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架空図書室 それいゆ文庫コミュの第6回は「泣ける本」各自の涙腺を刺激した本について語りました。

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第6回「架空図書室それいゆ文庫」は課題本はお休みして、「泣いた本」を持参して各自の泣きのツボについてお話ししました。男性2名+見学1名と女性2名の参加でした。

アンデルセンの悲しい童話から始まり、小さいころから本を読んで泣くことが当たり前だった管理人。
当然、他の読書人もそうなのかと思いきや、意外や意外、みなさま「本を読んで泣いた記憶がほとんどない」というクールな方ばかり。それでも、テーマにそってひねりだしてくださいました。


                               *


・「孤高の桜」 井上佳子著 葦書房
ハンセン氏病の隔離病院に生涯隔離された患者をアナウンサーの著者が記した作品。
孤高という文字にひかれて、中学生の時に読んだ。当時部活にいじめっ子がいて、その身近ないじめ問題との関わりを読書感想文にしたところ、県で表彰された。
病気のために理不尽な差別や抑圧に遭い、生涯を苦しんだはずの患者が客観的に自分を語る感じが胸を打つ。泣いたというよりも怒りや苦しさや無力感に打ちひしがれた、印象深い作品。



・「先生の鞄」 川上弘美著 
マンガ、映画化、テレビドラマにもなった。
60代男性と30代の女性の元先生と教え子の組み合わせが新鮮である。
死を予感しながら、恋に落ちて、鞄を残して去っていく。
妥協や打算のない恋愛が切ない。
この作品は恋愛文学の古典になるのではないか。
寺尾聡と深津絵理の「博士が愛した数式」のコンビが演じるといいと思う。



・「花のレクイエム」 辻 邦夫 新潮文庫
花の名前がついた短編集で山本容子さんの綺麗な挿画が素敵。
このなかの「クレマチス」という短編が好きだ。
疎開先での少年少女の淡い恋が描かれている。
ボーイッシュな女の子の涙のシーンにじ〜んときた。
背景に戦争と思想犯の父親の存在があり、少年少女の清らかさが美しく映えている。




・「月のしずく」 浅田 次郎著
短編集。「ふくちゃんのジャックナイフ」がとても良い。
昭和30年の集団就職で上京したふくちゃん。
歌声喫茶に努めるウェイトレスがいて健気に彼に尽くしている。
ハツピーエンドだが、幸福の黄色いハンカチのような終わり方で、
感動的なエンディングに涙が溢れそうになる。



・「マザーテレサ あふれる愛」 沖 守弘著 講談社
有名になる前からマザーテレサの活動を取材してきたカメラマンの著者。
一緒に汗を流してインドで活動をしただけあり、写真には臨場感がある。
修道女たちの活動中の写真や祈りの姿を眺めているだけでも自然に涙が頬とつたってくる。
カタルシスを感じるノンフィクションである。
彼女たちの活動は立派すぎる。その立派さの根底に何があるのかを知ろう知ろうとする
カメラマンのまっすぐな気持ちが写真のいっそう輝かせている。



・「わたしの渡世日記」 高峰 秀子著 文春文庫
往年のトップスターは文才もあり数々の作品を残している。
細雪に出演したこともあり、谷崎潤一郎とも交流があった。
梅原龍三郎が描いた高峰秀子の絵が表紙になっているこの日記には
特攻隊が彼女のブロマイドを胸に死んでいったり、汚してはいけないと「日本 高峰秀子」という宛名だけで送り返したといったエピソードがちりばめられている。




・「愛と死」 武者小路実篤著 新潮文庫
大正時代の恵まれた階層のグループ交際から発展した恋愛が
女性の病死によって悲恋として終わる。
恋人が死ぬ悲劇を描いた作品は多いが、ヒロインの愛らしさや可憐さが際立っている。
洋行中にやりとりした手紙がいじらしく美しい。
打撃を受け入れて、死と生について、愛について思いをめぐらす主人公の姿に純粋な愛情が見える。


                                *


登場人物の苦しみや悲しみ、不屈の精神やが琴線にふれて、うるっとくる涙はきっと美しいにちがいないはず・・・。これからも素晴らしい本に出会って、泣いて笑って、感性を磨いていきたいな〜と思う
ひとときでした。

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