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和田監督を応援する。コミュの和田語録part1

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和田監督のコメントの記録です。監督の足跡の記録です。

コメント(44)

11月3日
 午前9時40分過ぎ、和田監督を乗せた車が球場に到着した。安芸市の歓迎セレモニーで花束を受け取ると、練習開始。ブルペンでは1時間、選手の投球を見続けた。守備練習では、森田や荒木にアドバイスを送る場面も。日も暮れ始めた午後4時過ぎ、ようやく初日を締めくくるテレビインタビューが始まった。
 −初日の感想は。 「アッという間。打撃コーチが長かったので、気づいたらケージに近づいてしまう。守備やブルペンに重点的に足を運んだ」
 −守備練習で選手に声を掛けた。
 「黙って見ていようと思ったが、つい、というか、そのままにしておけない性格なので、気づいたところだけワンポイントアドバイスした」
 −初日の満足度は。
 「キャンプ自体に100%満足がいくかは、来シーズンが終わって初めて『いいキャンプだった』と言える。とにかく野球漬け、野球小僧になってもらう」
 −監督と呼ばれることには慣れたか。
 「後ろから言われても振り向けない。私自身も少しずつ勉強して、開幕を迎えるころには『監督』と呼ばれたら返事ができるようにしたい」
 続いて和田監督は、場所を移して担当記者の囲み取材に応じた。
 −俊介は打撃練習のみだった。
 「明日は別の人かもしれないし、みんな同じ練習でなく、やることも時間も変わってくる。そこからが勝負。同じことをしていても差が出ない」
 −外野手が内野ノックと受けたりしていた。
 「和田の考えをしっかりとコーチ会議で伝えたので、それにのっとってアイデアを出してくれている。固定観念を取っ払い、外野手が内野も経験することでより外野に生きるかもしれないし、適性を判断するための練習でもある」
 監督として初めて臨むキャンプの疲れも見せず、一日を振り返った指揮官。午後4時半ごろ、さっそうと車に乗り込み、球場を後にした。
11月4日
 キャンプ2日目は朝から好天で、メーン球場でウオーミングアップ。和田監督は外野のセンター付近に仁王立ちし、選手の動きを見つめた。バントゲームでは「攻守交代を早く」と指示。ブルペンでは打席にも立ち、思わずバットを空振りさせる場面もあった。初日以上に精力的に動き回った一日を、担当記者に囲まれ振り返った。
  −バントゲームでは片岡コーチが選手をしかる場面も。
 「セカンド、サードに進めて、そこからが勝負。ランナーをかえすために犠牲になってくれた選手がいて、そこで決められるかどうかで給料の勝ち負けもついてくる。1点の重みをどう感じるか」
 −得点できなかった。
 「1回4アウトだから普通にやれば3−3、4−4のゲームになるはずなのに0−0。1点も取れないのは何か原因がある。ましてここに来てる連中はああいうことができて上に上がれる。意識を持って練習に取り組んでもらいたい」
 −練習が必要。
 「スペシャリストになってほしい人がここに来ている。小さな成功を積み重ねて技術も少しずつついていく。同じゲームの想定でも、メーン球場と安芸ドームでやるのは違う。ファンの前で恥をかきたくないなら、真剣に練習もする。そこを考えながらのメニューでもある。メニューには意味がある。メニューを見て意味まで読み取れるようになると、もっといい練習になる」
 約15分間にわたって熱弁をふるった指揮官。すっかり日も暮れかかった午後5時過ぎ、球団広報が運転する車で宿舎へ戻った。
11月5日
 この日はあいにくの雨。しかし、和田阪神の熱気は、悪天候を感じさせないほど充実していた。ブルペンに足を運び、打撃練習は雨の中でも微動だにせず選手の動きを見つめた和田監督。安芸ドームで特守などを見つめた後、担当記者の囲み取材に応じた。
 −打撃練習中は中谷を指導していた。
 「キャッチャーで入った選手だけど、外野やサードでものみ込みが早い。バッティングはリストを効かして距離も出るし、面白い。どこかいいポジションがあれば。いろんな可能性、チャンスが出てくると思うので、それを今守備コーチが探してる」
 −こんな選手になってほしいという理想像は?
