10 トロリー2710 テント500 ビール600 = 3810円
8/20 発5:35-二股6:40-ベンチ7:30/7:40-仙人峠9:00-仙人池ヒュッテ9:20/9:30-仙人温泉小屋10:55/12:00-仙人池ヒュッテ14:00/14:10-仙人峠14:35-池の平小屋15:05 行動8:05 ジュース600 温泉500 昼食500 テント500 ビール650 =2750円
8/21 発5:15-小窓雪渓6:20-小窓7:05-小窓の王9:55-三の窓10:30-池の谷の頭11:30-長次郎のコル13:50-剱山頂14:35-剱沢小屋18:20/18:45-天場19:00 行動13:20 テント500
8/22 発8:25-剱御前小屋9:00-みくりが池温泉11:30/12:40-室堂13:00 行動3:25 扇沢15:30-野崎パーティ下山16:30-温泉17:30-松戸0:40-帰宅2:15
昼食950 温泉600 トロリー4200 土産1230 風呂400 夕食1869 夜食304 =9553 走行 812km 事前食料 約3000円 燃料代7286円 高速4350円
支出合計 36880円 収入 5000円 差し引き 31880円にて一週間遊びました
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