ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

食べる健康法コミュの夏の食材と薬効

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
枝豆。麦。はと麦。オクラ。キャベツ。すいか。なす。ピーマン。ブロッコリィ。しょうが、ニラ。みょうが。とうもろこし。グリーンピース。ヨモギ、レタス。きゅうり。アロエ。あんず、梅。桃。/青魚(まぐろ、さば、さんま、いわし)。ウナギ。どじょう。あじ、あなご、飛魚、かつお、はも、イカ。ヒラメ・カレイ、あわび。

枝豆
枝豆は、コレステロール値を低下し、胃腸を強くします。メチオニンが、ビタミンB1・Cと共にアルコールの分解を助け、肝臓の負担を軽減するので、夏バテの原因である、食欲不振からくる栄養不足も解消してくれます。
枝豆が成熟したのが大豆ですが、大豆は「畑の肉」と云われる程、栄養価が高く、良質のたんぱく質・ビタミンB1・B2・カルシウム・食物繊維を含んでおり、さらに、大豆にはないビタミンCも大量に含んでいる野菜なのです。
夏バテというのは一般に栄養不足からくるものです。従って、夏バテを防ぐには、良質のたんぱく質や疲労回復に役立つビタミンB1を補給する事が大切ですが、枝豆はその両方を兼ね備えた優秀な緑黄色野菜なのです。


繊維質が多く、便秘を予防し、血管の老化を防止し、消化を助け、胃潰瘍予防・糖尿病予防、コレステロールを減少します。しかし、麦だけでは食べにくいので、米八対麦二などの割合で炊きます。

はと麦
江戸時代末期までは、「ヨクイ」「トウムギ」「チョウセンムギ」「シコクムギ」などの名前で呼ばれており、明治時代になってから総称して「ハトムギ」と呼ばれるようになりました。インドや東南アジア、中国南部で古くから栽培されており、食用や薬用に用いられてきました。
日本に伝わったのは、加藤清正が朝鮮半島から持ち帰った説や奈良時代の聖武天皇の代に中国の高僧鑑真和上が伝えた説などがあり定かではありませんが、江戸中期には日本に伝わっている事が確認されています。
名前の由来は「鳩が好んで食べる」という説や多くの収穫ができることから「八斗麦」と名付けられたという説もあります。
日本で品種改良はほとんどされていませんので、はっきりした品種はありませんが長い歴史の中で、形態や生態の異なったものがあり代表的なものは「岡山在来」と「中里在来」です。一般的に栽培されているのは「岡山在来」で多収系統で晩生種です。中里在来は東北地方の栽培に適しており早熟で穀粒も岡山在来よりやや大きいのが特徴です。
ハト麦は、繊維質が多くて、「健康食品」とイメージするほど体に良いとされている食品で、加工されていますから、毎日味噌汁として飲むと、基礎体力の保持、健康維持に役立ちます。新陳代謝を促し、美容効果 も期待されます。
ほかの穀物に比べ、タンパク質を多く含み、アミノ酸のバランスもよく新陳代謝を増進させる効果があります。ビタミンB2が豊富で、玄米以上に含んでいるほかに、ビタミンB1、カルシウム、鉄、食物繊維なども多く含んでいますので、むくみ、脚気、腎臓病に効があります。
滋養強壮の食品としても用いられ生薬名を「よくいにん」といい、お米の代わりに重湯やお粥などにして食べることにより、食欲不振、胃のもたれ 利尿作用、消耗した体力を回復する時に効果があるとされています。最近では、細胞の異常発育を抑える作用があり、高腫瘍物質コイクノライドによるガンを抑える処方の中にハトムギを加えた薬もあるようです。
民間療法では、イボトリに使用しており、体の中の水分や血液の代謝を促すので解毒させる効果があり、胃腸を整え、腎臓の働きを促し、水分代謝をよくしますので、尿の出がよくなり、膀胱結石やむくみの解消になります。常食すると肌がなめらかになり、シミ、ソバカス、肌荒れの改善に効果があり、アトピー性皮膚炎にもよいとされています。

オクラ
原産 オクラの原産はアフリカの北東部でエジプトでは紀元前2世紀から栽培されてたと言う、歴史の古いものです。
日本に入ってきたのは幕末で、当時は青臭さとヌメヌメした食感が日本人に好まれなかったようで、1965年くらいから普及し始めたそうです。
レタスと一緒に煎じると便秘に、よもぎと一緒に煎じると下痢止めに効果があります。
オクラを切ると糸を引きます。この粘りの成分は水溶性の食物繊維とムチンという糖タンパク質です。ムチンは胃壁を保護し、整腸作用やコレステロールを減らす働きがあり、肉や魚のタンパク質を分解して消化を助ける分解酵素を含むので、消化吸収を助けて疲労回復に効果を発揮します。とくにアルコールをよく飲む人の胃と肝臓を守ってくれます。ペクチンは血糖値の急上昇を抑え、糖尿病予防にも効果あります。
緑黄色野菜ですからカロチンが含まれ、ビタミンB1の含有量は同じ夏野菜のキュウリと比べると約4倍です。さらにビタミンCの効果もあって、疲労を回復するのにとても役だちます。ミネラルでは、100g中に含まれるリンが60mgで、カルシウムとのバランスがよく、カリウム、亜鉛も少なくありません。栄養バランスがとれたオクラを、料理の主素材としたい。
その他、カルシウム、鉄、カロチン。ビタミンCを多く含んでいて、栄養価も高く夏ばて解消の強い味方です。

キャベツ
キャベツは、漢名を甘藍(カンラン)、日本名ではタマナ、ボタンナとも呼ばれ、ヨーロッパ原産のアブラナ科の越年草です。
日本へは18世紀の初め、オランダ人が長崎に伝えたので、オランダ菜の名があり、最初は観賞用に珍重されていました。明治になって、食用としての栽培が北から始まり、やがて全国に普及しました。
キャベツには、カルシウムやカリウム、食物繊維が比較的多く含まれており、カルシウムや食物繊維は、便秘や整腸に効果があって、食べながらやせることができますし、神経のイライラを防止します。カリウムは、血管壁の余分なカルシウムを除き、筋肉、特に心筋の活動を促進させ、神経の鎮静、動悸(ドウキ)の安定をはかります。
キャベツは、発育、成長を促進し、夜盲症を予防するビタミンAを含んでおり、中の白い部分に、消化を助け胃腸や神経系統を健全に保つビタミンB1・B2、風邪を予防し皮膚を美しくするビタミンCなどが豊富に含まれています。
キャベツは、有機質硫黄を含むのが特徴で、この硫黄は代謝や解毒作用を持っています。さらに、キャベツに含まれている窒素化合物の約半分は良質のタンパク質で、煮過ぎるとかなりのタンパク質やビタミンCが損なわれてしまうので、調理には気をつける必要があります。
また、キャベツの成分であるビタミンUは、胃壁の粘膜の更生や潰瘍の治療に効果があり、血液の凝固作用があるビタミンKは赤ちゃんの脳内出血を予防する働きもあることから、妊婦や授乳期の母親には十分とってもらいたい栄養素です。
中国では、キャベツに止痛・生肌の効果があると言われており、ビタミンC、U、ミネラル、アミノ酸、食物繊維、特に必須アミノ酸の一種、ビタミンUには、胃・十二指腸潰瘍の治療用として活用され、さらに癌(ガン)の発生を抑制する働きがあるとも言われています。
一般には、胃や腸の潰瘍のほかに糖尿病、便秘、吹き出物、泌尿器系疾患、止血などに薬効があると考えられています。
ただ、これらの薬効は、本来は生食した場合に最もよく効果が発揮されるものであって、煮すぎるとその効果は低下します。
珍しい利用法として、火傷(ヤケド)の場合に、葉を手でよくもんで柔らかくして、患部に貼ると効果があります。
また、痛風、リウマチ、座骨神経痛、筋肉痛、静脈溜、痔疾などには、キャベツの葉をアイロンで軽く熱し、あるいは弱火であぶって温めてから患部に何枚か貼るとよいといわれています。
また、ミネラルには、胃腸を浄化し活発にする働きがあります。