 「今は、反復練習の繰り返しだけど、これが実戦に入ったときにどうものを見せてくれるか。それもまた楽しみ」
 −中谷はキャッチャーはさせないのか。
 「可能性を広げていっているというところ」
 −コーチとどのように意思統一したのか。
 「11月1日かな。1軍スタッフ全員で顔を合わせて、和田の考えというものをしっかりと伝えた上でキャンプに入ってきてる。その上でメニューを組んでくれている。いろんなアイデアを出してくれている。メニューには必ず意図がある。それを選手が感じ取ってくれればいい。どんだけ厳しくやっても愛情があれば伝わる。昨日のバントゲームでいろんなしかり方が場面場面で出てきたけど、何とか一人前にという気持ちの表れ。その思いが伝わるようなしかり方と感じた」
 丁寧に言葉を選びながら15分間の熱弁。途中、土砂降りに打たれたが、充実の表情で和田監督は宿舎へ戻った。
11月6日
 第1クール最終日のこの日は、前日までの雨も上がってメーン球場でウオーミングアップ。和田監督はまずブルペンで白仁田の打席に立ち、その後は今キャンプ初の実戦練習となるシート打撃へ向かった。プレー以前の準備の大切さを説く指揮官の思いが、選手に伝わってているのかを確認するように、じっくりとプレーを見つめ続けた。 −初の実戦練習となるシート打撃。
 「打つだけじゃなく、進塁打とかエンドランを自分で選択させた。自分でやろうとする意志があると失敗しない。あとはサインにどう応えるか。サインを出されたときに、指示が出たとき、設定されたときにいかに成功させるかが選手の力量」
 −シート打撃では投手がバントを練習した。
 「これは春もやっていく。メーン球場でやるのはプレッシャーが全然違う。成功すれば自信になるし、失敗すればもっとやらなきゃとなる。全体練習が終わってからからが勝負。個人に差が出るのはいかに考えてやるか」
 −俊介、柴田、田上ら1軍経験者の競争にも期待しているのか。
 「こうして実戦を見ると(彼らの力が)上かな、という気がする。ちょっと下のレベルの選手も、1軍はこういうところなんだと感じ、この選手たちを抜かないと1軍に上がれないな、という競争が始まる」
 −秋山はフォームを修正中。
 「去年出てきたときは飛び跳ねて踊るような投球フォームだったけど、ちょっとおとなしくなってる。今は考えながらやっているので仕方ないが、考えがまとまってフォームもきっちりできたときに、またあの躍動感が出てくれば、もうワンランク上に行ける」
 −安藤の役割は先発と中継ぎのどちらか。
 「七、八回に投げていたときの投球も覚えてるし、去年、一昨年と開幕投手だったのも覚えてる。チーム構成上、今すぐどちらとは言えないが、後ろでも前でもいける。キレさえ戻ってくれれば。もう一回輝けるように頑張ってほしい」
 −キャンプ休日。選手の練習は自主性。 「4勤1休にしたのは、その4勤をとにかく目いっぱいやるということ。明日は個人の練習を自分で考えてくれればいいし、休んでもいい」
 −第一クールの手応えは。
 「コツコツやった積み重ねがキャンプが終わるころに表れれば。体つきを変えるには何週間、何カ月もかかるし、技術もすぐには変われないが、頭や心の部分はすぐにでも変われる」
 (続く)
メーン球場の三塁ベンチで担当記者に囲まれ、一言一言選ぶように振り返った和田監督。やや疲れた表情の中に、充実感がにじみ出た。
11月7日
 今キャンプ最初の休日は、練習日ではないのがもったいないぐらいの青空。ただ、昼過ぎには、南社長や渉外担当者らが宿舎に到着したため、和田監督は宿舎内での会談に時間を割いた。監督として初のキャンプでの第1クールが終わった感想、今後のチーム作り、補強面…休日であっても、心から休まる時はない。
 −西村と筒井が帰阪する。 「2人とも足なんで。置いておいてもランニングもできないということで。西村が左すね、筒井が左足首です」
 −西村はこちらに入ってから痛めた?
 「疲労骨折で。こちらに入ってからというよりも、少し期間がたってる。本人も我慢してやってたから」
 −榎田は明日合流?
 「うん、榎田と柴田は。全メニューかどうかは別として、本隊には合流する」 −西村は少し時間がかかりそうか。
 「いや、骨折というとすごいことみたいだけど、そんな大ごとではなく、今回来て、やったのではなくて、少し前のことみたいなんで、何週間かしたらくっつき始める。そんなにこじれるようなことではない。ただ、現時点で見つかった以上は無理をさせられない。ランニングやトレーニングはしっかりできないということで帰す方向になりました」
 −南社長と話を。
 「このキャンプの第1クールというところで、きょう有田ヘッドも合流されてね。そんなに深い話はないです」
 −FAの話は。
 「それはきょうに限らず何か動きがあれば、報告があります」
 −渉外担当も来たが、新外国人の話も?
 「そういう時もあれば(映像を)見させてもらいますが、きょうはまだこちらの方の外国人の報告や経過」
 −入団会見で「少しのスパイスを加えれば」という話をされていた。
 「私の考えも伝えてますし、その上で会社は上から大きく見ているので、ここでどこか欲しいとかは言えないので。でも、ここが足りないという所、気になる所は一つ二つあるんで、こちらの意見を伝えています」
 −球団からはバックアップの言葉があった? 「『協力しません』とは言われてません(笑)ただ、キャンプの成果もあるし、その部分はこの選手で補えるんじゃないかと、そうなれば良いし。議題にはあがっても今すぐではなくて、キャンプの成果を見ながらの話。そこは何回か話さないといけない部分」
 常にチーム作りのことが頭から離れない日々。気持ちも新たに第2クールに臨む。
11月8日
 快晴の青空が第2クール初日を迎えてくれた。11月とは言え初夏を思わせる日差しを浴び、練習終了後の和田監督は、日焼け?で精かんな顔つきに。
 −有田ヘッドが合流。
 「精力的という言葉があてはまる。色々と選手に声をかけてくれていた。このクールというか、キャンプは色々と見て把握したいと言われていたけど、よく見てというかね」
 −午前中は打球判断の練習を行った。
 「今は失敗をしてもいい。思い切っていって失敗しないと、自分のタイミング、これはアウトになるな、とかが分からないし反省も出ない。2アウト二塁からの1ヒットで(得点)というのができてこないと、接戦では勝てない」
 −投手も参加した。
 「ピッチャーは投げるだけでなくバントや走塁、バッティングもある。しっかりと準備させておきたい。準備することで意識とか意欲が高まってくると、違う世界にいけるというか、色々なものが見えてくる。ピッチャーにも毎日とは言わないけど、とにかく経験することで、そういうことが癖になってくれば」
 −関川コーチが精力的に指導している。
 「何球団かの練習も見ているし、色々なものを持っている。引き出しも持っているし、うちがやってないような練習とか引き出しもあるし」
 −鳴尾浜で城島がキャッチボールを。
 「今日投げられたとしても明日の状態を見て、また報告も変わってくるかもしれないし。しっかり様子を見て判断していかないと」
 有田ヘッドも合流した第2クール。各コーチ陣と意思疎通を図りながら、綿密にチーム作りを進めている。

11月9日
 前日の陽気とはうってかわって、この日は肌寒い一日となった。そのためか、和田監督はユニホームの上にジャンパーを羽織って練習に。ただ、選手への指導は変わることなく熱いものだった。
 −投手がフリー打撃を行った。
 「準備の内。ピッチャーも打席に立つわけだし。楽しそうにやってくれてたね。打撃コーチには目安をメモっといてくれと。どれぐらいのレベルかというのを」
 −投手陣では能見のバッティングが良い。
 「打とうと思って打席に入っている。野手顔負けのフルスイングというか、ああいうのを見て野手が奮起したりするんで、やっぱり簡単に見逃して帰ってくるより、何とかしてやろうという気持ちが伝わって相乗効果で得点できたりする」
 −室内で打つ違いは? 「気持ちの面でもだし、それは野手にも伝わる。そういう練習をしていて、『しっかりやってくれているな』とか。それは走塁も一緒。練習している時、そういう姿を野手も見ている。失敗しないために準備しないといけないし、野手と投手の信頼関係が大事」
 −二神が合流した。
 「合流したところなんで今日がベストではないだろうけど、これから何日間か見て」 −朝に特守をやったが、朝に行う狙いは?
