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ミドレスタント物語コミュの夜襲1

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 「小隊ごとに各個包囲して攻撃!治療班はすぐに負傷者の回収を!」
 かがり火が照らす赤々とした夜の中、青年の怒号が周囲にこだまする。しかし、それとて次の瞬間には辺りを包む轟音にかき消されてしまう。
 今、クラシック=ドラゴアイ率いるインガルム騎士団が対峙している敵、それはオークと呼ばれる巨人の軍隊だった。
 醜い容姿に3mを優に越す巨体。太く力強い腕には棍棒や斧といった武器が握られている。鎧などは身に付けていないが、そんなモノ彼等には最初から意味が無い。何故なら彼等は痛みを感じない。例えどれだけ傷つこうと目的を果たすためだけに突進する狂戦士。それがオークと呼ばれる種族なのだ。
 くそっ!オークの軍隊なんて一体どこから・・・
 思案を巡らすクラシックだが、自分が安全な場所に立っているわけではないことは重々理解している。彼が立つ場所、それは常に危険を伴う最前線なのだ。
 長槍を構え直し、自分へと突進してきたオークへと高速の突きを繰り出す。
 「ハアアァアアアアア!!!」
 怒号と共に繰り出された一撃に迫っていたオークは弾き飛ばされ後方から来ていたオークへと衝突した。
 
 ことは三時間ほど前に遡る。
 サウンズの家でさんざん余暇を満喫したクラシックが騎士団の宿舎に戻った時、そこに待っていたのはいつもの平穏ではなかった。
 傷ついた兵が一人、息も絶え絶えに副団長ナルシェにことの顛末を報告していた。
 兵が報告していたこと。それは、
 インガルム王国の西に位置する関所がオークの軍隊に襲われていること。
 関所に配備されていた兵だけでは持ちこたえられそうにないということ。
 この二つだけだった。
 これを聞いたクラシックの対応は素早く、かつ適切だった。
 宿舎に居合わせた全ての兵を集め、即座に現地へと急行した。
 西の関所が破られればインガルム王国はもう目と鼻の先だ。
 一刻の猶予も許されない中、関所へと辿り着いた騎士団はオークとの戦闘を開始し負傷者の対応へとあたった。

 敵の数が多い・・・
 戦力的には五分。
 しかし、この五分の戦いができているのはクラシックの力による所が大きい。他を寄せ付けない圧倒的な強さを誇るクラシックがいるからこそ戦況は均衡していた。
 だが相手はオーク。劣勢に立たされようが決して退くことのない狂戦士の集団。一瞬でも油断すればそれは即座に死を意味する。
 そんなことを考えているクラシックの後方から副団長ナルシェの動揺した声がした。
 「クラシック!城が!」
 その声に振り向く。
 そこには、夜色の世界を照らす赤い光が見えた。そして、その光に一瞬だけ写し出された黒い影・・・
 城が・・・燃えてる?
 即座には理解できない光景にクラシックの思考が鈍る。
 「団長!!」
 傍らにいた若い兵士の声で我を取り戻す。
 考えている時間は無い。
 自分の立場を思い出し、最善と思える命令を出す。
 「ナルシェ!森を経由して城へ戻れ!」
 傍らにいた若い兵士にはその言葉が意味するところを理解できなかっただろう。クラシックが言う森とはまず間違いなくこの関所の北東に広がる森のことだろう。急ぎ城へと戻らなければいけないこの状況において森を経由することに全く意味を見出せない。
 しかし、そこはクラシックと長年関わってきた副団長。即座にクラシックの意を読み取り踵を返した。
 そして、クラシックは思う。
 こちらが陽動であることは間違いない。だが、俺がこの場を離れるわけにはいかない。それにあの影・・・もしかしたら
 頼んだぞ・・・サウンズ。

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夜襲2
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