すいか
西瓜は原産地の南アフリカから中国(11〜12世紀)、ヨーロッパ(16世紀初頭)、アメリカ(17世紀)と伝わっていきました。エジプトでは紀元前6000年の昔から農耕と牧畜が始まっており、壁画や絵画に西瓜が描かれています。中国語では水分が多く、夏出回ることから「水瓜」「夏瓜」ともいわれますが、西域から伝わったため、「西瓜」と呼ばれるようになったそうです。日本へは17世紀中期に隠元禅師が中国から持ち帰ったといわれています。
しかし、鳥羽僧正(1053年〜1140年)の『鳥獣戯画』に西瓜らしい絵が描かれていたり、僧義堂の『空華集』(1359年)に西瓜の詩が見られることから、もっと古い時代に伝わって平安朝後期に作られていたのでは(?)という見方もあります。
『農業全書』(1696年)や本草図譜(1828年)に西瓜の記述があり、天保年間の絵馬には西瓜の切り売りの様子が描かれていますが、無地皮になっています。
江戸時代には果肉が赤いのは気味が悪いとされ、あまり食べられなかったものの、明治末期に西洋種(アイスクリーム種)がアメリカから導入されて改良が進み、本格的な西瓜栽培が始まりました。
昭和初期になると、奈良中心の大和西瓜と関東地方中心の都西瓜の二大品種郡が形成され、いわゆるシマシマ西瓜が出てきました。現在の品種はほとんどが二大品種の血筋です。
京都大学の木原均先生が種子を作り、1951年に種なし西瓜が登場しましたが、生産面での欠点があって一事不振になりましたが、最近復活しています。
現在の西瓜は、緑の地に黒い縞模様が一般的ですが、こうした品種が広まったのは、昭和初期以降で、それまでは黒皮、無地皮が一般的でした。「鉄カブト」とも呼ばれていたそうです。
特殊成分として尿成分を作るのに関与しているシトルリンというアミノ酸が含まれており、これが利尿効果を高め、むくみをとる効果があると考えられています。
種には解熱作用があり、熱さましに用いる他、可食部と同じく尿の出をよくする効果があると解説されています。スイカは昔から腎臓病の妙薬として知られてきました。
スイカの赤い可食部(果肉)は、一、尿の出をよくする。二、酒毒を防ぐ。三、血尿に効く。四、口や舌、口の局辺にできたおできを治す。五、カゼなどによるのどの痛み及び腫れを治す。六、腰痛に効くなどの薬効があります。
スイカの90%は水分ですから、利水作用のある塩を振って食べると、満腹感を味わい、食べながらやせることができます。

なす
原産地はインドで、キリスト教が生まれるずっと前から栽培され、食べられていました。15世紀にイタリア経由でヨーロッパに広まった時、なすは不幸にも“有害な実”とか“狂人の実”とか散々な事を言われました。なすはヨーロッパではたいしてもてはやされませんでした。しかし、中国、日本、インド、トルコなどでは昔から重要な野菜となっていて、よく食べられてきました。
つまり、南米からヨーロッパを経て世界に伝わったトーモロコシ、トマト、じゃが芋、ピーマンなどとは反対に、なすは、アジアからヨーロッパを経て世界に伝わった野菜です。
日本へはすでに奈良時代に、中国を経て伝わっており、正倉院の古文書の中にも「なす」の名を見ることができます。名前の由来は“植えてから早く成る=早く成す”からついたといわれています。
なすには、ほんの少しビタミンAやBなどが含まれていますが、ほとんどは糖質ですが、ぬかみそ漬けにすると、ビタミンB1がとれるようになります。熱を冷ます、体を冷やすという効果がり、それが高血圧を予防します。
夏野菜は体を冷やす作用があります。特に、なすは、暑さ負けしそうな時とか、体のほてりやのぼせがある時に食べると効果的と言われています。
なすは実の95%が水分で、食べながらやせることができます。果肉の紫色はナスニンという色素で、スポンジ状になっており油をよく吸収するため、植物油のリノール酸やビタミンEの摂取に役立ち、動脈硬化でコレステロールが気になる人にはお勧めです。
赤ワインで有名な「ポリフェノール」が茄子の皮にも多く含まれています。茄子は皮ごと、煮たり揚げたりするとよい。ポリフェノールは、抗がん作用や老化防止になる最近話題の成分です。
なすは油と相性が良く、揚げ物などにするとおいしく食べられます。また、油の吸収率も高く、吸油率は14%(平均5%)。カロリーを多く取りたい人や、肝臓病でたんぱく質からカロリーをとれない人には、とても有効に使える野菜です。
歯茎の腫れ、舌のただれには、なすのヘタを10日間ほど干して、カラカラになったものを患部に塗ると炎症を静め、痛みが取れます。
歯痛、口内炎には、なすのヘタの黒焼きをつけると有効です。
捻挫、軽いやけどには冷蔵庫で冷やした、なすで、湿布をすると炎症が静まります。
漢方では、昔からのぼせや高血圧の人が食べると良いといわれている。酒の肴にして、悪酔いを予防するともいわれています。
「茄子紺」という色があるくらい茄子の特徴である茄子の色は「ナスニン」という色素によるもので、ナスニンは、コレステロール値を下げ、動脈硬化の予防に効果があります。また、アルミニウムや鉄のイオンと結びつくと青藍色になる。漬物に釘を入れると、色の仕上がりが綺麗になります。
中国南部や発展途上国では癌予防民間薬として医食同源的に摂食されたり、抗腫瘍生薬として日常的に用いられている。

コメント(19)


ピーマン
ピーマンはフランス語、英語はベルペッパー、緑色のものはグリーンペッパー。名前のとおり、ピーマンはペッパー(とうがらし)の仲間で、辛みのないものです。とうがらしの辛みの成分はカプサイシンといいますが、ピーマンにはほとんど含まれていません。
名前の由来は、フランス語の「唐辛子」を意味する「ピマン」から名付けられたといわれて、本来、唐辛子全体を指していましたが、いつの間にか、辛くない唐辛子“ピーマン”にだけ使われるようになりました。ピマンの英語読みは「ピメント」で、スペイン語の「ピミェント」が語源。アメリカでは、ピメントは、辛くない赤いピーマンのことを指し、主に加工用として利用されて、缶詰や瓶詰めなどをはじめ、パプリカの材料ともなっています。
熱帯アメリカ原産で、15世紀にコロンブスがスペインに持ち帰って、ヨーロッパに広まったといわれています。日本へ渡来は、ポルトガル船から、とする説と、ポルトガル、中国、朝鮮を経て、豊臣秀吉の時代に、 高麗胡椒として、伝わった説があります。江戸時代にはかなり普及し、明治初期になって、ピーマンも含めてさまざまなとうがらしが欧米から導入されました。今では日本の各地にはほどよい辛みのあるとうがらしの品種が栽培されています。辛味種が広く栽培されるようになったのに対し、ピーマンはさほど普及しませんでした。一般家庭の食卓にものるようになったのは戦後のことです。
つややかに輝く緑色のピーマンは栄養たっぷり。カロチンやビタミンCが多く含まれます。カロチンは、体の抵抗力をつけ、夏ばて防止、血液の浄化作用もあるので、髪や爪の色ツヤがよくなるということで、 美容に最適です。ビタミンCは中ぐらいの大きさのピーマン四個で一日の所要量をとることができます。生のままではたくさん食べられなくても、和・洋・中を問わず多くの料理に使えます。ビタミンCは熱に弱いといわれていますが、ピーマンは組織がしっかりしてるので加熱しても壊れにくい。またビタミンCの吸収を助けるビタミンPも豊富に含まれています。
生はもちろん油との相性も良く、油がピーマンの栄養の吸収を良くし、薬効を高め、効率よく栄養を摂取できるようにします。便秘気味の人には、生で食べることをお勧めします。
ピーマンは、メラニン代謝や脂肪代謝をよくする働きがあるので、しみ、そばかす、かぶれや吹き出物に効果があります。ピーマンは栄養価が高いので、ギョーザ、ハンバーグなどにも細かく切っていれたりして多いに摂取したい、夏の緑黄色野菜です。

