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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第29回 課題本は芥川龍之介の「蜘蛛の糸・杜子春」でした。

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芥川賞発表日の夜、偶然芥川龍之介の作品を選んだこの読書会。
女性3名、男性4名で熱く語り合いました。


                          *

・仏教の素養がないと、ピンとこないかもしれない。

・小説というよりも、法話集のように感じる。

・児童向けの作品集のためかすらすら読める。それでいて、何かがずっしり残る。

・その場の情景がくっきり浮かび上がる。映像化できそう。

・文章の切れがすごい。どこをとっても、完璧。

・「蜜柑」は一読すると「いっぱいのかけそば」を思い出させた。朗読すると美しい情景を感じる。

・「ぼんやりとした不安」が芥川のテーマのようだ。ぼんやりとした不安のため死を選んだのだろうか。
「トロッコ」の主人公の不安感、心細さがそのまま芥川の心情のようだ。

・全体的に暗い印象を受ける。芥川の最期を予想させる。芥川の息子さんたちは、明るい気質のようだ。

・又吉氏が受賞した。芥川と太宰が大好きらしい。世の中に読書好きが増えてほしいと願っていることが伝わる受賞だと思う。

・芥川の教養がとても高い。またその時代でしかわからない背景が折り込まれているので、本当の意味で理解することはできないだろう。

・自分だったら、目の前に蜘蛛の糸が垂れ下がったときどうするだろうか。皆で助かろうとしないだろうか。意外にも糸の存在に気が付かないかもしれない。

・親鸞の悪人正機説、悪人こそ救われるという考えを思い出させる作品である。

・杜子春の時代では、仙人になるという発想は普通にあるようだ。仙人は普通の人間が修行してなれるもののようだ。

・無知な若者が母の愛にふれて改心するあらすじに、芥川の母親への思いを感じる。

・新しい西洋の小説の手法に古い中国の民話を組み込み、見事な作品に仕上げる才能が本当に見事。

・キリスト教の影響と仏教の影響を受けながら、人間を描く手腕が素晴らしい。

・短編の名手だが、長編を書かないことに理由があったのだろうか。

・作品の多くが「勧善懲悪」的なあらすじである。日本の児童に立派に育ってほしいと願っていた芥川の気持ちを感じる。

・「猿蟹合戦」は異質な作品だが、当時の軍国的気運に流されていく庶民に警告を発した作品のようだ。当時の状況が分からないと理解が難しい。

・人間の正解のなさ、善悪を基準にして行動のとりにくさ、運命的なものに対してのどうしようもなさをひたひたと感じる作品群である。


                            *


日本の3大文豪といえば、夏目漱石、谷崎潤一郎、そして芥川龍之介。

この中でも一般的に愛読されているのは、芥川ではないでしょうか。

文体の切れ味、わかりやすさ、古典に現代性をくみこんで人間を描く手腕によって、

いつの時代にも受け入れられる作品を誕生させています。

もっともっと日本人は名作に親しんだほうがよい、そう感じさせる一冊です。



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