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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第94回 課題本は山本周五郎の「五瓣の椿」でした。

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・時代劇は苦手で面白くなさそうだと思ったが、一気に読めた。

・あらすじを一言でいうと、娘が復讐のためかんざして男を次々と刺してげえげえ吐く話。

・東洋のベニスといわれた江戸市中の街並みの描写が風情があり美しい。日本橋、京橋など今でも残る街の名前がたくさんでてくる。

・登場人物のセリフが美しい。悪者も言葉遣いは品が良い。

・この作品の良さがわからない。自分を棄てた男たちへの復讐ならわかるが、母が関係した男たちを殺す理由が良くわからない。不自然な内容。

・現代に例えると母がいれあげたホストたちを娘が殺すといったことだが、ただ迷惑なだけ。

・おしのは異常な性格がゆえに連続殺人鬼になったというのならわかる。

・おしのは「自分は処女だった」ことを主張したいようだが、だから何なのだ。

・おしのは殺すたびに乳首が固くなり性的快楽を得ていたような描写がある。それもよくわからない。母と同じ性欲が強い女といいたいのか。

・殺された男たちは別に悪い人間ではない。佐吉はとても普通の人間。むしろいい奴。

・海野得石が一番嫌い。

・18歳くらいの乙女が「こんなこと許せない、お母さんや男たち許せない」と激高したら何でもやり遂げる。乙女の潔癖のもつパワーを物語にした作者の着眼点がすばらしい。

・母おそのとおしののやりとりが見事。性欲を満たさない夫への不満を露わにする母と母の欺瞞と淫蕩を指摘する娘。その母の血が自分に流れていることの嫌悪の描写が良い。

・歌舞伎の女形から手練手管を教わるおしの。何だかんだいって芝居好きなのか。

・蘭方医が死体を女のものだと検分した。江戸時代でそのような知識があったことに驚いた。

・与力の青木や下女のおまさなど、おしのの理解者はいる。おしのは孤独ではないが、父のそばにいきたがっている。

・おしのは悪を許せない。その傲慢を最後に認めている。その人の罪は誰かが裁くのではなく自分自身で償うものだと言っている。キリスト教的である。

・昭和の女優が山本周五郎作品を演じたがった。おしのには品と色気と凄味がある。岩下志麻や大原麗子はぴったりはまっていた。

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