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茶道の心を味わう研究会コミュの== 言葉の奥を会得する茶席 ==

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茶席の掛軸の言葉、茶席で掛けられるのは、そこに心が詠みこまれているからです。夏に涼しい言葉が良いのであれば、よほど山水画を掛けた方が清々しいですね。一時財界茶人が油絵を床の間に掛けたことがありましたが、さすがそれは「心ない」ことでした。表面の文字に捉われた解釈は油絵と同じで、本物ではありません。

【その1】
「君看此花枝中 有風路香」(君看よ、此の花枝中に風路香るあり)・・・席主自らがこの言葉を選んで茶席で掛けたところ、お客様から「香っている花とは、何の花ですか?」と質問があったといいます。席主は準備不足で答えられなかったと言います。

言って見れば、此の花とは形式や名称に捉われない「本物の花」のことです。「今日の席では、本物の茶の心を微かな香りででも味わって戴こうと思った席にしましたが、余りに微かなので失礼しております」とでも言葉の意趣を説明しましょうか。

さて質問のお客様ですが、その場にいたわけではないので真意は不明ですが、椿の種類とか、花の名を聞いているなら首を傾げたくなりますが、席主の様子を見て塵一つも茶の心が感じられないので、席主に問い詰めたのなら、本物の茶人だったと言えるでしょう。

【その2】
「水流澗下大忙生」(水は澗下に流れだいぼうせい)・・・真夏日が少し続きましたが、その後戻り梅雨のようで、パッとしない日々、新潟では数万世帯が大雨で避難勧告です。信濃川を見下ろすと、滔々と流れ下り、忙しいように流れて、夏日には相応しい涼を運んできているようです。澗は渓谷、生は助辞で意味はありません。

これも相応の格が高い茶席で掛けられ、夏に相応しい涼を呼ぶ言葉との説明があったようです。しかし、それでは茶の心はなく、水流の録音テープでも掛けておいたほうが涼しげです。

この言葉には、対句として前に「雲在嶺頭閑不徹」(雲嶺頭に在って閑不徹)があり、雲が嶺の頂に在って動こうとしていない、静かに収まっていると述べています。静かに収まっているのも、大忙しで流れているのも同じだとしてら、それは何でしょうか。

この言葉を掛けた茶席では、忙しいお点前とか、涼を呼んでいるとか、夏に相応しいとか、そういった意図もなく自然が存在しているように、ただただ茶を喫し、安らぎの時を過して戴きたい、そんな思いを籠めて席を運んで行く必要があります。

【その3】
「夏雲多奇峰」(夏雲奇峰多し)・・・上の例でお分かりのように、これも「夏の雲がたなびき、奇峰が聳えて夏らしい風景です」という、心が抜けてしまった意趣ではありませんね。

この句の前には「春水満四沢」があり、後ろには秋、冬の句が続きます。春夏秋冬に存在し満ちている奇峰や四沢・・四季折々に素晴らしいものがありますが、それはすべてに貫通する真髄や本来の茶の心です。

その真髄や本来の心を味わって戴くのが今日の茶席、「春の席なので、掛軸の言葉に合せて、大きな水指になみなみと水を入れてみました」・・などと説明すれば、オヤジギャグもいいとこ、「ありゃ、ありゃ・・・」ということですね。

【 結 】
茶席の言葉は、必ず意図を絶した、心が休らげる意趣の言葉が掛けられます。ぜひぜひ、一緒に言葉の奥の意趣を会得していきたいものですね。

コメント(3)

如水さん・・・
書き込み有難うございました。「君看・・・」だけでなく、「四沢に満ちている春水」も汲んで戴いているようで、短い3行のコメントに感心しています。

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