観ることが出来ない名作映画。コミュの青春の蹉跌(1974年　東宝）

★解説
野望を持って社会に挑戦した青年の、情熱、孤独感、焦燥、そして破滅に至るまでの生きるための闘いを描く。脚本は「濡れた荒野を走れ」の長谷川和彦、監督は「鍵(1974)」の神代辰巳、撮影も同作の姫由真左久がそれぞれ担当。

★スタッフ
監督：神代辰巳
脚本：長谷川和彦
原作：石川達三
製作：田中収
撮影：姫田真佐久
美術：育野重一
音楽：井上尭之
録音：原島俊男
照明：金子光男
編集：山地早智子
助監督：瀬川淑

★キャスト
出演：萩原健一（江藤賢一郎）
　　　桃井かおり（大橋登美子）
　　　檀ふみ（田中康子）
　　　河原崎建三（三宅浩一）
　　　赤座美代子（北条今日子）

★あらすじ
Ａ大学法学部に通う江藤賢一郎は、学生運動をキッパリと止め、アメリカン・フットボールの選手として活躍する一方、伯父・田中栄介の援助をうけてはいるが、大橋登美子の家庭教師をしながら小遣い銭を作っていた。やがて、賢一郎はフットボール部を退部、司法試験に専念した。登美子が短大に合格、合格祝いにと賢一郎をスキーに誘った。ゲレンデに着いた二人、まるで滑れない賢一郎を背負い滑っていく登美子。その夜、燃え上がるいろりの炎に映えて、不器用で性急な二人の抱擁が続いた。賢一郎は母の悦子と共に成城の伯父の家に招待された。晩餐の席、娘・康子と久しぶりに話をする賢一郎。第一次司法試験にパスした賢一郎が登美子とともに歩行者天国を散歩中、数人のヒッピーにからまれている康子を救出したことから、二人は急速に接近していった。第二次試験も難なくパスした賢一郎は、登美子との約束を無視して、康子とデートをした。やがて第三次試験も合格。合格すること、それは社会的地位を固めることであり、康子との結婚は野心の完成であった。相変らず登美子との情事が続いたある日、賢一郎は康子との婚約を告げたが、登美子は驚かず、逆に妊娠五ヵ月だと知らせた。あせる賢一郎は、登美子を産婦人科に連れて行き堕胎させようとするが医者に断わられる。不利な状況から脱出しようとする賢一郎だが、解決する術もなく二人で思い出のスキー場へやって来た。雪の中、懸命に燃えようとする二人の虚しい行為。一緒に心中しよう、と登美子が言う。雪の上を滑りながら賢一郎は登美子の首を締めていた。登美子の屍体を埋めた斜面に雨が降る……。賢一郎と康子の内祝言の宴席。賢一郎は拍手の中、伯父や康子を大事にしていく、と自分の人生感を語るのだった。賢一郎は再びフットボールの試合に出た。野性に帰った動物のように駈け廻った。その時、二人の刑事がグラウンドに近づいた。賢一郎は何処へも逃げることができず、ボールを追って走った。タックルを受けて地面に叩きつけられる。その上に何人ものタックラーが重なった。ボールを抱えたまま、動かない賢一郎……。

コメント(2)

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[1] mixiユーザー 08月24日 20:30

2013年8月24日（土）キネカ大森3　初回上映の20分前に到着。40席程度の座席はすでに満員に近い。何とか座席を確保してひたすら上映を待つ。階段に座布団で座る人も出てくる。再三古いフィルムなので上映中トラブルがあるかもしれないとスタッフは言っていたが、東宝のマークが移ってショーケンのアップから引いていく画面に少し遅れて井上堯之の音楽がかぶって、何ら問題なく上映はスタートする。夕暮れのオレンジ色に包まれてショーケンと壇ふみが語らうテーブルから室内へパンする。何か食いに行くかと外に出て不意打ちに合う。公衆電話で話している声がオフになって会話が全く聞こえない。塀の柵に手をかけながら歩いていて不意にさえぎられてやり直す。自転車に乗れず倒れておぶって歩く時思い出して曇る表情。観に行ってよかった。これは神代の、いや長谷川和彦の最高傑作じゃないか。VHSを探そう。

[2] mixiユーザー 08月28日 21:58

高円寺の駅を左に折れて、都丸書店を目指す途中の高架下にあるRAREという中古レコード店の中古VHSの棚に「青春の蹉跌」を発見。5250円なり。ちょっと高すぎるなあ～と思ってスルー。年中無休の中古ビデオ店「花マル」を目指したものの、シャッターがなぜか閉まっている。。とはいえVHSに5250円は出せないなあと思い悩む一日でした。http://video870.com/shoplist.html#minami

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