ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

架空図書室 それいゆ文庫コミュの第31回 課題本はレイモン・ラディゲの「肉体の悪魔」でした。

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
大雨が降ったりやんだりの夜、女性2名、男性1名で100年前のフランスの早熟な少年の恋物語について
熱くゆるく語りました。


                                 *


・フランスは恋愛大国だと言われるが、100年前の戦時下において、こういう不倫は少なかっただろ
 う。当時の読者にとっては、とても衝撃的だったに違いない。

・昔読んだときは、恐ろしい少年が引き起こす「サイコパス小説」のような印象を受けたが、今回じっくり
 読むと、短い期間でお互いが不器用に愛し合った男女の物語だと感じられた。

・寛大すぎる父親と息子の関係が不思議である。フランスの父と息子はこんな感じなのだろうか。

・主人公の少年が、自分の心情と行動をひたすら語り続けていくが、誰に向かって語っているのだろう。

・大人っぽいけど、10代の少年らしいところもある。マルトを好きになっているわけじゃないぞ、
 と自分自身に言い聞かせているところが、背伸びしている感じがする。

・この時代は、男女共学でもなく異性が身近にいないため、出会ったらすぐに好きになるようだ。

・マルトが誘惑している感じもする。マルトは寂しかったのか、親のいいなりになる自分がつらかったの
 たのか、彼女の心情はあまり描かれていない。

・何も知らないジャックは可哀想だが、彼もマルトにさほどの情熱はないように思う。

・この少年は、マルトの友だちを誘惑してずるい言い訳を思いついたり、頭脳派の悪者でかつ女好き。
 火野正平のような、女性たちから悪くいわれないプレイボーイタイプではなさそう。

・マルトの死後もプレイボーイとして生きるだろうが、恨みもかいそうである。

・この二人は無事に結婚しても、あまりうまくいかないだろう。マルトは年上である自分を気にしているし、少年はモテモテだろうし。

・戦争と人妻と暇な少年、と緊張した時代ならではの設定で、悲恋にひたひたと向かっていく感じが
 美しい。

・夫の不在中の妻が不倫する物語は珍しくはないが、この作品はお互いを利用して遊んでいるのではなく、お互いの中に自分の姿を見い出して、一緒に生きようとしているように感じる。






                                  *






三島 由紀夫はラディゲが大好きで大きな影響を受けたそうです。

もう一つの最高傑作「ドルジェル伯の舞踏会」も合わせて読んでみたいです。こちらは伯爵夫人と青年がお互いを好きになり、伯爵夫人は、なんと青年の母親に苦しい心情を告白して、夫にも告白して・・・・。といったあらすじです。

それにしても「肉体の悪魔」というタイトル、どきっとしてでも考えさせられる見事なタイトルですね。

快楽が悪魔なのか、嫉妬が悪魔なのか。それに引きづられて深みはまっていく男女を描いているかのようですが、この作品が100年も読み継がれていることを思うと、それだけを描いているのではなさそう・・・。

簡単に答えはでませんが、今後も読み継がれていくことは間違いないです。


  
 
 

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

架空図書室 それいゆ文庫 更新情報

架空図書室 それいゆ文庫のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング