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Raymond Carverコミュのabout 「Where I'm Calling from」

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コメント(2)

「僕が電話をかけている場所」って、素敵なタイトルですよね。

その主人公は、どういう境遇で、どんなところにいて、何を思っているんだろう?その場所から、誰に対して、何を語ろうとしているんだろう?私は小説を読み始める前に、色々想像しました。
最初に読んだときは、ちょっと肩透かしをくらった感じだったんですが、今では、タイトルと内容がとてもしっくりしています。

私は、JPが煙突掃除の女の子と出会うシーンが好きです。
それから、施設に彼女がやってきて、JPの頬にキスするシーンが好きです。
いつも自分を幸せにしてくれる相手ではないかもしれない、これからだって何をしでかすか分からない、でも顔を見ると、触れずにはいられない、愛さずにはいられない。そういう愛もいいなあ、、、と、この話を読むと思います。
すったもんだあった挙句の果てにたどり着いた『僕が電話をかけている場所』、小説の中の僕は意を決して妻に電話をかける。

自分の妻に電話をかける前にいろいろと考えなければその行動に踏み切れない事情がある、という身の上を小説の中の僕は抱えて生きている。妻が電話口に出たら「やあ、シュガー」と言おう、と僕は思う。そして「僕だよ」と続ける。そのあとは何とかなるのではないかと思っている。またはそうでも思わないと電話をかけることができない。

だが、現実では電話口に妻が出たとしたら「ところで、どこから電話をかけているの?」と聞かれることだろう。男はそこで今自分がいる場所を再認識せざるを得なくなる。『僕が電話をかけている場所』はここだ、ということに。そしてここに来るまで自分の身にどういうことがあったのかを強制的に思い起こされることになるだろう。

タイトルにはそういったニュアンスが含まれていると思います。

JPの話には強く惹きこまれるものがありました。そして、JPの話を聞いている僕の身の上にも。

 JPは話すのをやめる。じっと黙り込む。おい、どうしたんだい?僕はちゃんと話を聞いてるんだぜ。ひとつには、彼の話は僕をリラックスさせてくれるのだ。つまり彼の話を聞いている限り、自分のことを考えずに済むのだ。
−『僕が電話をかけている場所』(村上春樹訳)より


この小説にはジャック・ロンドンの名前が出てきます。そして『焚き火』という小説のことも。(『極北の地にて』内に収録 新樹社)
おそらく、村上春樹さんはカーヴァーのこの小説で『焚き火』のことを知り、読んでみたのだと思います。
そして後に村上さん自身もジャック・ロンドンの『焚き火』が出てくる小説を書かれました。
『神の子どもたちはみな踊る』(新潮社)の中の『アイロンのある風景』がそうです。

2007年08月06日[mixi] 焚き火
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=522064872&owner_id=2889894

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