かぼちゃ
かぼちゃは、カロチン(ビタミンA)が豊富なほか、ビタミンB1、B2、C、カルシウム、鉄などをバランスよく含んでいます。冷え性、体力回復、かぜの予防、貧血、精力減退、前立腺肥大に薬効があると言われています。
胃や腸の潰瘍の予後には、かぼちゃのポタージュがよく飲まれます。これはカロチンとビタミンCに、細胞粘膜を健康に保つ作用があるとされるからです。
種を干したものをフライパンでいって、一日に10〜15個ほど食べると、精力減退、前立腺肥大などによく効くといわれており、妊婦の母乳の出をよくするのにも効果があります。
煮物、てんぷらや蒸し物、みそ汁の具にしてもおいしいものです。ポタージュやクリーム煮もおつなもの。パンプキンパイやプディングなど、お菓子にもよく利用されます。
冬至の日にかぼちゃを食べる風習がありますが、この時期は、緑黄色野菜が少なく、ビタミン不足におちいりがちな点をかぼちゃによって補おうという、庶民の知恵です。
かぼちゃには体を温める働きがあるので、冷え症の人にはうってつけです。
旬は夏場ですが、果菜類の例外で、体を温めてくれますし、保存がききますので秋に買ったものを冬まで置くことができます。買うときのポイントは、実がよくしまっていて、皮がかたく、色が濃いこと。手に持ってみてずしりとした量感のあることです。ぞくにヘソといわれる部分が小さいものほど味はよいものです。
ブロッコリー
「緑花椰菜」と書いてブロッコリーと読みます。日本語は「みどりはなやさい」。字のごとく、緑色の花のつぼみが集まった野菜で、本来は冬の野菜ですが、高原野菜として長野県を中心に栽培されています。アメリカからの輸入品の割合も大きい野菜です。
ヨ−ロッパ西部を原産とするキャベツの一種です。食用とするのはつぼみや若い茎で、栽培するとあぶらなに似た黄色の花をたくさんつけます。カリ−フラワ−と同じようなものですが、カリ−フラワ−にないカロチンが含まれているほか、ビタミンCが100g当たり160mgも含まれています。(ゆでると50mg)そのほか、ビタミンB1、B2,ミネラルも含まれているので、食用とすれば栄養価が高く、また、食物繊維も多いので便秘がちの人にむく野菜で、食べながらやせることができます。
ブロッコリーに豊富に含まれるビタミンAは、肌の美容はもちろん、夏場の疲労回復にも効果があり、最近問題になっている「骨粗鬆症」の予防に欠かせない、カルシウムを吸収するため必要なビタミンKが含まれています。
リン・カリウムなどの無機質も多い野菜です。
調理の前に長時間水に浸けおきすると、栄養価が半減するそうですから、ご注意下さい。
しょうが
あめ色をした「ひねしょうが」は年中出回っていますが、新しょうがの出回る時期は6〜8月に限られ、少し早めに高地産が店頭にでます。漬けるなら7月中旬までの繊維質の少ないものを選ぶことです。
しょうが科の多年草で、原産地は熱帯アジア。古代から香辛料や薬用として栽培されていたもので、日本には、明治以降に稲作とともに中国から伝えられたといわれており、歴史も古く、薬用・食用に用いられてきました。
和・洋・中・エスニックと利用も幅広く、中国では、ニンニクとともに欠かせないスパイスで、インドでは、カレーのスパイスにも使われます。甘・辛どちらの料理にも合い、欧米ではクッキーやケーキにも利用されます。アジア諸国では、生を使うことが多く、欧米では、パウダーを使うことの方が多い。日本では、生、甘酢漬け、ドライ(スライス・パウダー)、チューブ入すりおろしなど。
珊瑚を思わせる扇型をした根茎で、乳白色のところどころに淡い紅を散らした美しい風情は、食べるのに惜しいほど。この根茎を軟白栽培したのが「葉しょうが」で、関東の谷中しょうがはその代表品種。
原産地は、インドなどの熱帯アジアで、マラリアに対する薬用や、カレーに加える香辛料として利用されていたらしい。インドからヨーロッパに伝わり、その後、干しショウガとして、アジアより輸入され、13世紀に東洋を訪れたマルコ・ポーロの「東方見聞録」にも記されています。新大陸発見後、アジアからメキシコを経て、アメリカ大陸に伝わっていきました。中国では、紀元前480年頃にショウガの記録が残っていますので、歴史的には非常に古い。日本へは、古くから伝わり「古事記」「魏志倭人伝」などにも記されています。江戸時代には、若い芽をつまみにしたり、現在のように、根茎を食べ手いました。
しょうがの成分はカルシウム・ナトリウム・カリウム・マグネシウム・リン・ビタミンB・ビタミンC ビタミンE・亜鉛・ナイアシンなど数多くの成分が含まれています。
しょうがの辛みは、ジンゲロン(ジンゲロール)とショーガオールで、食欲増進や殺菌作用があります。ショーガオールは、酸化防止の働きがあり、中華料理に油にしょうがを入れるのは、香りをだすとともに、油の酸化を防ぐ役割もあります。また、クッキーなどのお菓子類にも同様の酸化防止の効果があり、魚やレバーなどの臭い消し作用もある。ジンゲロンには食品に対する抗菌作用があり、魚などによる食中毒を予防しますので、ワサビと共に、スシに欠かせません。
ショウガは料理にも欠かせません。ショウガがなければ冷や奴やカツオの刺身の味は半減するでしょう。サバやイワシなど青魚を煮るときにも欠かせません。中華料理ではニンニクとともに基礎的な風味をつくりますが、肉料理に用いるのはとても理にかなっています。ショウガにはジンジベインと呼ばれる消化酵素が多く含まれていて、これは驚くような速さで蛋白質を分解します。一gのジンジベインで、約九kgの肉を軟らかくできるとされています。この酵素が胃や小腸で分泌される酵素と協力して働き、消化が徹底的に進むのです。
ショウガは唾液の中のジアスターゼの作用を促して消化を助け、細菌に対して抑制的に働きます。また血液の循環を高め、発汗を促し、新陳代謝をよくします。
ショウガは匂いもさわやかです。これはショウガがジンギベロール、セルキテルパンなどの芳香成分を含んでいるからで、生姜湯を楽しむときにはこの香りも一緒に楽しむのがよいでしょう。香り成分は、食欲増進、発汗、去痰、消炎、保温作用などがあり、風邪の初期症状、リウマチ、神経痛、冷え性などに効果があります。
漢方薬んの70%〜80%に使われており「しょうがは百邪を防御する」と古書にあるほど、古くから生薬として利用されてきました。健胃、嘔吐、せき、むかつきに効果があり、乾生姜は、新陳代謝を促し、体を温め、冷え性、せき、腰痛、腹痛などに効果があり、新しょうがの乾燥葉を薬湯として用いると神経痛に効果があります。
ショウガは、辣韮(らっきょう)・葱(ねぎ)・大蒜(ニンニク)・韮(にら)とともに仏教では、五葷(ごくん=辛くて臭気のある五種の野菜)と呼ばれ、たくさん食べると「淫を発する」というので戒律の厳しいお寺への持ち込みが禁止されていました。「不許葷酒入山門(くんしゅさんもんにいるをゆるさず)」というのがこれで、お坊さんたちはおいしくて薬効のある、この五種類の野菜を食べられなかったわけです。でも、酒を般若湯と称しておおっぴらに持ち込んでいたように、別の隠語があり(鋭意調査中)、酷(極)寒地にある、寺で(ロサンゼルスのテレビ番組で、中国の寺の料理を紹介していた)食べていました。
にら。
中国から渡来し「古事記」にも記載があります。別名「起陽草」の名があるように古くからスタミナのつく野菜として扱われて、周年栽培され、一年中ほぼ出回っています。ニラは、男性の精力増進に優れた薬効を示します。
また、血行を良くして体を温めますので、冷え性の女性は、どんどん食べると良い野菜です。神経痛・痔疾などでお悩みの方もどうぞ!
精力野菜といわれる理由は、にんにくにも含まれる、アリシン(硫化アルカリ)という成分のためです。アリシンは糖質の代謝を促進するビタミンB1の腸内の吸収利用率を高めるほか、強い抗菌性、エネルギー代謝を高めて内臓を温め、各機能を活発にします。ですから、スタミナをつけたいときには効果的です。
ビタミンB1とたんぱく質を豊富に含む豚肉、レバー、うなぎの蒲焼などの料理の副菜として組むと風邪予防、夏バテ防止に効果大です。またビタミン類も豊富です。一束でちょどβ-カロチン一日所要量分が、ビタミンCは三分の一、ビタミンEも三分の一まかなえる優秀食品です。このβ-カロチン&ビタミンC&ビタミンEのトリオはガンを撃退します。
整腸作用や殺菌作用も優れています。また、小松菜と同じくらいのビタミンAと、豊富なビタミンB1・B2・Cを含んでいます。
ビタミンA・B群を豊富に含むビタミン源であるとともに、摘んでも摘んでも伸びてくるその生命力から、にんにくに次ぐ精力野菜とされています。
独特なにおいの成分は硫化アリルで、体に吸収されると、自律神経を刺激してエネルギー代謝を高め、冷え性、下痢、貧血や風邪の予防に効果的です。
食物繊維も豊富に含み、胃もたれや便秘に効果があります。
血液の循環をよくして古血を排泄する作用があり、打ち身のはれ、しもやけ、止血などには、つき汁を塗ると意外な効果を発揮します。

