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UA「情熱」
挿れた瞬間が好き。
いきりたったモノの先端が、蜜で潤み柔らかい抵抗感を伴った内壁を押し拡げるように埋め込まれた瞬間が好き。
先端の一番太い部分…海綿体で包まれた敏感で繊細な神経の集合体に、ザラザラとした突起で覆われた内壁が吸い付く感触は、絶頂を放出する瞬間に次いで僕に悦びを与えてくれる。
敢えて一気に侵入せずに、一旦ここでその感触を味わうことで精神的にも悦楽を得られる。
それはまさしく「征服感」と呼べる代物で、身体を開いて僕を受け入れてくれる女性の心を、この瞬間自由に出来たかのように感じる…。
一番神聖で一番卑猥な女性の砦…それを晒し、委ね、自らの体内へ導き、共に悦びを貪る為に…繋がり、求め合う…。そんなパートナーがこの瞬間愛しく感じない訳がない。
そもそも、女性の体内に自分自身を「突き挿れる」…しかも何度も、何度も激しく深く…この「責める」感覚が男のエゴイズムを刺激して止まない。
「突きまくる」ことで官能に溺れる女性の発する切なげな喘ぎや息遣い…、快楽に歪む表情や震える肉体…、湧き出る泉が放つ悦楽の女臭…汗ばむ肌…
目も耳も鼻も皮膚も全ての神経と感覚が愛するパートナーの悦びを味わい堪能できる。
もちろん、僕自身の生殖器官もその抽送によって快楽を貪るのだけれど、この時点では未だ冷静な部分も残っていて、この至福の時間をより長く深く愉しむ為にシュミレートする余裕もある…。
人間の肉体快楽でこれ以上のものは無い訳で、若い頃と違って数をこなす願望よりも、一度一度の愛の交歓をゆっくり堪能したいと感ずる。
それ故、その悦びを正にこれから迎えようとする、この「挿れた瞬間」は天国の扉を押し開いた瞬間で、目の前に広がる桃源郷を眺めるようでゾクゾクする悦楽の始まりに心躍らせる瞬間。
一気に走りだしたい気持ちを抑え、暫く美しい光景を眺め浸りたい。
時間をかけた前戯の間、寄せ続ける波が少しづつ砂浜を濡らすように、徐々に昂ぶる快楽のうねり…
この舌と指先と唇と歯…あらゆる触覚部位を使い、女性を焦らし誘う過程を愛して止まない僕は、性行為の大半の時間を前戯に費やす。出来ることなら何時間でもその愛しい肌と戯れていたいくらいだし、花弁や花芯を舌で愛撫し続けることに飽きることはないのだけれど、やはりこの挿入する悦びは言葉で例えようがない。
そして、この挿れた瞬間の感覚は、人にそれぞれ指紋があるように、その女性なりの肉感がある。
温かさ、締め付ける圧迫感、吸い付く襞の厚み、愛の泉の粘度、軌道の角度…
善し悪しでは無く、個性であり、個人差として鋭敏な男の海綿皮質に固有の感触を与えてくれる。
故に、繰り返し愛を交わした女性のそれは皮膚感覚で記憶に刻まれていく。
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椎名林檎「本能」
彼女を初めて抱いたのは予想もしない突然の事だった。
携帯電話の無い時代だったから、その夜偶然にアパートにいたからこそ、その訪問を受けることが出来た。
当時、僕は京王線のつつじヶ丘という所で１人暮らしをしていた。
仕事を終えて、大抵の夜は、新宿三丁目辺りで夕食を兼ねて酒を飲んで帰宅するのが常だった。
その日は、朝気紛れで車で仕事に行き、その為飲まずに真っ直ぐアパートに帰ってきたのだった。
家に着いて１０分も経たない頃、電話が鳴った。
「尚美です。分かりますか？今、新宿駅にいます。今夜会えませんか？」
尚美は、僕の部下の彼女として何度か会っていた。
僕は大学入学と同時に新宿西口の珈琲専門店でアルバイトを始めた。新宿と高田馬場に３店舗あったチェーン店で、１年で学校を辞めた後、このグループに就職した。
この頃は23歳で新宿西口の１軒の店長をしていた。
その年に新人社員として入社し僕の店に配属されたのが、尚美の交際相手だった。確か、彼が19歳で尚美は２歳年上の姉さん彼女だった。
夜までシフトが一緒になった晩は、時々彼も飲みに連れて行った。