 「意識しながらやってうまくなるところと、疲れてきて無の状態でつかむことがある。朝は体も疲れてないし思考能力もあって、意識という点であの時間がいい」

 −朝に特守を行った上本に必要なものとは?
 「上本の場合は守備のレベルをもう少し上げれば、レギュラー争いに入ってこれる選手なんで。何かやってくれそうな雰囲気を持っている。殻を破って、レベルアップして変わってほしい選手の1人」
 選手に変化を求めるからこそ練習にも変化を付ける。この日は投手陣がフリー打撃。選手を飽きさせることなく、集中して取りくませている。
11月10日
 和田監督は、ブルペンの投球練習中であってもメーングラウンドでバントゲームを見つめていた。バントを絡めて1点を奪うことがいかに重要か。1点にこだわる強い姿勢を、練習中の動きからも感じさせた。
 −上本が成長すれば、平野の起用も変わる?
 「恵一(平野)を動かすうんぬんではなく、1年中同じメンバーで戦えればベストだけど、絶対にそう簡単にいかないだろうし、もしもの時の選手を作っておかないと。そういう選手が力を付けてくればレギュラー争いもできる。もちろん、これっていう外野手ができればいちいち恵一が動く必要もない」
 −決めるのはまだ?
 「本当は集中して一つのポジションをやるのがいいんだろうけど、逆に外野手が内野をやることでつかむことがあるし、逆もあるし、両方をできるに越したことはない。誰も彼もが2つ、3つのポジションと言うのではなく、そういうタイプの選手が今年の1軍にもいたんで、できた方が枠に入ってきやすい。レギュラーでも2ポジションできた方が、打線的にも幅を広げられる。数字以上のことを、平野はやってくれている」
 −バントゲームでは失敗も目立った。 「やるたびに成長して欲しい。何回やっても同じ事を言われてるようではね。そういうことはバッティングの好不調と関係なくスランプがない。簡単じゃないのは分かるけど、そういうのをやってくれる選手が1人、2人出てこないと、接戦でどうしても1点が取れないとなってくる」
 −スペシャリストは重要な存在に。
 「今日やっていることは、1軍のレギュラーよりできていいはずだし、できないと上がって来れないような立場の選手。森田もできるに越したことはないし、頭から出てもバントの場面で代打で下げられてたらそれで終わる。できればその後の打席があるから」
 徹底した1点へのこだわりは、必ず身を結ぶと信じて今後も継続する。
11月11日
 今キャンプ2度目のシート打撃で、確かな成長を感じさせる選手も多かった。小雨が降り続けた中、和田監督はコーチ陣らと共に、選手の一挙手一投足に神経を注いだ。
 −中谷は力がある。
 「生きた球をあれだけさばけるというのはね。高卒1年目だし、体がしっかりしてくれば、おもしろいね」
 −いい送球もあった。
 「定位置付近だったけど、足のあるランナー(俊介)でね。コントロールも良かったし。肩が良いのは分かってたけど、実際にゲーム形式に入った時にあの送球ができるというのがね。鍛えがいがあるし、飲み込みが早いよね」
 −どういうタイプ?
 「大砲というか中軸を打てる可能性があるタイプ。思ったより器用で柔軟性がある。両方を持ち合わせている。体もあるしリストもあって」
 −安藤も良い投球を。
 「あとは真っすぐが、もう少しスピードが戻ってくれば。3年連続で開幕投手だからね」
 −久保田の投球は?
 「(中継ぎに)入ってきて欲しい選手。(今後)補強という選択肢もあるんだろうけど、まだいけるやん、という投手もいる。開幕までに1人でも2人でも入ってくれると。ピッチャーは何人いてもいい」
 −白仁田は?
 「腕を振るという、ブルペンでできることを、マウンドでもやってくれれば。1軍で通用するものをブルペンで見せているので」
 −小林宏と榎田の先発の可能性を探っている?