みょうが
香味野菜の代表の一つ。ほのかな苦味、しゃきっとした歯ざわりが珍重されます。
地下茎から出る花穂を「花ミョウガ」「ミョウガの子」といい、若い茎を光を当てずに栽培したものを「ミョウガタケ」と呼ぶ。いずれも食用です。
みょうがの生育は、湿気の多い所が適所です。ミョウガの子は、夏に出てきますが、気温が二0度を超えると生育が止まってしまうので、高冷地で 生産されることが多い。
みょうがに含まれている精油成分は「アルファ・ピンネ」というもので、独特の芳香と風味があり、麺類の薬味などにもピッタリ合います。
精油成分が大脳皮質を軽く刺激して、ぼーっとした頭をシャキッとさせる作用があります。
熱を冷まし、解毒効果があるので、夏バテに効果あり、独特の芳香と風味がありますので、薬味などにすると、食欲が増進します。
ホルモンのバランスを整える効果がありますので、生理不順、更年期障害、生理痛や女性の冷え性、冷えからくる腰痛、腹痛にも有効です。
発汗、呼吸、血液循環などの機能を促す作用がありますので、腰痛、肩こり、リウマチ、神経痛にも効果があり、患部にそのままはったり、入浴剤として用います。
「みょうがを食べると、物忘れがはげしくなるってホント?」
釈迦の弟子である周梨槃特(スリハンドク)の話ですが、彼は、仏道に優れ悟りまで開いた人物ですが、どういうわけか、自分の名前を忘れてしまう。ふびんに思った釈迦が、首から名札をかけさせたが、そのことさえも忘れてしまいとうとう死ぬまで自分の名前を覚えることができませんでした。死後、お墓に見慣れぬ草が生えてきた。一生自分の名前を荷(にな)って苦労したということから「茗荷(みょうが)」と名づけられたということです。つまり、物忘れがはげしくなることはありません。ご安心を!
とうもろこし
トウモロコシは、南アメリカの原産で、紀元前のマヤ・インカ文明の主食でした。15世紀頃、コロンブスが持ち帰り、ヨーロッパへ広がったようです。
日本には、戦国時代にポルトガルの宣教師が長崎に持ち込んだのが始まりと言われています。
トウモロコシの実の主な栄養素は、でんぷん(炭水化物)、タンパク質、ビタミンB1で、炭水化物が多く含まれているため、主食として世界各地で食べられています。
ひげの部分には多くの薬効があり、南蛮毛(なんばんげ)という漢方名があるほどですが、ヨーロッパでは、太りすぎの人が柔らかい毛を生のままたべると、食べながらやせることができるとされています。南蛮毛は利尿効果が高く、糖尿病・腎臓病などに効果があります。トウモロコシのひげを煎じて飲むと、シミ・ソバカスのもとになるメラニン色素の排泄効果があるとも言われています。
トウモロコシの薬効は利尿(りにょう)、腎機能の改善、むくみ、黄疸(おうだん)、肝炎、胆のう炎、胆血石、糖尿病などで、薬理試験でもすぐれた利尿作用、血圧降下、末梢(まっしょう)血管拡張作用があり、また毛を発酵させたものには、顕著な血糖降下作用が認められました。
毒性の少ない安全な利尿剤ですから連続して服用しても副作用はなく、妊娠時のむくみにも効果的に用いられています。
また、緩下(かんげ)作用も少しあり便秘にも効果がありますので、お茶の代用として常時用います。一日量、5〜10グラムに水0・5リットルを煎じて、約半量まで煮つめてこしてから、3回に分けて食間に服用します。
中国では、玉米須(ぎょくべいす)、玉蜀?蕊(ぎょくしょくきずい)、棒子毛(ぼうしもう)といい、生のまま一日量を30〜60グラムを煎用にしますが、乾燥した場合は5〜10グラムに相当します。 また、トウモロコシデンプン(種子からとったデンプン)は、腑形剤、製菓原料に使用し、トウモロコシ油(トウモロコシの胚芽からとった油)は、軟膏の基剤、注射薬の溶剤に使用します。
トウモロコシの胚芽から採取する油がコーン油です。ステアリン酸・リノール酸・オレイン酸を含んでおり、コレステロール値の高い人にはお薦めの健康的な植物油です。

グリーンピース
お母さんの手伝いで、さやから豆を取り出した思い出はありませんか? グリーンピースは料理の引き立て役となり、初夏を感じさせる色です。
春から初夏が旬のグリーンピースはえんどう豆の若い未熟な実、さやごと食べるさやえんどう(絹さやともいいます)、完熟させ乾燥豆として食べる赤えんどうなどいろいろな種類があります。
グリーンピースは良質のたんぱく質のほか、ビタミン・ミネラルが豊富で特にビタミンB群やカリウム・鉄・リンを含んでいます。
たんぱく質でも脳を活性化するリジン(必須アミノ酸のひとつ)が多く、記憶力や学習能力を高めたり、肌を美しくする効果があります。また、豊富に含まれているカリウムは、過剰な塩分や体内の老廃物を排泄する働きがあります。
さらに、オレイン酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸は血中コレステロールを下げる働きがあり、これらには血液をサラサラにすると同時に血管を強化する働きもあります。
生のグリーンピースは、4〜5月から登場しますが、できるだけ早く食べたほうが栄養成分は生きています。ゆでた場合、汁に成分が溶けているので、捨てないで利用できます。
蕗(ふき)
蕗は、ノンカロリーで繊維質に富み、美容食、ダイエットに最適の食品です。
昔から、咳どめやタン切りに使われており、女性の美しさの敵である便秘、男性の多くがかかえているストレスの解消、疲労回復などに効果がある「アルカロイド」が多く含まれ、日常の食事にもっと登場してほしい品目です。
山野に自生し、ふきのとうは雪解けを待たずに出てくるので春の使者とも言われ、トウが伸びて白い花を咲かせます。ふきは、柄の長い丸くて大きい葉を出します。
ふきのとうにはカロチン、ビタミンA等が豊富に含まれています。昔から「春は苦味、夏には酸味、秋は辛味」とよく食べられていました。
咳止め、風邪、去たん:早春、まだ雪の残った中に咲いている花をとって、乾燥させます。10gを水400ccで半量まで煎じ、一日3回に分けて食間に飲みます。
痔:葉を水洗いして、水気を切り、火から少し離してゆっくりとあぶります。葉の表面に葉液がにじみ出てきて葉が柔らかくなります。そのまま患部にあてます。
止血、虫刺されには、葉をもんで出てきた汁を傷口にぬります。胃弱、解熱には、茎で味噌汁を作ります。切り傷、解毒には、生の根の絞り汁を使います。便秘、喘息には、ふきは繊維が多いので、保存食として佃煮等を作って常食していると予防になります。
蕗は、キク科の仲間で、アルプスの名花「エーデルワイス」と姉妹関係にあります。
フキの英名、ジャパニーズ・バターバーは、その葉でバターを包んだことからの名づけられたといわれますが、天然の包装資材としてはまたとない大きな葉っぱで、秋田大蕗に至っては葉柄の長さが2メートル、葉の幅が1メートル以上にもなります。そのまま煮て食べるには硬くてあまりおいしくないとかで、砂糖漬けやフキ羊かんにするほか、お土産のフキ人形、また、鉄の芯棒を入れるとフキのステッキになるそうです。
寛延年間のこと、秋田藩主佐竹義峰侯が江戸で諸侯を相手にお国自慢のついでにフキのことを話したところ、ホラ話と一笑に付されてしまった。悔しがった佐竹侯は早飛脚で長木沢のフキを江戸に届けさせ諸侯を驚かせた。以来、秋田大蕗は全国的に有名になったのだという。
巨大なフキは北海道にもあってその名もラワンブキ、こちらはコロポックルといういたずら好きな小人の神様がフキの下に住んでいるとの、アイヌの人々の伝承があるそうです。