週末には閉店前に尚美が来店する時があり、そんな日は彼女も同席するようになった。
短大を卒業してアパレルに就職ていた尚美は、年下の恋人の世話をやきながら、いつも静かに微笑んでいるような娘だった。
美人というわけではなかったけど、細身で笑顔が可愛いく、肌の白さが魅力的だった。
尚美の彼、僕の部下は酒が好きな割にとても弱く、飲むとよく喋るけど、突然呂律が怪しくなり、その後ウトウト寝てしまうことがままあった。そんな時は１時間くらい寝かせて、その間尚美と２人で話すようになった。
部下の彼女を横取りしようなんて気は全くなかったが、からかい半分で手を握ったことも何度かあった。
そんな時期が半年くらい過ごした後、新店舗がオープンし彼は移動になり、３人で飲む機会はなくなった。
そして数ヶ月が経ち、彼は退社した。
人の出入りが激しい職種でもあり、僕も特に気にすることもなく、改めて尚美のことを思い出すこともなかった。
そしてまた数ヶ月が過ぎてその日になった…。
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Cocco「強く儚い者たち」
取り敢えず、つつじヶ丘の駅のロータリーで待ち合わせをした。
僕はサッとシャワーを浴びて着替え、車で迎えにいくことにした。
歩いても10分ほどだったが、食事も済ましていないので、車で拾ってファミレスにでも行こうと思っていた。時間も夜10時を回り、２時間もしないうちに終電もなくなるはずだったから、話をするなら、車で送る方が都合がいいと思った。
北口ロータリーに着いた時、尚美は丁度改札を出たところだった。
半年以上会っていなかったけれど、助手席に乗ってきた笑顔の尚美を見た瞬間、嬉しさを感じてしまったのには自分でも意外だった。
白地のニットミニスカートが良く似合っていた。
挨拶もそこそこに近くのデニーズの駐車場に車を入れた。
食事の間、尚美は特に何かを語りだすのでもなく、僕は日常や趣味、学生時代の思い出話などを冗談混じりで話しながら、彼女が会いに来た理由を話すのを待った。
途中で尚美が「お酒を飲みたい」と言いだし、ビールを２つ注文した。
僕は乾杯だけをして、口を付けずにいた。
尚美は「近くなんでしょ？グラス一杯くらい大丈夫だよ。飲んだら？」と言った。
僕はそれでもビールを飲まずに「ところで、今日はどうしたの？久しぶりに逢えて嬉しいけど、何かあったの？」と聞いてみた。
時間は11時半になろうしていた。もう終電まで30分ほどしか残っていなかった。車で家まで送らなければいけなくなり、いよいよビールを飲んでしまうわけにはいかなかった。
尚美は意味ありげに微笑みながら「ううん、何もないよ。ただ会いに来たかっただけ。彼と別れてもう３ヶ月経つし、会うなら今しかないかなって。」
そう言われて嬉しくない、という男はいない。
僕もそれは同じだった。
実際、もっと時間が経てば、思い出したとしても、会うのは難しかったかもしれない。
お互い状況も変わるし、住所や電話だって変わるかもしれない…。
そんな気持ちを聞いて素直に嬉しかったし、同時に尚美が近く感じられた。
彼女がもう一度言った。「ビール飲みなよ。一緒に飲もう。」
僕は「車だし、飲んだら家まで送っていけなくなるよ？」…。
尚美は「今夜、帰らなくていい。泊めてくれない？」そう言ってまた微笑んだ。
僕は返事の代わりにグラスをカチンと合わせ、半分ほど一気にビールを飲んだ…。
時間は12時を回り、終電も無くなっていた。
駐車場で車に乗り、初めてKISSをした。
尚美が助手席に座り、頭を僕の肩に預けてきた時、僕が首を動かし肩を抱き、唇を合わせた。軽い口づけの後、一瞬見つめ合い、尚美が唇を緩めたので今度は舌を差し挿れ熱く求めた。
彼女の手が僕の太腿に置かれた。
その感触で僕の股関は一気に熱く激しく昂ぶった。
KISSを終えた時、２人は同時に照れ笑いを浮かべ、今から始まる濃密な夜への期待で心臓が高鳴った。
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Superfly「愛をくらえ」