 「探ると言うか構想の中ではという話で、その2人に関してじゃなくて、自分の中では1人、2人配置転換というのはある。これはピッチングコーチとしっかり話し合ってね。決まった時には本人と話してとなる」
 −話は変わるが流行語大賞のことはご存じか。
 「(ノミネートが)60語ぐらいかな?震災とかの関係の言葉で、まだ苦労している方々もおられるし、風化させてはいけないこと」
 第2クールも終了。ここで得た収穫を、次のクールに生かしていく。
11月12日
 安芸キャンプ2度目の休日は半袖で日中を過ごせる陽気に。和田監督は時間が許す限り日本シリーズをチェック。改めて確認したこともあった。
 −日本シリーズは中日が勝利。
 「全部は見れなかったけど、やっぱり接戦に強い。それを短期決戦でも見せられるのは底力というか強いなと。こういう大一番でチームカラーみたいなものを出せるのは本当の力があると思う。我々も見習わないといけないし、見習うというか目指していかないといけない。接戦をいくつ拾えるかで違ってくる」
 −日頃の練習が大事。
 「アウトをいかに有効に使えるかということで(今季も)失敗もあったしそういうところを生かさないと、簡単には統一球で点を取れないと思う。しっかり意識を植え付けていきたい」
 −藤川がFA権を行使しないことを発表した。
 「球児が最後に投げるということで、それがはっきりして良かった。よりがんばろうという気持ち。鳥谷と共にチームを引っ張ってほしい選手の1人。投手陣も球児が中心になってほしい」
 −イニングまたぎとかの起用法は?
 「やる前からまたぐ、またがないではなく、勝負所ではあるかもしれないし、一年間やっていく中で起用法を考えないと。シーズン終盤のここ一番とかなら、球児ぐらいのピッチャーならやってくれると思うけど」
 −可能性として来年には海外FA権を取得。
 「球児がいるいないに関わらずアクシデントもあるかもしれないし、もしもの時のためにそのポジションを担える選手、簡単にいないだろうけど考えて準備はしないと。ただそういう志、目標を目指すのは悪いわけじゃない。それは本人の考え方で目指すものも違う。ただ(海外FAを)勧めるわけではなく、その上でタイガースでやってくれるのが良いこと」
 −仮定の話で代役は?
 「それは七回、八回の投手かもしれないし、シーズン中でも出てくるようであればハマることもあるかもしれない。ただ、現時点で球児がダメならこの選手というのはないので」
 日本シリーズで改めて感じた基本の重要性。第3クールでも変わらず反復練習を継続していく。


11月13日
 秋季キャンプも第3クールに突入。最終第4クールの18日にはオリックスとの練習試合も決まり、和田監督の指導にも一層熱がこもった。森田の守備練習に厳しい言葉を投げかけたかと思えば、中谷の内野特守では静かに足の動きを観察。
 −18日の練習試合・オリックス戦では、キャンプで頑張った選手にチャンスを与えるのか。 「頑張ってないヤツはおらん。成果は簡単には出ないと思うけど、現段階でやれること、やるべきことをやる。ゲームに入ってからの変化を見たい」
 −初さい配。
 「自分自身にもいいチャンスかな。ただ打って、投げて、守ってという練習試合にはならないと思う。キャンプでやってきたことがある。そういう場面があれば」
 −投手は安藤や久保田が中心か。
 「中心というより、そこらへんも入ってくるだろうし、そのメンバーだけでもアカン。反復練習で積み重ねてやったことをゲームで出せるか。そこがすべてだし、そのためにやっている。実戦でできるかがバロメーター。いいチャンスをオリックスさんにいただいたので有効に使いたい」
 −オリックスから話があったのか。
 「あうんです」 −広岡さんとブルペンで30分間話し込んだ。テーマは?
 「ブルペンの見方。どうしても球のキレとかコントロールに目がいくが、キレを出すための、コントロールをつけるまでの前の段階を見ておかないと。いい機会でした」
 −広岡さんと面識は。
 「長い時間話すのは初めて。何年も監督をされた方だし、経験のない部分なので勉強させていただいた。アメリカの経験とか、外国人選手への接し方、指導の仕方を教えていただいた。まだ何日か機会があると思うので、これはこれで私のチャンス。吸収したい」
 −岡田監督との対決は意識するか。
 「やりにくいどころか、こんな機会はない。楽しみにしています」
 この日の日本シリーズ第2戦がデーゲームかナイターか知らないほど、キャンプに没頭している和田監督。日に日に眼光の鋭さを増す選手に、確実に手応えを感じているようだ。
11月14日
 虎の指揮官になってまだ1カ月もたっていない和田監督。今秋季キャンプで選手に変革を求めると同時に、自身も指導者としてさらにレベルアップしようと努めている。この日も監督としてヤクルト、西武を日本一に導いた広岡達朗氏の指導を仰ぎ、その様子を食い入るように見つめた。
 −広岡氏は野手出身なのに投手も指導できる。
 「いろんな野球を見られている。メジャーもマイナーも日本も見ているし学生も。そのレベルに合った指導法は本当に参考になる。自分の考えと同じことを言われると『これでよかった』、違えば『そういう考えもあるんだ』と思う。すごく勉強になった。打撃や守備でも、野球に対してのすべてにわたって教科書というか、教科書に書いてないこともいっぱい知っておられる」
 −来春キャンプにも来てもらいたい。
 「今いていただける間にいろんなものを教えていただき、終わった後に考えればいい」
 −とても79歳とは思えない。
 「柔らかいし、達人の動きをされる。指先まで血が通っている。やれと言われてもできる動きではない」
 −白仁田には手首の使い方アドバイスされていたようだが。
 「決して(選手の考えを)否定はされない。もうちょっとこうした方がよくなるよ、という教え方。指導法としても、昔(の野球界)は命令形だけだったが、今の若者に対して気持ちを乗せるような教え方をされている」
 −上本と大和が早出特守を行った。
 「センターラインは特に気になるところ。シーズン終盤に2人とも守備のミスをした。成功よりも失敗から学ぶことの方が多い。何とかしたいというのが出ている。大和は守備に関しては1軍クラスだが、ちょっとリズムが狂うとミスが続く。シーズン終盤の優勝を争う大一番では許されない。そういう場面を想定しながら、大一番の試合終盤の守備固めで『大和、行ってこい』と送り出せるようなレベルになってほしい」 向上心を持って日々の練習に取り組むのは、何も選手だけに限ったことではない。誰よりも和田監督自身から、この19日間のキャンプで大きく変わろうという思いが伝わってくる。
11月15日
 この日も和田監督は相変わらず精力的な動きを見せた。ブルペンでは完全復活が期待される久保田の打席に立ち、打者心理をアドバイスした。
 「例えばおっつけ型の打者はインコースの方がおっつけやすい。外の方が打たれやすいイメージがあると思うけど。セ・リーグでは追い込まれたらおっつける打者が多い。ヤクルト・宮本とか中日・荒木とか。各球団に1人、2人はいる」
 −久保田には球児の前に投げる役割を期待しているのか。
 「七、八回そこらへんでね。もう一度、『久保田、頼むぞ』というものを見せてほしい」
 −あとは安定感か。
 「久保田に安定感は求めていない。ウワーンといくような躍動感、気持ちが出るようなね。少々甘くても空振りやファウル、打ち損じさせるような魂のこもった投球ができるタイプだから」
 −現役時代に少年隊と呼ばれることに抵抗は?
