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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第24回 課題本は向田邦子作「思い出トランプ」です。

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寒さの中に、どことなく春の息吹を感じる夜、女性2名、男性4名で、
昭和の香りが漂う名著について、あつくゆるく語りました。


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・読んでいて、男性のスケールの小ささに滅入ってしまった。

・13編のうち10編が男性主人公である。女性の描写は容姿から服装や性格まで描かれているが、男性の描写が少ない。男性目線からみた女を描きたかったのだろうか。

・同じような人物が繰り返しでてくる。身近にモデルがいそう。

・男性のイメージが「杉浦直樹」。石原裕次郎や田村正和ではない。一応は二枚目なのだが、彼らに好きな女性をとられていじいじしている感じ。

・ネットがない時代のせいか、のんびりと男女の心情を練り合わせる雰囲気が良い。

・登場人物がどこか自分に似ていて、周囲の誰かにも似ている。

・作品にいくつも「愛人」がでてくる。女性が就ける職業が少ない時代、愛人という仕事が成立していたことを感じる。

・「だらだら坂」の宅次は、愛人があか抜けて遠い存在になっていくことに「自立」を感じて、ほっとしたのだろうか。

・「父と息子」ものがいくつかある。作者にとって、母親より「父親の呪縛」が大きいのかもしれない。「娘と父」として描いていないのはなぜだろう。

・この作品の男性たちは思い込みが強い。自分の思い込みの中でストーリを展開させて、視野を狭めている。

・脚本家出身のせいか、場面が情景となって目に浮かぶ。あの女優がはまりそう、などとドラマを観ているような印象をうける。

・「かわうそ」の厚子は、包丁をもった夫をみて、一瞬自分への殺意を感じたのではないか。それを見事に切り返している。しかし、本当に握れるようになったのだと感じたのだろうか。そんな気もする。

・13編の中で、まったく印象に残らない作品もある。自分の関心の度合いのせいか、作者の力の入れ具合のせいなのか。

・ずるくて嫌な男たちがでてくる。特に「酸っぱい家族」の久鬼本がいや。

・「大根の月」を読むと、姑と同居の厄介さ、息子の健気さ、母一人息子一人の苦労など、昭和的な家族のすべてが織り込まれて、何とも見事。

・芝居っ気のある男性がでてくる。「ダウト」のノブちゃんのような男性はその場は女性の人気をさらうが、本気で好きにはなれないタイプ。

・「男眉」は、作者自身のことを書いたのだろうか。妹的な印象はのひとではない。



                             *



作品を読むと、この作者はどういう人なのだろうと、関心が湧く作家とそうでない作家がいます。
向田邦子は、もちろん前者。作者自身について書かれた本が何作も出版されています。
そのライフスタイルまで大人気でした。作者の美意識や人間観が鋭く織り込まれた名作の数々。
これからも読み継がれていきそうです。

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