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ミドレスタント物語コミュの夜襲2

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 馬のひづめの音がする。
 風を切り、ただ先を急ぐ。
 仲間達が必死に戦う轟音は遥か後方。もう、その音は聞こえない。
 インガルム騎士団副団長ナルシェ=ビーゲルは懸命に馬を走らせる。
 森を駆け、ただひたすらに目的地へ。
 団長クラシックが自分をここへと寄越した理由は明白だ。
 サウンズ=アルトリバー。
 会ったことは数回しかない森に住む狩人。だがその数回の内、一度だけクラシックとの手合わせを見たことがある。
 初めてクラシックの戦いを見た時と同じ衝撃を彼はその時にも受けた。
 まだ幼さが残るその黒髪の少年は自身を凌ぐ実力の持ち主と認めた猛者クラシックと対等にわたりあっていた。
 彼ならばきっと今、城を襲っている災厄と戦ってくれることだろう。
 団長と同じ期待を胸にナルシェは森を駆ける。
 そして暗闇の中、ようやくその姿が見えた。
 木々が生い茂る森の中、突然開けた空間に辿り着いた。
 そして、その中心にあるのは太い丸太で組まれた小さな小屋。
 窓からはランプの明かりが見えた。
 馬から飛び降りるとナルシェは小屋へと走り、扉を激しく叩き声を張り上げた。
 「サウンズ!!サウンズ=アルトリバー!!城が!」
 ダンダンと扉を叩く音だけが静寂な森に響く。
 反応は無い。
 ――クソッ、何をしている!
 怒りだけがこみ上げてくる。
 しかし、次の瞬間彼は普段の冷静さを取り戻した。
 ――扉が・・・開いている?
 予想していなかった状態。
 不審に思いつつ扉の中へと足を踏み入れる。
 誰も居ない。
 そこに小屋の主の姿を見つけることはできなかった。
 そして、ランプが照らす薄暗い部屋の中には普段なら壁にかけられているはずの彼が師から譲り受けたという二本の短剣の姿も無かった。
 ナルシェは全てを理解した。
 ――頼んだぞ、サウンズ=アルトリバー・・・

コメント(1)

夜襲3
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