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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第67回 課題本はアルベール・カミュの「異邦人」でした。

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大雨の夜。女性1名、男性3名でフランスが生んだノーベル賞作家の代表作について
熱くゆる〜く語りました。
                              *

・きょう、ママンが死んだ。の冒頭は有名。母とせずママンとしたのはどういう意図だろう。

・ママンは、キリスト教的な規範を意味するのだろうか。

・ヴィスコンティが映画化して、マルチェロ・マストロヤンニがムルソーを淡々と演じている。

・ムルソーは、人生への参加意識がとても希薄。宗教意識も希薄。日本人に似ている。

・ムルソーは喪服をもっていない。養老院の院長は勲章をつけている。相容れない価値観の対比が明らか。こういう小ネタがいろいろあり裁判シーンへの伏線となっている。

・主人公の気持ちがわかる。疲労感がたまると正常な判断はできなくなり、発砲したのではないか。そのことを合理的には説明できない。太陽のせいと言うしかない。

・凶暴な人格ではないのに5発発砲したことを深く考察する気が誰にもないのか、簡単に死刑の判決がおりている。

・第一部と第二部ががらっと場面が変わる。自分の裁判でも他人事のようなムルソー。マリィがかわいそう。

・母の葬式後、海水浴は日本人でも普通はしないが、彼にとって海は日常的なもので、母の死後も食事を摂るように泳いだだけではないだろうか。

・肉体関係のある女性に結婚する気はないよと、日本人はあまりはっきりとは言わない。フランス人も言わないだろう。マリィはそういう彼が好きでもあり、いつか嫌いになるかもと返答している。

・「それはどうでもいいことだと思った」「大して意味はない」という言葉が要所にでてくる。
ムルソーは出来事に序列をつけず、すべてを等価値にしてしまう。

・ムルソーは、将来への目標を抱かず刹那的。出世欲や金銭欲や向上心もない。学業を放棄せざるを得ないときからこうなったと言うが、異邦人であることと関係があるのだろうか。

・物語の舞台はフランスではなくて、アルジェリア。当時のアルジェリアのフランス人は異邦人。アラブ人を差別しながらも本国のフランス人からは疎外されていた。

・当時のフランスはドイツの占領下にあり、ナチスへの迎合的従属的な世相であったが、カミュはいち早く違和感を感じていた。

・海が身近にあって、自然児であり地中海人だったカミュ。アルジェリアの貧しい庶民の下町気質を愛していた。レストランやアパートの住民との交流は温かく描いている。

・司祭とのやりとりのあと、神を超えた希望に到達する主人公の心情を丹念に描いている。死の前の解放と幸福を描き、「実存」を表現しているようだ。

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