レタス
レタス(淡色野菜)は、通年マーケットに出ていますが、旬は夏です。ビタミンCやB1、カリウム、カルシウムなどが多い食材です。ビタミンB1が不足すると、肩凝りや腰痛、疲労なとの原因になります。
ビタミンA・Eが多く、細胞の老化を遅らせ(若返り)、血行をよくして、血液の循環を促す作用があるため、美容、貧血の予防、肝臓や腎臓を健康に保つなどの働きをします。
レタスには鎮静効果や誘眠効果があり、神経の高ぶりを抑えたり、不眠症に効果があります。
レタスは、生で食べる他、加熱するとカサが減って多く食べられます。生で食べるのが一番ですが、金物が嫌うので、手でちぎるのがコツです。
冷水に浸すと、一層歯ざわりがよくなりますが、あまり長く水につけすぎると栄養素が流れてしまいます。体を冷やす作用がありますので、冷え症や冷えから下痢をしやすい人などは生で多食するのは控えるほうがよろしいでしょう。
ニラのレタス巻きは、レタスに含まれる食物繊維が水に溶けて、整腸を促し、便秘に効果的です。
ニラ三本をよく洗い、レタス一枚を熱湯でさっとゆで、しんなりしたところで、にらを巻き、スープで少し煮込みます。
きゅうり
原産地はインドのヒマラヤ山麓あたりで、3000年ほど前から栽培され、日本には、中国を経て6世紀ころ渡来しました。
きゅうりは年間約90万トン生産されており、そのうち6割がビニールハウスなどの施設で栽培されています。
きゅうりの利尿作用は一般に知られていますが、体内の老廃物を排泄して、疲労を回復し、血液を浄化しますので、腎臓病、心臓病、そのほか体がむくんで尿の通じが悪い病気のすべてに特効があり、みずみずしいさわやかな香りとともに、食欲増進にも大いに効果のあり、食べながらやせることができる野菜です。
『本草綱目』にも、「主として熱を清め、渇を解き、尿を利す」とあり、その他、湯火傷のほかに打撲傷にも薬効がある、と書かれています。きゅうりの冷やす性質がやけどや打ち身によいのでしょう。ただ、食欲をそそるからといいましても、生のものを食べ過ぎると体を冷やしますので、病人には注意が必要です。特に衰弱した病人にはあまり食べさせないほうがよいでしょう。
外用薬としても、きゅうりはいろいろ効能がありますが、きゅうりの水をとっておくと、飲んでよし、外用によし、また美顔料としても非常に効果があります。
「きゅうりの水」のとり方には、二つの方法があります。
?、熟したなまきゅうりを突きつぶしてかめの中に入れ、きっちりとふたをして、さらにテープで目張りをしておき、2〜3日後に布でこして蓄えておく。
?、へちまの水をとるときと同じように、きゅうりが熟したころ、つるを地面から50センチぐらいのところで切り、その切り口をビンの中に差し込んでおくと、切り口から水がしたたって、一夜のうちに四合ぐらいたまる。
一割くらいのアルコール(白ワイン)を混ぜておくと、腐敗の恐れがなくなります。

アロエ
昔から「医者いらず」と呼ばれているアロエは、ヨーロッパを代表する民間薬の一つです。世界に300種以上ありますが、家庭で栽培されたり、健康食品に用いられたりしているものの多くはキダチアロエ、アロエベラという種類です。
バルバロイン、アントラキノンは食べながら痩せることができ、キダチアロエにはさまざまな有効成分が含まれています。たとえば、皮の部分のバルバロイン、アントラキノンは腸の蠕動を高め、便秘時の下剤として使用できます。アロエボランという粘液多糖類は血糖値を下げる効果があり、糖尿病の改善に役立ちます。
さらにアロエミチンはガン細胞に対する免疫力を高め、殺菌力のあるアロエチンは、かぜを抑え化膿や水虫にも効果があります。
炎症を鎮めるアロエウルシンは、火傷、日焼け、潰瘍やただれに効き、化粧品の成分としても用いられています。
飲むときの注意としては、妊娠時や生理中、下痢、極端な冷え症の人には適さないということです。中国では古くから堕胎薬として使われたほどですから、とくに妊娠時に飲むときは医師に相談したほうがいいでしょう。
陰と陽が中和される、これがポジティブな食の考えです。これはいけない!これだけ食べれば体によい!と決めつけるのではなく、できるだけ、食品数を多くとるように心がけてください。食材の性質を知り、体を冷やしすぎない食生活を守れば、血の流れは改善されて、肩こり、冷え症がやわらぎます。
杏子(あんず)
アンズは食用として広く知られていますが、昔から種子の「仁」を取り出して乾燥した物を「杏仁」と呼んで漢方薬として用いられてきました。
杏仁湯といって中華料理のデザートに出る甘ずっぱい飲み物は、杏仁が材料で、消化を助ける作用があるので、油っこい中華料理を食べたあとには最適なのです。
杏仁は、 鎮痛作用、解熱作用、利尿作用、健胃薬、去たん、せき止めに効果があります。
アンズの花は便秘や食欲増進、果肉は疲労回復に効果があります。
アンズの持つ甘味はブドウ糖や果糖、酸味はリンゴ酸やクエン酸によるもので、こうした有機酸は胃液の分泌を促進させて消化をたすけ、食欲増進・便秘に効果あります。
また、ビタミン類ではAが多く、リン、鉄分などのミネラル類も豊富で、干しあんずにはミネラルが多く含まれています。
果肉に含まれているアミノ酸の一種のギャバは、脳の血行を良くする作用が知られており、脳動脈硬化症(ボケ)の予防効果も十分期待できます。
あんずの果実にはからだを温める作用があり、冷え性の人は干し杏を一日二〜三個食べると効果があります。
中国が原産で、最古の本草の文献で、伝説上の薬祖神・神農の名を冠した「神農本草経」(後漢時代=紀元25年〜220年に、当時の薬物についての知識の集大成として、上薬120種、中薬120種、下薬125種に分類して、解説されている漢方の原典)に、「杏核仁」の名で鎮咳用薬として下薬に分類されています。
日本では、薬用として収載されたのは天明天皇の詔勅(7一3年)によって編纂された「風土記」の中で、生薬の「杏仁」として記載されています。
ヨーロッパには一世紀ごろ伝わったといわれ、アメリカで栽培されるようになったのは18世紀からで、いまではカリフォルニア州が世界的な産地になっています。
アンズの故事は、古く中国の櫨山(江西省北部揚子江岸、九江の南部)に董奉(とうほう)という名医がいて、貧しい患者からは治療費を取る代わりにアンズの木を植えさせた。このことから医者のことを杏林と言うようになりました。
この故事に因み医学関係では杏林大学、薬品関係では杏林薬品株式会社(長野県出身の荻原廣設立)があります。