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UA「情熱」
挿れた瞬間が好き。
いきりたったモノの先端が、蜜で潤み柔らかい抵抗感を伴った内壁を押し拡げるように埋め込まれた瞬間が好き。
先端の一番太い部分…海綿体で包まれた敏感で繊細な神経の集合体に、ザラザラとした突起で覆われた内壁が吸い付く感触は、絶頂を放出する瞬間に次いで僕に悦びを与えてくれる。
敢えて一気に侵入せずに、一旦ここでその感触を味わうことで精神的にも悦楽を得られる。
それはまさしく「征服感」と呼べる代物で、身体を開いて僕を受け入れてくれる女性の心を、この瞬間自由に出来たかのように感じる…。
一番神聖で一番卑猥な女性の砦…それを晒し、委ね、自らの体内へ導き、共に悦びを貪る為に…繋がり、求め合う…。そんなパートナーがこの瞬間愛しく感じない訳がない。
そもそも、女性の体内に自分自身を「突き挿れる」…しかも何度も、何度も激しく深く…この「責める」感覚が男のエゴイズムを刺激して止まない。
「突きまくる」ことで官能に溺れる女性の発する切なげな喘ぎや息遣い…、快楽に歪む表情や震える肉体…、湧き出る泉が放つ悦楽の女臭…汗ばむ肌…
目も耳も鼻も皮膚も全ての神経と感覚が愛するパートナーの悦びを味わい堪能できる。
もちろん、僕自身の生殖器官もその抽送によって快楽を貪るのだけれど、この時点では未だ冷静な部分も残っていて、この至福の時間をより長く深く愉しむ為にシュミレートする余裕もある…。
人間の肉体快楽でこれ以上のものは無い訳で、若い頃と違って数をこなす願望よりも、一度一度の愛の交歓をゆっくり堪能したいと感ずる。
それ故、その悦びを正にこれから迎えようとする、この「挿れた瞬間」は天国の扉を押し開いた瞬間で、目の前に広がる桃源郷を眺めるようでゾクゾクする悦楽の始まりに心躍らせる瞬間。
一気に走りだしたい気持ちを抑え、暫く美しい光景を眺め浸りたい。
時間をかけた前戯の間、寄せ続ける波が少しづつ砂浜を濡らすように、徐々に昂ぶる快楽のうねり…
この舌と指先と唇と歯…あらゆる触覚部位を使い、女性を焦らし誘う過程を愛して止まない僕は、性行為の大半の時間を前戯に費やす。出来ることなら何時間でもその愛しい肌と戯れていたいくらいだし、花弁や花芯を舌で愛撫し続けることに飽きることはないのだけれど、やはりこの挿入する悦びは言葉で例えようがない。
そして、この挿れた瞬間の感覚は、人にそれぞれ指紋があるように、その女性なりの肉感がある。
温かさ、締め付ける圧迫感、吸い付く襞の厚み、愛の泉の粘度、軌道の角度…
善し悪しでは無く、個性であり、個人差として鋭敏な男の海綿皮質に固有の感触を与えてくれる。
故に、繰り返し愛を交わした女性のそれは皮膚感覚で記憶に刻まれていく。
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椎名林檎「本能」
彼女を初めて抱いたのは予想もしない突然の事だった。
携帯電話の無い時代だったから、その夜偶然にアパートにいたからこそ、その訪問を受けることが出来た。
当時、僕は京王線のつつじヶ丘という所で１人暮らしをしていた。
仕事を終えて、大抵の夜は、新宿三丁目辺りで夕食を兼ねて酒を飲んで帰宅するのが常だった。
その日は、朝気紛れで車で仕事に行き、その為飲まずに真っ直ぐアパートに帰ってきたのだった。
家に着いて１０分も経たない頃、電話が鳴った。
「尚美です。分かりますか？今、新宿駅にいます。今夜会えませんか？」
尚美は、僕の部下の彼女として何度か会っていた。
僕は大学入学と同時に新宿西口の珈琲専門店でアルバイトを始めた。新宿と高田馬場に３店舗あったチェーン店で、１年で学校を辞めた後、このグループに就職した。
この頃は23歳で新宿西口の１軒の店長をしていた。
その年に新人社員として入社し僕の店に配属されたのが、尚美の交際相手だった。確か、彼が19歳で尚美は２歳年上の姉さん彼女だった。
夜までシフトが一緒になった晩は、時々彼も飲みに連れて行った。
