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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第97回 課題本は遠藤 周作の「海と毒薬」でした。

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・現代でも空気に流されて、良くないことを行い後悔することがある。良心に従いやりたくないことはやらないという勇気をもつ人はどれだけいるだろうか。

・戦争中は、人を助ける医師や病院内にもかかわらず命の価値が低いことに驚かされる。捕虜の命も軽く扱われているが、日本人全体の命の価値も軽く扱われている。

・名士の患者が特別待遇を受けているのに、簡単なはずの手術で死ぬのが皮肉である。

・遠藤周作は大病を何度も患っているため、病院や医療について詳しい。医師たちにあまり良い印象がないのだろうか。良い医師が登場しない。

・病院内の人間関係や政治力に人体解剖が都合よく利用されている。現代の医療ドラマにも院内の学閥やポスト争いはよくある設定である。

・人体解剖して医学的に知りたいことがあるようだが、そこまでして知る必要があるのか、解剖する事実が必要だったのかがよくわからない。少しは医学の進歩に役立ったのだろうか。

・戦争に勝ったら、この出来事も罪に問われなかったのだろう。

・主人公の勝呂医師は、上からの指示と医師としての良心の間で葛藤するが、強い反対もしない。人間としての勝呂医師の感情や意志がよくわからない。

・上田看護師の苦労話や同僚の戸田医師の狡猾さなどが物語を黒く彩っている。

・橋本教授の妻を西洋人に設定して、高潔な人物として描いている。事件発覚後、夫が人体解剖をしたこと、自殺したことについて彼女は苦悩したに違いない。

・日本人にとって神とは何か、罪とは何かを作者はテーマにしている。日本は世間を神のようにとらえて、人目や空気を恐れている。仲間外れに遭うと生きていけない本能的恐怖があるのではないか。

・勝呂は世捨て人のように生きている。自分を罰しているようだ。そうしながら、最後まで医師としての職務をまっとうしよう決意しているようにも感じる。

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