もともと中国原産の梅は、今では日本中どこでも見られます。
薬用としても効能が多く、食べても、塗ってもよく、重宝な植物です。
薬用とする部分は果実と種子で、梅干し、梅酒など幅広く利用されています。しかし、未熟な果実は、微量の青酸を含むので、生食すると中毒をおこす危険があります。梅は特有の酢っぱさがありますが、これはクエン酸、コハク酸などが含まれているためで、それが、多くの薬効をもたらすといわれています。
風邪、下痢のほか、胆石症、皮膚病によく効きます。また、神経痛や打ち身、ねんざ、さらに疲労回復や食欲増進にも効果があります。
風邪、初期の風邪なら、「梅干ししょうが湯」を飲むと良いでしょう。梅干し1個を湯飲み茶碗を入れ、しょうがは梅干しの三分の一くらいの量をすりおろして加え、これに熱い番茶を注ぎます。箸などで梅干しの肉をつぶしたら出来上がりです。飲用は、朝起きてすぐか、就寝前がよいでしょう。
風邪て喉が痛むときは、「梅湯」が特効薬といわれています。梅干し一・二個をゆっくり焼いてから、湯のみ茶碗に入れ、熱湯を注いで飲みます。
ひどい咳のときは、梅干しの種子を割り、中身を取り出してすりつぶし、熱湯を注いで飲むとよいでしょう。
梅は優れた殺菌力と整腸作用があるので、肺炎、食あたりや細菌性の下痢、慢性の下痢に効果があります。下痢には「梅粥」や「梅肉エキス」がよいでしょう。
梅には、胆のうを収縮して胆汁の分泌を促進し、胆石ができたり大きくなったりするのを防ぐはたらきがあるので、一日一個、梅干しを食べると予防になるといわれています。痛みの激しい発作には、梅肉エキスを少量飲むか、梅干ししょうが湯が効くでしょう。
皮膚病、化膿したあせもには、梅干しの果肉を練って患部に貼ると、化膿した部分から膿が出て治るといわれます。梅干しは湿り気がなくなったら、こまめに取り換えましょう。

バラ科サクラ属モモ亜属で、植物学的にはアーモンドの親戚で同じ野性種だったといわれます。原産地は中国華北の高原地帯で、西漸してペルシャで発展し、さらに古代オリエント一帯に広がりました。桃の栽培はかなり古くから行われていたようで、孔子の書物にすでに出ていることから、紀元前5世紀ごろでないかといわれています。そしてアレキサンダー大王の遠征により、ギリシャからローマに伝わり、やがて地中海沿岸、一七世紀にはアメリカへ渡っています。
西に伝播した桃は、果肉が黄色くなり黄桃として発展しました。現在、最大の生産地カルフォル二ア州では、黄桃の缶詰めを供給しています。一方、中国から東回りで明治時代に伝わった天津水蜜桃や上海水蜜桃から、柔らかい果実をもつ日本独特の白桃が生まれました。
なお、日本にも野性の桃があり、弥生時代の古墳からその種のタネが発見されています。
桃の花を乾かして花自体を漢方医薬にした下痢剤 、白い桃の花の半開きの時に採取して乾燥するのが『白桃花』です。製品は、白い花弁が乾いて淡黄色で、ときに愕のまま蕾の混じったものがありあす。 このほうが高価です。
『白桃花』にはケンフ(kenpheror)という配糖体を含んでおり、この配糖体がアルバミリセチン(albamyricetine)です。緩下剤(下痢剤)として、三グラムを煎じて服用すると、猛烈な下痢をおこしますが、副作用は一切ありません。
桃の葉を漢方医薬にした『桃葉水』を精製して薬用として咳止め薬や浴湯料として用います。
桃の葉にはニトリン配糖体を含んでいて、これを水蒸気と共に蒸留するとベンツアルデヒト (Benzaldehyd-e)と青酸とを含む蒸留液が得られます。製造方法は、新鮮な桃の葉20?より水蒸気蒸留により蒸留液五Lを得れます。服用するには、は青酸含量が0・1%に希釈して用いますので、大体、蒸留液5リットルから桃葉水7リットルが得られます。これらの薬用は、咳止めですが、浴湯料としてお風呂に入れて汗疹(あせも)の治療にも効果があります。
桃の樹の皮を漢方医薬にした物が浴湯料で、桃の皮にはナリンゲニン(Naringenin)トリアコタン(triacotan)ペンタト リアコタン(pentariacotan)を含んでいるので、浴湯料に用いと、汗疹(汗疹)湿疹によく効きます。
桃の実の中に核があり、その中の仁(胚)を漢方医薬にした物が『桃仁』です。この中にエムルジン(Emulsin)が約3%とアミグダリン(amigudarinを含んで)があり、鎮咳、生理不順、下腹部満痛等に用います。
日本人が桜の花をこよなく愛するように、中国人は桃の花に特別な愛着をもっており、桃の開花期が中国は一年で一番過ごしやすい季節で、桃の花の咲きほこる桃源郷は、中国人が共通して抱く一つの理想郷です。
桃には魔除けの力があるという信仰があり、中国では桃の枝でお祓いをする風習があります。昔、桃は「仙果(シェンゴー)」といわれて、長寿のシンボルとされ、その名残から、今日でも老人の誕生日には長寿を祝って、桃をかたどったお菓子を贈るそうです。
漢方の立場から見て、桃には大変すぐれた薬効があり、医学書の『本草綱目(ほんそうこうもく)』には、桃の葉・花・種・皮などを薬として使ったという記録があります。たとえば、桃の実は、肌に潤いを持たせ美容によいとされています。
最も優れた薬効をもっているのは種・桃仁(とうにん)の部分で、活血(血行改善)作用に優れ、特に脳や抹消血管の血流量を増やし、血栓の形成を防いでくれます。ほかにも消炎・抗菌などの作用があって、現代医学の研究では、慢性肝炎に効果があることもわかっています。中国では、婦人の聖薬といわれる四物湯(しもつとう)に、桃仁と紅花(こうか)を加えた桃紅四物湯(とうこうしもつとう)が有名です。
日本でも、桃仁の入った桃核承気湯(とうかくじょうきとう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうとう)などは、婦人科でよく使用される漢方薬です。
マグロ、サバ、サンマ、イワシ。(青魚)
マグロ、サバ、サンマ、イワシなど、青魚の脂肪にはDHAが多く含まれています。
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、α-リノレン酸系の多価不飽和脂肪酸の一種ですが、脂肪酸は三大栄養素の一つの脂質を構成する主成分で、分子構造によって飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分かれます。DHAは不飽和脂肪酸の中でも、人体内で合成できない必須脂肪酸である多価不飽和脂肪酸に属し、主に脳や神経系の組織ではたらきます。
DHAは血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールをふやすはたらきが確認されています。従って、心臓病や高血圧などの生活習慣病、ダイエットにも効果を期待できます。
DHAは、1985年にイギリスの脳栄養化学研究所が、20年にわたる研究から打ち出した報告として、「日本の子供の平均知能指数が欧米の子供より高いのは、DHAを含有する魚類をたくさん食べているから」と発表し、世界中の注目を集めました。これはDHAが脳の働きを活発化し、記憶力や学習能力を向上させることに基づいています。
魚料理から摂取する場合、DHAは脂がのった旬の魚に多く含まれています。加熱調理してもDHAが失われることはありませんが、空気中の酸素に触れると酸化しやすいため、魚が新鮮なうちに調理することが大切です。
季節に関係なくDHAを摂取できる健康食品も、酸化に気をつけて保存したほうがよいでしょう。市販されている製品は、ビタミンEなどを配合して酸化を防いでいるものが多いようです。