週末には閉店前に尚美が来店する時があり、そんな日は彼女も同席するようになった。
短大を卒業してアパレルに就職ていた尚美は、年下の恋人の世話をやきながら、いつも静かに微笑んでいるような娘だった。
美人というわけではなかったけど、細身で笑顔が可愛いく、肌の白さが魅力的だった。
尚美の彼、僕の部下は酒が好きな割にとても弱く、飲むとよく喋るけど、突然呂律が怪しくなり、その後ウトウト寝てしまうことがままあった。そんな時は１時間くらい寝かせて、その間尚美と２人で話すようになった。
部下の彼女を横取りしようなんて気は全くなかったが、からかい半分で手を握ったことも何度かあった。
そんな時期が半年くらい過ごした後、新店舗がオープンし彼は移動になり、３人で飲む機会はなくなった。
そして数ヶ月が経ち、彼は退社した。
人の出入りが激しい職種でもあり、僕も特に気にすることもなく、改めて尚美のことを思い出すこともなかった。
そしてまた数ヶ月が過ぎてその日になった…。
http://
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http://
Cocco「強く儚い者たち」
取り敢えず、つつじヶ丘の駅のロータリーで待ち合わせをした。
僕はサッとシャワーを浴びて着替え、車で迎えにいくことにした。
歩いても10分ほどだったが、食事も済ましていないので、車で拾ってファミレスにでも行こうと思っていた。時間も夜10時を回り、２時間もしないうちに終電もなくなるはずだったから、話をするなら、車で送る方が都合がいいと思った。
北口ロータリーに着いた時、尚美は丁度改札を出たところだった。
半年以上会っていなかったけれど、助手席に乗ってきた笑顔の尚美を見た瞬間、嬉しさを感じてしまったのには自分でも意外だった。
白地のニットミニスカートが良く似合っていた。
挨拶もそこそこに近くのデニーズの駐車場に車を入れた。
食事の間、尚美は特に何かを語りだすのでもなく、僕は日常や趣味、学生時代の思い出話などを冗談混じりで話しながら、彼女が会いに来た理由を話すのを待った。
途中で尚美が「お酒を飲みたい」と言いだし、ビールを２つ注文した。
僕は乾杯だけをして、口を付けずにいた。
尚美は「近くなんでしょ？グラス一杯くらい大丈夫だよ。飲んだら？」と言った。
僕はそれでもビールを飲まずに「ところで、今日はどうしたの？久しぶりに逢えて嬉しいけど、何かあったの？」と聞いてみた。
時間は11時半になろうしていた。もう終電まで30分ほどしか残っていなかった。車で家まで送らなければいけなくなり、いよいよビールを飲んでしまうわけにはいかなかった。
尚美は意味ありげに微笑みながら「ううん、何もないよ。ただ会いに来たかっただけ。彼と別れてもう３ヶ月経つし、会うなら今しかないかなって。」
そう言われて嬉しくない、という男はいない。
僕もそれは同じだった。
実際、もっと時間が経てば、思い出したとしても、会うのは難しかったかもしれない。
お互い状況も変わるし、住所や電話だって変わるかもしれない…。
そんな気持ちを聞いて素直に嬉しかったし、同時に尚美が近く感じられた。
彼女がもう一度言った。「ビール飲みなよ。一緒に飲もう。」
僕は「車だし、飲んだら家まで送っていけなくなるよ？」…。
尚美は「今夜、帰らなくていい。泊めてくれない？」そう言ってまた微笑んだ。
僕は返事の代わりにグラスをカチンと合わせ、半分ほど一気にビールを飲んだ…。
時間は12時を回り、終電も無くなっていた。
駐車場で車に乗り、初めてKISSをした。
尚美が助手席に座り、頭を僕の肩に預けてきた時、僕が首を動かし肩を抱き、唇を合わせた。軽い口づけの後、一瞬見つめ合い、尚美が唇を緩めたので今度は舌を差し挿れ熱く求めた。
彼女の手が僕の太腿に置かれた。
その感触で僕の股関は一気に熱く激しく昂ぶった。
KISSを終えた時、２人は同時に照れ笑いを浮かべ、今から始まる濃密な夜への期待で心臓が高鳴った。
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