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ニューヨークのレストラン裏コミュのNOBU

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今さらNOBUについて何を語るのか、と思われるだろうが、NOBUの成功について、オープンしてから10年以上たった今、すこし考えてみた。

NOBUの成功については様々な要因があり、これ、という断定できる一つのものはない。もちろん、10年以上も全く同じメニューで続けられるという事実は、あのマニュアル化された(というか、マニュアル化可能であった)メニューのアドバンテージも、確実に成功の要因であると言える。

でも、もう一つ驚くような、他のレストランではなかなか起こりえない事実がある。

スタッフの勤務年数である。特に主要スタッフのターンオーバー率の低さだ。

NOBUには、オープンした当時のスタッフがまだ何人も働いている。そしてまるで終身雇用でも考えているかのように他へ移ろうとしない。

通常アメリカの企業で働く場合、日本と違って同じ会社内での昇進ではなく、会社を変えながらキャリアアップをしていくのものだ。レストラン業界も同じで、特にシェフの場合は、いくつかの有名レストランで働いた事を示すレジメは、レベルアップへのとても重要な鍵である。またサーバーは、他のレストランへ行き、マネージャーとしてキャリアアップする人も大勢いる。

ところが、NOBUのスタッフは動かない。

そして、この業界の中でもかなり孤立した存在であるような気がする。あれだけ有名なレストランで働いてあるにもかかわらず、業界の中で実際に知られる存在であるのは、恐らくGMのリッチーくらいだろう。10年以上のベテランスタッフ達は、外への興味が全くないのか、と思わせるくらい外への活動があまり見られない。

他のレストランの人間が言った。「NOBUの人間は、NOBU以外では働けない。」

彼の言葉は、NOBUのスタッフへの能力的な限界について示唆したのか、それともNOBUの仕事環境の良さについてなのかは分からない。だが、NOBUの仕事環境の良さは、金銭的な面も含めて、スタッフのターンオーバー率の低さを示していると思う。そして、その率の低さが、NOBUの成功の一つの要因であると思う。

レストランでおそらく最も重要な要素は、「Consistency」、つまり味にしろサービスにしろ、一貫性を保つことであると思う。お客が期待するものが、期待通りに提供されることは、レストランの成功の大きな秘訣である。

アメリカ人の客でよくいるタイプだが、同じ物をいつも注文し、そして同じサーバーを望む人達だ。逆に言えば、常連のアメリカ人客で、いつもと違う新人のサーバーを自分達のテーブルにつけられると、あからさまにイヤがる客がいるくらいである。

その点から見ても、NOBUのように常に昔からのスタッフがいる、ということは、サービスが一定しているのはもちろんのこと、お客に安心感を与える、という点で非常に大きなアドバンテージがあるのだ。

そして、新人のサーバーが入ったとしても、古いスタッフが多いので、同じサービスを指導していくことが可能である。

さて、NOBUの人気の秘訣が、サービスの一貫性が要因の一つであることは明らかなのだが、なぜNOBUのスタッフが動かないのか、については実際にあそこの内部事情を知らないと分からないかもしれない。

NOBUの特徴は、日本の体育会系のノリ、というか、「Hierarhcy」がしっかりしていて、そのような環境の中で働いていると、「グループ意識」が非常に高くなる。誰にでも経験があるかもしれないが、サークルやクラブ活動をしていると、そのグループの中に「属する」ことへの気持ちよさ、という感覚。そのような感覚がNOBUで働いていると起こるのではないか、と想像する。

つまり、NOBUはそのような環境を始めから作ってきたわけである。おそらくそれは、ノブ松久のカリスマ的存在がそうさせたのかもしれないし、またNOBUのマネジメント自体(Myriad Restaurant Group)が、そのような体質であったのかもしれない。いずれにしろ、仕事環境としては、一旦その独特な体質に肌が合ってしまうと、それが居心地の良いものになり、それ以外の環境で働くと、グループから外れた感覚で不安になるのだろう。NOBUに出戻りのスタッフが非常に多いのが、それを物語っていると思う。

そして、スタッフが辞めないもう一つの大きな理由は、当然「お金」である。仕事量に見合った報酬が与えられることは、従業員のモチベーションにつながるのは当然である。

一貫性のあるサービスと味で、チェーン展開において成功しているのは、NOBUだから可能なのである。どれだけ有名なレストランでも、NOBUほどスタッフが動かない店は見たことがない。

コメント(6)

そう、さっきも話した通り!すごいよねー
チップ払いたくないような店が多い中で、NOBUのサービスは日本人のツボを刺激します。一線のウェイターに常に後ろから目を光らせる先輩役がいたりして緊張感がありました。例えば先日行ったNOBU57。女4人連れのわたしたちに隣席の酔った白人が寄ってきて延々と話しかけてきたとき、合間に近寄ってきたウェイターが「失礼いたしました。席を換えましょう」とささっと手招きし、その先にはすでに新しい席が用意されていた。料理は一緒でも、こういう「あうん」のサービスが心地よいとリピートしたくなります。NOBUのツボ、もっと知りたい。
アイアイさん>NOBUの「ツボ」というのは、実はその内部にもあるのです。あの店の特徴である体系がかったスタッフの上下関係が、従業員の「ツボ」を刺激するのです。上下関係がはっきりしている構造とうのは、向上心を人に植え付けるのではないでしょうか。チップ制という数字での明らかな能力システムとともに、「キャプテン」と言った明確なランク付けなど、たかがバイト感覚で入ったスタッフに、金銭面とポジションにおいて「昇格」を与えるシステムができています(他の店と違ってチップ率は、先輩達の厳しい判断によって決められる)。それはスタッフにとって大きなモチベーションとなります。そして共通の目標を持ったスタッフ同士には、常に仲間意識が育ちます。(ちょっと宗教がかったくらいの店へのプライドも含め。)それが、NOBUのDriving Forceのような気がします。
なるほど、あのキレイなお姉ちゃんたちもメキシカンたちも、上下関係にモチべートされてがんばってるんだと思うとうれしくなりました。日本でバイト→店員ってよくあるパターン(吉牛の社長がそうですよね)だけどこちらでもあるんですね。
寿司と天ぷらはフツーのNOBUだけど、それ以外のメニューに好きなものがいくつかあるんです。また行こうっと。
アイアイさん>古いコメントに返事をするのもおかしいのですが、コメントさせていただきます。

NOBUで、寿司や天ぷらやテリヤキを食べて帰ったとしたら「NOBUなんて全然すごくないじゃん!普通だよ。高いし・・・。」と言うことになります。NOBUに行って食べるべき料理は、Signature dishes(名物料理)です。そして、日本人だったら「おまかせ」は避けるべき。「おまかせ」の大半が、名物料理でないもので構成されているから。(あれ?これはどっかに書いたかな?)

お勧めなNOBUを楽しむ方法は、4人くらいで行き、名物料理をいくつも頼んでシェアすることです。値段も高くならないし、NOBUでしか食べれないものを色々楽しめますから。寿司はNO-NOです。最後に軽くつまむくらいが宜しいかと思います。
>春さん
そうそう、NOBUに行ったと言うと「あんな寿司天ぷらにわざわざ!?」と驚かれるんだけど、名物料理はアメリカ和食ならではという感じ。あと、バンブー酒。あー安心しました!

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