うなぎ
世界に18種類生息するうなぎは、魚類のなかの無尾亜目ウナギ科に属し、日本にいるのは2種類(ニホンウナギ、オオウナギ)で、流通しているのは、主にニホンウナギです。
目は小さく、体は細長い円筒形で、腹ビレはなく、背ビレは尾までつながっており、鱗はほとんど退化しています。ちなみにうなぎがぬるぬるするのは、体表に粘液細胞が発達し、ムチン(蛋白質と炭水化物の複合体)という物質を分泌しているためです。粘液には水分を保つ働きがあり皮膚呼吸を助けており、淡水と海水のように、環境の違う場所に生息できるのは、この粘液細胞に体内と体外の浸透圧を調整する機能があるからです。
同じウナギ科にはアナゴ、ハモなどがいますが、ヤツメウナギは、科が違います。
天然物の漁獲高は年間2000tに満たなく、市場に出回る95%は養殖物で、しかも、近年国内でのシラス捕獲量が減り生産量も減少し、輸入うなぎが増加し、国内消費量の半分は中国、台湾、マレーシア等からの輸入ものです。
フィリピン東方沖で産卵し、稚魚(レプトレファルス幼生という)は数ヶ月かけて東南アジアの沿岸までたどりつきます。その後、シラスウナギに変態し、川を遡り、エビ、カニ、貝類、小魚等を食べて成長します。数年かけて成魚になり、再び降海、産卵回遊に入ります。
養殖うなぎは、12月から3月にかけて河口に上がってきたシラスウナギを捕獲し、半年から2年程度加温養殖したものです。養殖鰻は、タラやイワシ等をベースにした完全配合飼料があり、それを食べています。ちなみに、孵化から完全に養殖することはまだ実現していません。
養殖物は5月〜7月に多く出回りますが、天然物は、産卵のため海に戻る直前の秋から冬のものが脂がのっていておいしいといわれています。
鰻には、ビタミンA・E等のビタミン類が体に吸収しやすい形で含まれており、疲れた夏の体にぴったりで、良質なタンパク質やカルシウムを含んでいます。
最近注目されるDHA、EPA等も豊富で、女性には欠かせない鉄分も多い。
なお、うなぎに添えられる山椒は、うなぎの味を引き立たせるだけでなく、胃酸のPH値を下げ、うなぎの消化を助ける働きがあります。
ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保ち、スタミナ不足を助け、免疫力を高める等の作用があり、それもレチノールという効力の早い種類が、蒲焼き一人前で一日の所用摂取量がまかなえるほど豊富に含まれています。
ビタミンEはホルモンのバランスをコントロールし、不妊症・早産・自律神経失調症を防ぎ、ニキビやシミ・ソバカス・肌荒れに高い効果があります。
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳の働きを活発にし、記憶力や学習能力を向上させると注目されています。他にも、ガンの抑制作用コレステロール低下作用、抗アレルギー作用などもあります。
EPA(エイコサペンタエン酸)は血管を丈夫にするといわれる。
どじょう
コイ目ドジョウ科に属する淡水魚の総称で、天然記念物に指定された「アユモドキ」や観賞用の「シマドジョウ」など、日本には10種ほどいます。北海道から九州の日本全域、朝鮮半島、台湾からアジアの東部に分布し、流れが緩く泥の深い平野の小川や、湖沼、水田などに生息する淡水魚です。体は、円筒形で細長く、体は小さなうろこがあり、表面はヌルヌルしている。体長は15cmほど。
有機物や底生動物をエサとしますが、成長してくると、藻や植物の茎・根を食べます。口の周辺に、5対(10本)のヒゲがあり、このヒゲで味覚を感じるそうです。旬は夏で、冬の間は、エサを食べずに冬眠するのでやせています。
「本草綱目」という書に「体を暖め、生気を増し、酒をさまし、痔を治し、さらに強精あり」と書かれ、昔から様々な薬効があるとして珍重されています。
ドジョウの皮を貼ると、リウマチや神経痛に効き、母乳の出もよくなると言われています。
ウナギと比較すると、タンパク質は同じくらい含まれており、ビタミンB2、D、カルシウム、鉄分などは、ドジョウの方が多い。カルシウムは、ウナギの一0倍ほどあり、丸ごと食べることの多いドジョウの栄養価は、ウナギよりも高いくらい。夏ばてには、かっこうのスタミナ源です。
高たんぱく低脂肪のどじょうは女性に是非食べて欲しい夏の一品です。
ぬるぬるした魚に多いビタミンAは、身体の抵抗力をつけて夏バテや夏カゼを予防するはたらきがあります。また、視力回復にも効果があります。
さらに血液の循環をよくして肌をイキイキさせるビタミンB2とか、女性に多い貧血を予防する鉄分、ストレスをやわらげて強い歯や骨を作るカルシウム等、カルシウムの吸収を促進するビタミンDを豊富に含んでいます。
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳の働きを活発にし、記憶力や学習能力を向上させると注目されています。

鯵(あじ)
あじの成分は、タンパク質は魚の標準値、脂質は少なめですが、刺身にして食べると消化吸収もよく、良質のタンパク質の摂取ができ、高血圧の予防や肝機能を高めるのに役立ちます。
脳の活性化を促進するといわれているDHA(ドコサヘキサエン酸)や、EPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が豊富で、特にEPAは、血管を広げたり、血液をきれいにする働きが注目され、脳硬塞や心筋梗塞対策におすすめです。夏の冷房病が気になる方などは、血行がよくなることから、予防にはもちろん、頭痛や不眠対策に今から常食しておきましょう。
アジの干物には亜鉛が多く含まれており、亜鉛は(糖尿病に効果がある)インシュリンの分泌を促し、カルシウムを効率的に吸収できるようになります。
魚を天日に干すと、紫外線が、魚に含まれている不飽和脂肪酸を飽和脂肪酸に変え(魚の脂肪を酸化させしてしまい)旨味を損ねますから、風通しのいい場所で陰干しにするのがコツです。
アジの干物と味噌などの大豆食品を一緒に食べると相乗効果をもたらします。大豆の胚芽には、血糖値の上昇を防ぎ、体内に入ったカルシウムの流出を防ぐ働きもある、イソフラボンという成分が豊富に含まれていますから、一石二鳥です。ちなみに干物に含まれている亜鉛は、干すことによって増えるものなので、生魚を食べるのでは同様の効果は期待できません。
その他、骨粗鬆症の予防に欠かせないカルシウムや、コレステロール対策・血管の老化防止するタウリンをはじめ、ビタミンB2やカリウムなども豊富に含まれています。
朝ごはんは、玄米に味噌汁とアジの干物の南蛮漬け、豊富な栄養がぎっしりで、元気に夏を迎えませんか。
飛魚
春に産卵が終わって栄養状態が回復する夏場が旬の「夏とび」は、頭が丸いところから「丸とび」ともいい、体長20cm程度。春とび(頭の形が角張っている、角とび)より小型。
漁獲に関していえば年中出回っていますが、とびうおは初夏から秋が旬で、浜とびうおは冬から春が旬。つくしとびうおは夏が旬で、初夏から秋にかけて出回り、ほそとびうおは晩春が旬で、晩春から秋にかけて出回っています。
運動量が多いため脂質は少なく味は淡白ですが、高たんぱくで、カリウムの含有量も多い。
セレンの含有量が多く、抗酸化性に富むため、老化を防ぎ、心臓発作、リウマチ、関節炎、筋無力症などに効果があるとされています。
筋肉や神経の興奮を制御するマグネシウム、血液を作る銅などのミネラルが豊富で、セレン同様に抗菌作用があビタミンEを含んでいます。
長い胸ビレを取り除いて、おろしたものを調理した方が食べやすい。全体的に小骨が多いので骨切りを忘れずに。水分が多いので、干物やひと塩ものするとおいしい。おろしたものをざるに並べ、塩を軽く振って1時間ほどおくと、余分な水分や生ぐさみが抜ける。やや濃いめの味つけが合う。

いわし
安くておいしい魚で、昔から「たいよりいわし」といわれ、大変重宝されてきました。季節によって脂ののりは違いますが、この脂に含まれる脂肪酸には、コレステロールを取り除き、血液の凝固を防ぐ作用があることから、動脈硬化や脳血栓の予防に役立ちます。開きにして陰干しすると亜鉛が倍増し、骨ごと食べるとカルシウムの補給にもなります。
いわしは、鮮度が落ちやすい魚で、古くなると、臭味が強くなるばかりでなく、有害物質も発生してきます。日本では近年、脳血栓や心筋梗塞による死亡率が高まってきていることからも、新鮮ないわしを週に1〜2回は食べるようにしたいものです。

かつお
「目に青葉、山ほととぎす、初鰹」とうたわれ、夏の季語にもなっていますが、黒潮にのって南方から北上してくるカツオは、1〜2月は小笠原沖にはじまり、秋には北海道南部あたりでとれますので、いちがいに夏の物だとすることはできませんが、日本沿岸に近づいた春〜夏が旬だと考えられます。九月頃のものも、「戻りがつお」と言われ、脂がのっておいしい。
初夏の鰹は、タンパク質が多く、脂肪分が少ないので、高たんぱく低エネルギーの健康食品です。悪性貧血、神経のバランスを保つビタミンB12が、魚肉の中でトップの含有量で、ナイアシンは、消化や血液循環を助け、皮膚炎や二日酔いの予防に、タウリンは、血圧、コレステロールを下げ、ビタミンDは、鉄やカルシウムの吸収を促進させるので、骨粗鬆症や貧血の予防にも効果があります。
疲労回復や神経に作用するビタミンB群も含まれています。血合の部分は、ビタミンA、B1、B2、B12、鉄がタップリ含まれていて、胃や腸の消化活動を助け、病後、産後の体力回復に効果あり。肉類のレバーと勝るとも劣らない。脳を活性化させるDHA(ドコサヘキサエン酸)、血液をきれいにする不飽和脂肪酸EPA (エイコサペンタエン酸)も含んでいる。
魚の中で、ビタミンB1が一番多く含まれており、たたきや刺身の薬味として、にんにくと一緒に食べると、ビタミンB1の働きを高めます。強壮食なので、慢性疲労、足のだるさの回復に効果あります。ただし、尿酸値の高い人は多食を避け、 食物繊維の豊富な野菜と食べるとよいでしょう。
鰹節を作るのに不用な腹わたを利用して作ったのが、カツオの塩辛で「酒盗」と呼ばれて古くからおなじみです。
魚の肉を煮て、いぶして、乾燥させた保存性のある物を節と呼びます。「鰹節」以外には、「さば節」「あじ節」「いわし節」があります。「けずり節」としてパックされて売られていますが、「本カツオ」は少なく前記の節のけずり節がほとんどです。
鱧(はも)
はもの料理は関西がさかんで、特に京都では、祇園祭りを「はも祭り」というほど、はもは季節感の中にしっかり定着しています。旬は、6・7月で大きなものは2メートルほどにもなりますが、おいしいのは1メートル前後のものです。白身で、脂肪が多く、濃厚な味わいです。
はもには小骨がたいへん多く、素人にはちょっと無理、魚屋さんの腕のみせどころで、腹から開き、背骨を取つたあと、骨切りをします。「一寸に24」といわれるほど細かく包丁をいれて骨を切り、皮は切らずに残しておきます。
はも料理は、湯引きといわれる刺身、落とし、はもきゅう(酢のもの)照り暁など、いずれも皮を残してありますが、皮にはコンドロイチンがたくさん含まれており、皮膚の老化を防止する効果がありますので、紫外線が強く体力を消耗する夏にはうってつけの魚といえます。
はもの湯引きとは、骨切りしたはもを、皮を下にして、アミに置き、煮たったお湯にサッと入れます。すぐに取り出して、氷水に入れて冷やしますと、身が花のようにまっ白になります。さめたらすぐに引きあげ、水気をよくきって氷を敷いた上に盛って、梅肉醤油かぽん酢にもみじおろしを入れたものにつけて食べると、さっぱりと口あたりもよく、食欲不振の人も、これなら食がすすみます。

イカ
イカはカロリーが低くタンバク質も他の魚介類より少な目で低脂肪です。
イカは、コレステロールが多く健康食品ではないといわれてきましたが、血中のコレステロールを抑制するタウリン、EPA(エイコサペンタエン酸)14・3%、DHA(ドコサヘキサエン酸)38・9%も多く含まれおり、干してスルメにするとタンバク質が三〜四倍,カルシウムが2〜4倍に増えますし、総じて、イカは栄養価の高い物だということがいえます。コレステロールを上げない健康食品として見直されている。
イカのタンパク質、アミノ酸は魚類に比べるとやや少なめですが、タンパク質は非常に良質で、低脂肪ということもあり、ダイエット食品としても適した食品であるといえます。
イカ墨の主成分は、セピオメラニンと呼ばれ、塩辛の中に混ぜて「黒造り」にすると、塩分が比較的薄くても、イカ墨を加えない「白造り」に比較して日持ちが良くなります。
イカ墨には、抗菌物質があり、たこ墨の30倍以上のアミノ酸を含んで、旨味があります。
「本草細目」によりますと、「気を益し、志を強く、月経を通ずる効がある」とされています。イカの身は血を補う働きがあり、女性の無月経や月経異常の治療に補助食品として利用されています。イカの甲(骨)は漢方では、「海虫票虫月(カイヒョウショウ)」と言います。これを黒焼きの粉末にしたものが、胃潰瘍・十二指腸潰瘍に効果があり、止血・制酸の作用があり、痔に効く、とされております。銅分が多いことから造血作用もあります。
動脈硬化・高血圧・心臓病・脳梗塞・肝臓病・胆石の予防のも効果があります。

北海道旅行の時、江刺で、ユースホステルの泊り客は私一人でした。「朝食は家族と一緒に」といわれ、喜んでそうしますと、どんぶりに盛られたイカ・ソーメンが出され、ご飯に盛って「お爺ちゃん秘伝のタレ」というのをかけて食べたら、うまいのなんのって。笑顔ですすめられるまま、恥ずかしくなるほどいただきました。
落語のお殿様が好きになって自慢した「目黒の秋刀魚」式に表現しますと、誰がなんたって「イカ・ソーメン」なら江刺に限るね。
イカを漢字で書くと「烏賊」となります。
これは中国の古書である「南越伝」に出てくるもので「イカが水面に浮かんでいると、カラスが、死んでいると思いこんで、突っついて食べようとしたところ、イカが足でカラスをひっつかまえて、水中に引き込み殺して食べてしまう」ということから、鳥(カラス)を盗むやつ=イカということでついた名前のようです。しかし、全くイカがわしい話ではありませんか?
とは言いましても、マッコウクジラと戦うダイオウイカもいますから、イカは突拍子もない生き物みたいですね。
ヒラメ・カレイ
目がついているのが「左ヒラメに右カレイ」と言われているように、とてもよく似た魚です。味は、脂質が少ないことからたいへん淡泊な味です。それに加えて新鮮な物は臭味も少ないことから、どんな料理にも使えます。
カレイは多くの種類がありますが、ヒラメの類は、ヒラメを除くとガンゾウビラメ以外は食用とされていません。成分は、タンパク質は魚の標準値。脂質も多くなくとてもあっさりとした魚です。ビタミンB1、B2が比較的多く含まれており、特に「エンガワ」に含まれるコラーゲンは皮膚や骨の結合組織の主成分でビタミンB2,D、リンも豊富です。カレイ・ヒラメは高タンパク低カロリーで精力増強や肥満防止に最適な食品です。

鮑(あわび)
あわびは、一枚貝と思われがちですが、ミミ貝科といわれる巻き貝の一種で、エゾ、マダカ、メガイ、クロ、トコブシなどの種類に分類され、軟体動物腹足綱ミミガイ科に属する巻き貝のうち、とくに食用に供されるような大形種の総称。
あわびのエサは、コンブ・ワカメなどの海草類が主で、みずからの 口で噛みくだき、そのエキスが食道を通り、鮑のキモへと運ばれているので、鮑のキモは海草のかたまり、グリコーゲン貯蔵所と言うことになります。
老化の進行を弱めるコンドロイチンを含んでいる他、血枯れを治し、病後の回復や解毒にも効果がある。アワビのうまみは、グルタミン酸とアデニル酸で、甘みは、グリシンとベタインによるもの。アワビのうまさは、単なる磯の香りだけでなく、うまみが凝縮されたものです。また、殻は視力の衰えや白内障の眼病に効果があります。
古代中国でアワビは石決明(せっけつめい)の名で不老長寿、延命若返りの霊薬的食物とみなされて、秦の始皇帝の不老長寿の秘薬があわびであったとか、楊貴妃も美容のためあわびを食べたとか・・・

--------------------------------------------------------

日本の夏は高温多湿で、この季節には夏カゼや食中りなどで下痢や腹痛をともなうことが多く、食欲不振になったりします。
この時期は、身体の暑気をはらい、湿気を除いたり、夜間には身体を冷やさないようにする必要があります。そこで 清熱作用や利尿作用ある、キュウリ、トマト、西瓜、苦瓜など、夏の野菜や果物で補完します。

ログインすると、残り5件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

食べる健康法 更新情報

食べる健康法のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。