 「そのころは少年やったからね。オレは26歳で、大野さんは28歳くらい。こっ恥ずかしさもあったけど、出たてのころで必死だった。そういう風に名前がつくのは売り出すということだし、乗り遅れないようにやろうという気持ちはあったよね。だから(俊足5人組のWin5も)5人のうち何人かでも1軍に入ってくれれば。そういう選手が5人も6人もそろってくれば野球も変わってくるだろうし、試合に出てくれば躍動感が出てくる」
 20数年前の自分を思い出しながら、若手の奮起に期待していた。
11月16日
 第3クール最終日も安芸は快晴。やはり和田監督は、外野の芝に仁王立ちし選手の動きを見つめた。ブルペンからの移動途中には、激励に訪れたデイリースポーツの改発編集局長と談笑する場面も。本塁後方から見つめたシート打撃では、選手にたたき込んできたプレーの意図が成果として表れてきた。
 「打つだけじゃなく守備も走塁もきょうはよかった。続けていくことで力になる。小さな成功を積み重ねて自信にするのが大事」
 −投手もシート打撃で打者になった。
 「ピッチャーは投げ終わった後は野手になるし、打席に入ればバッターになる。簡単に点は取れないけど、ピッチャーで、計算してない点が入ればありがたい。行き当たりばったりでなく、根拠があって1点を取れるように」
 −一、三塁からのセーフティースクイズも練習した。
 「年に何回もやるプレーじゃないけど、そういうこともある。その前に一、三塁をつくるやり方、姿勢、そっちの方が大事。勝負するところは勝負するし、思い切っていくこともある。チームとしてそういう雰囲気になっていかないと」
 −マートンら外国人の残留はほぼ決定のよう。 「これから話はあると思うけど。それはよかった」
 −マートンの打順は。
 「1つじゃなくて3つくらいある。逆にどこにでも対応できるバッター。こちらの考えで点を取りやすくなる打順と、相手が嫌がる打順は違う。チーム編成が出そろってから。FAもあるしね」
 −1、3、6番あたりで使い分けるのか。
 「開幕時には、これ、というのが出てくると思う。マートンはどの打順でも自分を見失うことはない。固定できるに越したことはない」
 そう話した和田監督の表情は、日々感じつつある手応えに充実感でいっぱい。もちろん連日の好天による日焼けで、真っ黒だった。
11月17日
 キャンプ休日のこの日、和田監督は南球団社長らとゴルフを楽しんだ。夕方にはチーム宿舎で報道陣に対応。席に着くと、テーブル上にあった『岩崎宏美ディナーショー』のチラシに反応した。
 「3万円か…」
 −高いと感じる?
 「歌、うまいからなあ」
 その後は練習試合・オリックス戦の話題に。
 「勝ちに対する意識、執念が出てきてほしい。その選手らしさ、喜怒哀楽が体から表現できるように」
 さあ和田阪神の初陣だ。
11月18日
 第4クール初日はオリックスとの練習試合。だが昨晩から降り続いた雨の影響で、午前9時前に雨天中止が決まった。就任後初の対外試合はおあずけ。指揮官は気合十分だっただけに…。
 「残念だったね。やりたかったんだけど」 −中谷が4番だった。
 「見てみたかったけどね。でもキャンプが終わるわけではないし、シート打撃もある」
 −ブルペンで小嶋にアドバイスした。
 「左打者に対して内にシュートみたいな球を投げれば打者は意識する。そういう球は少々甘くなってもファウルを取れる。今まで外角一辺倒だったのが、気持ちの余裕も出てくる」
 初陣が雨で流れても、ブルペン、安芸ドーム、特守が行われたサブグラウンドを精力的に巡った和田監督。最後は山脇コーチがアメリカンノックを受けていた中谷に対して、監督に勝てば終了というジャンケンを提案した。指揮官も勝負に乗ったが、結果は21歳差の新人に敗北。小躍りする中谷の横で、ノックバットを地面に投げつけて悔しがっていた…。
11月19日
 前日に続き、この日も安芸はあいにくの雨天。しかも雨だけでなく、強風が吹き荒れる暴風雨となった。練習終了後は前夜、宿舎内での坂井オーナーらとの食事会を振り返った。
 「シーズン中からすごくチームを見られている方なんで、逆にそんなことまでご存じなんですか、という話もあった。特に若い選手、来年出てきそうな選手はいるか、と。各担当コーチから報告があり、注目されてると思う」
 −具体名は。
 「来年面白い選手、それ以降に面白い選手といろいろ来てる。どこでブレークするか。監督が代わって張り切っている人もいるし、まっさらの状態で勝負できる、あわよくば、と思ってる選手もいる。若手にはここからが大事な2カ月。このキャンプでできたこと、できないことを、今後の課題として持って帰ってもらいたい」
 −来春のキャンプは沖縄で1カ月間。人数は多めになるのか。
 「特にそういうことじゃない。その代わり、対外試合がオープン戦も含めて多くなると思う。明日、明後日の会議で話す。これくらいの試合数はこなしたいという話はする」
 −若手にはチャンス。
 「そうだね」
 練習後には雨もやみ、晴れ間ものぞいた安芸から、和田監督が来春へ思いをはせた。
11月20日
 久しぶりの青空の下、和田監督もブルペン、メーン球場と動き回った。
 −シート打撃は打撃陣が好調。
 「全体的にスイングも速く、しっかりしてる。基本の反復練習が多い中で、打つだけじゃなく小技も含めてレベルは上がっている」
 −俊介がホームラン。
 「技術面より、精神面の考え方もしっかりしてきたことで結果が出始めている」
 −投手では? 「鶴はきょうはしっかりした球を投げていた。前回のシートではできなかったけど、今回できたのは取り組んだ成果。七転び八起きというか、七回も転んでは困るけど、1回でも早く結果を出してもらいたい」
 指揮官にとっては、若虎たちの確実な成長を感じ取った一日になったようだ。
11月21日
 キャンプ最終日も快晴。半日という限られた時間でも、和田監督はブルペンで若虎の投球を見つめ、メーン球場では最終メニューの投内連係まで陣頭指揮した。
 −19日間を振り返って。
 「アッという間。固定観念を捨て、まっさらな状態で選手の可能性を見いだそうしたが、いろんな発見があった」
 −ハードな練習。 「そのわりには故障者も出なかった。体力面も今まで持っていた以上のところにいている。精神面も成長し、安芸に来る前より変わった」
 −変わった選手は。
 「変わるだけでなく、大きく変わる“大変”キャンプ。野手では俊介と清水。本当に大声を張り上げて、常に野球の声を出してくれた」
 −投手では?
 「ブルペンでは、ああコイツ(がいいな)、と思っても実際のマウンドでは物足りないなということがあった。ピッチャーはこのキャンプではベテランが引っ張ってくれた」
 まだまだ和田阪神はスタートを切ったばかり。指揮官の表情にキャンプを乗り切った安ど感はなかった。
11月22日
 朝、新井からFA残留報告のうれしい電話が入り、新井に会うために甲子園へ。対面後に駐車場で声を弾ませた。
 「残ってくれるものと信じてたんでね。電話もらったんだけど、顔も見たくなってね」
 −熟考の末の決断。
 「権利なんだから、すっきりするまで会社(球団)と話し合うのがいい。その上でこういう結論。チームにとってもいいこと。中心選手でもあるし、先頭に立っていってもらいたいです」
 −鳥谷は去就未定。
 「きょうはいなかったのかな。新井に限らず誰が欠けてもいけない。チームがひとつになる時に、ひとり欠け、ふたり欠けではね」
 −直接説得も?
 「その考えはあるけど、僕が出ていなかくていい(早期決着)のが一番だけどね」
 夕方からはTOHOシネマズ梅田で行われた映画「ステキな金縛り」の舞台あいさつで、日大の先輩・三谷幸喜監督とも意気投合した。ステージでは三谷ファンにも阪神をアピール。
 和田監督「みなさんに喜んでいただけるような試合をして、その上で結果も出せるよう頑張ります」
 三谷監督「僕にできることなら何でもしますから。来季、阪神タイガースの優勝へ頑張りましょう」 野球と映画。世界は全く違うが、お互いに監督同士。ガッチリと固い握手で健闘をたたえ合うと、早速、和田監督は映画観賞のため観客席へと消え去った。
11月24日
 日中の最高気温が12度と冷え込んだ鳴尾浜を、和田監督が訪れた。リハビリ中の城島にも声を掛け、近況を確認した。
 −城島のリハビリは順調そう。
 「そうだね」
 −開幕に合わせる?。
 「去年のこともあったし、選手は気持ちの上で合わせたいだろうけど。現段階でどこに合わせるかは、一つの目安としてキャンプがあるけど、トレーナーとも相談して。今日何か決まったわけじゃない」
 −鳥谷とは。
 「会ってない。(FA交渉の)報告は受けてない」
 −ゴールデングラブを平野、鳥谷が受賞。
 「本当?良かった。打つ方は数字がハッキリ出るけど、中心を守る選手にはポジションにこだわりがあると思う。自分もゴールデングラブが一番うれしかった。鳥谷は初めてのことだしショートは価値がある。野手として認められてすごくうれしいんじゃないか」
 現役時代は同じ内野手で、守備にこだわりを持っていたいう和田監督。2人の受賞を自分のことのように喜んだ。
11月26日
 夕方に阪神タイガースOB総会に出席。冒頭、壇上で挨拶した。
 「伝統あるタイガースの指揮を執ることになりました和田豊です。真弓監督からチャンスをいただき、我慢して使っていただいていた若手が着々と力をつけてます。秋は野球漬けで、厳しく、愛情を持って接し、1カ月のキャンプを終えました。これからいろんなことが起こると思います。OBの皆様からアドバイスをいただきながら、一丸となって頂点を目指してやっていきます。誠心誠意、務めさせていただきます」
 その後、取材対応。質問は桧山、藤川、FA選手関連など多方面に。
 −OB陣の中では監督も若手。
 「僕がそう思うんだから(主席した)柴田や榎田はもっとだろうね」
 −榎田はOB陣から『先発やるのか』と聞かれたらしい。 「一応、後ろ(中継ぎ)で考えているけど、自分の中では先発榎田も見てみたい。テンポがよくて、あれは野手が守りやすい。機会があるかもしれない」
 −川藤OB会長からもアドバイスはあったか。
 「川藤さんはOBの中でも、現場に足を運んでくださるからね。そのつど、話をさせていただいてます。『監督の思い通りやれ』という言葉をいただきました。心強いです」
11月28日
 (オーナー杯ゴルフ終了後、タイガースGCクラブハウスで取材に応じ)
 −鳥谷が残留。
 「これでやっとスタートが切れる。鳥谷がいないチームは、まったく考えられなかったし、考えてなかった。こういう結果が出ると信じていた。本人もスッキリした顔をしていた。こちらもホッとしています」
 −来年は海外FAの話もある。
 「来年は来年で、来シーズンが終わってから。選手の権利だから、われわれがどうのこうのでない。もちろん来年も引き留めるだろうけど」
 −ベストナインに3選手が選ばれた。
 「今年は表彰選手が多い。それはそれでうれしいんだろうけど、優勝と合わせて、勝って(個人の賞を)取りたいというのが選手の本当の気持ち。その賞を2倍にも3倍にも喜べるようなシーズンにしていかないといけない」
11月29日
 (ゴルフ終了後、タイガースGCのクラブハウス内で取材に応じ)
 −キャプテン制度を導入する
 「監督に就任したときから会社にお願いしていたことが、本人らの了解を得て現実になった」
 −チームの連係を強化する狙いか。
 「投手と野手が一緒にミーティングをすることは少ない。球児と鳥谷がしっかり話し合って、意見をまとめてくれればいい」 −投手、野手のキャプテン兼務は難しい。
 「タイガースの場合、注目されるチームだから、難題もある。1人でもできなくはないだろうけど、役割分担したほうがいい」
 −キャンプ中などはキャプテンと会食もする。
 「必然的にそうなってくる。互いに理解しあうことが大事。それがないと選手にも伝わらない」
 −任期は。
 「年数を決めてやる仕事じゃない。グラウンドにいないとできない仕事。シーズンは色んなことがある。故障したり、不調になったりもあるけど、いないから、次は誰かにキャプテンをやれということでもない。この2人でスタートする」

12月9日
 (ゴルフコンペ後に囲み取材に応じ)
 −楽天から松崎をトレードで獲得。
 「うちには同タイプの中継ぎ左腕候補が何人かいるが、より強化していくという報告を受けた。ちょっと腕を下げたということだが、映像は見ていない。キャンプで見てから、どういうところで使っていくか、投手コーチと話して決めます」
 −横浜の監督に中畑氏が就任。イメージは。
 「まずは自分の戦力を整えることが先なんで意識はしない。地固め、自分のチームのことをやっていく段階」
 −日大の後輩・村田が、FAで巨人入り。
 「そうだね。他球団の構成を考えてもしかたないけど、ちょうとサードのポジションがはまるし。ただうちには三塁手がいる。新井がFA残留してくれたが、それが補強なので。他球団がどこを補強しようと、まずは自分たちの戦力を整えていく」
 12月12日
 (新入団発表会見で)
 −新人選手の印象は。
 「われわれのころはプロに入って体を鍛える時代だったが、しっかりトレーニングをやっているな、という印象を受けた」
 −新人選手へのメッセージ。
 「プロは技を磨くだけでなく頭もいる。これまでの部活動ではなく、野球が仕事になる。ただ野球小僧というか、かつて甲子園を目指して頑張っていた熱い気持ちを持ち続けてほしい」
 −そのためには。
 「一日も早くプロの環境に慣れることで、自分のプレー、パフォーマンスができる。気持ちを全面的に前に出して、内に秘めた闘志でなく、気持ちを体で表現できるプレーをしてほしい」
 (担当記者の囲みで)
 −若手育成は厳しく?それとも優しく? 「1人の選手に対して、どうやって育てていくか、コーチ全員が同じものを持っていないと。指導がバラバラではいけない。選手によっても対応が違う。性格を含めてしっかり見ていたい」
1月5日
 (年賀式であいさつ)
 「明けましておめでとうございます。今年50歳になりますが、人生の9割を野球に携わっております。野球が大好きなんです。ただ現役時代のある時期から、野球よりタイガースという存在が上回る瞬間がありました。野球がしたい、ではなくタイガースで野球がやりたい。勝ちたい、ではなく、タイガースで勝ちたい。その思いのすべてをぶつける1年にしたいと思います」
 (神戸新聞社を訪れ)
 −昨年の秋季キャンプは若手を鍛えた。
 「それを春もやらないと」
 −ベテランも?
 「はい。そっちの方が大事なんで」
 −これまでの監督の発言を聞いていると何も注文はない。
 「実践できるよう頑張ります」
1月8日
 (視察後、テレビインタビューで)
 −新人のどこを見て、どう感じた。
 「全部に対して興味があるが、個人の特徴をいち早く察知したい。初日にしてはいい動きをしていた。早くプレーを見たい」
 −伊藤隼の目標は開幕1軍。
 「隼太はそう感じて目標を立てたのだろうが、1軍でどれだけ数字を残すというレベルで野球をやってほしい」
 −一体感がテーマ。
 「選手に対してというより、まずコーチングスタッフの気持ちを一つにしたい。キャンプまでに2、3回会議があるので、キャンプまではそこに重点を置く」
 (担当記者に囲まれ)
 −隼太の動きは。
 「まだ初日。今がベストではないにしても、ランニングやキャッチボールを見てもある程度出来上がっている。早く実戦のプレーを見てみたい」
 −準備してきた。
 「それなりの準備をしてきてると映ったね。1年中鍛えていると聞いているので、動きを見ても驚くようなことはない。慣れてくればもっといい自分らしさ、パフォーマンスが出てくる。第一歩としてはいい動き」
1月10日
 (新年会後、担当記者に囲まれ)
 −坂井オーナーと意見交換できたか。
 「こちらからというより、オーナーの思いの丈を聞いた。そこまで見ていらっしゃるのか、という突っ込んだ話をしていただいた」
 −今年こそ優勝してほしいという話は。
 「それは毎年のことだけど、今年にかける思いとか、同時進行じゃないけど、若手も育てていかないといけない。何年かで変わるところは変わるだろうけど、ファンが喜ぶのは勝つこと。そこを中心に考える」
1月13日
 (新人選手についての報告を受けた後、囲み取材に応じ)
 「新人のビデオを見たり、リハビリ組の状況の確認をした」
 −伊藤隼は1軍キャンプスタートか。
 「それも含めて決定は22日。今日の時点で大枠は決まっているだろうけど、トレーナーの報告を聞きながら最終結論を出そうと思ってる」
 −城島は監督から指示されたポジションをこなすと言っている。
 「開幕までに万全な状態でいれば、もちろんキャッチャー。城島=キャッチャーという気持ちでいる。本人にも話しているし、決めつける話でなく、どこまで(状態が)上がっていくかで変わっていく」
 −2月は8試合に加えて紅白戦も行うのか。
 「全ポジションに選手がつけるかどうかは別として、調整段階でゲーム形式が必要になる選手はいる。やる可能性はあります」
 −キャンプ中の1、2軍入れ替えは。
 「可能性はある。沖縄と高知の距離を抜きにして、見たい選手も出てくるし、下から推薦もある。ファームの監督、コーチとコミュニケーションを取ってやっていく」
1月14日
 (番組収録を終えて)
 −番組中に打順の構想を聞かれた中で、2番・柴田のところに伊藤隼を重ねる場面があったが、2番で起用の考えも?
 「2番とかではなく、外野のポジション争いに入ってきてくれたら、というとこ。(レギュラーで)外野に入るとしたらもっと違う打順になると思う。まだキャンプで見たわけではないし、今から言ってもね」 −打順のタイプは?
 「見てみないとね。イメージだけではいけないし。ただ学生時代にクリーンアップを打ってたし、そういう可能性も将来的に出てくるだろうし。まずは打順というより、ポジションを取るというところから入るだろうから。柴田もいるし俊介もいるというところで、まずその中に入って競争をする段階にあるかどうかの見極めを、キャンプでしていかないと」
 −伊藤隼は体力的に問題ない?
 「体力的なところでは、十分に付いていけるというか付いていって当たり前の世界なんで、それは大丈夫ですという報告は聞いてます。最終的に(キャンプの人選を)絞るのは22日だけど、それまでも鳴尾浜の練習を見たり、これは伊藤に限らずトレーナーの報告や各担当コーチも見てるので、あと1週間の間に話は煮詰まってくる。ただ、それが最終ではない。振り分けをしても入れ替えとかもありえる」
 −久保のリリーフ転向の可能性もある。
 「(ロッテの中継ぎ時が)バッターとしては嫌なタイプのピッチャーだったな、というイメージがある。ただ『じゃあそうします』ではなくて、それも一つの選択肢として。(チーム構成の)バランスというのもあるので、簡単に後ろに持っていって先発がいなくなった、ではダメなので。検討の余地があると」
 −久保とは話を?
 「それはまだ。秋季キャンプにも来てないし、長い時間話すような機会もまだないし。ただ、話し合いで決めることではないし、その時には、しっかりと『こうしてくれ』という話をしないといけない」
 −方向性は早めに?
 「早いに越したことはないけど、これは打順も一緒で最終的に決まるのは開幕の前日とかになるだろうから。まあ4番は違うかもしれないけど、今から誰が何番とかはあり得ないしピッチャーも一緒。打順もローテも開幕が近付くと見えてくるもの」
(続く) 
1月14日、続き
 −4番は決定?
 「頭の中ではね。伝える段階にないというところで。ただ、打線的には色々な可能性がある。理想と、相手が嫌がることと、実際に組むつながりのある打線と、色々な考え方があってね。シーズン中にも変えていくこともあるし。現時点での構想はあるけど、開幕をこうしますというのではなくて、色々なものを見ていきたい」
 −七回と八回には、馬力のある若い投手が出てくるのが理想?
 「若いだけでは、つとまるかなと。経験とか精神力も必要になってくる。ただ、展開によっては毎試合投げないといけないようになってくるから、技術的じゃなく体の強さとかもね。何人か候補の選手はいるので、そこから出てくれば」
1月20日
 (テレビのインタビューで)
 −伊藤和がブルペン投球。
 「ほかの投手の仕上がり具合と比べても、ただ球が来ているとかでなく、質という点ですごくいいものを持ってる」
 −伊藤隼の打撃練習も見た。
 「もっとスイングスピードや力強さが出てくると思うし楽しみ。打撃コーチも血が騒ぐんじゃないかな」
 −桧山と似ている点は。
 「それはキャンプに入ってから。フォーム的なところなんで、今は指導できない期間だし」
 −新人のアピールは。
 「あ、ひょっとしたら、というところも感じた。(1、2軍は)22日に人選したい」
 −キャンプまで10日。
 「見ていると私も血が騒ぐし、一日も早く沖縄に行きたい。そのような気持ちで2月1日を迎えられれば」
 (担当記者に囲まれ)
 −秋山も投げた。
 「現時点では順調に仕上がってきている。あと岩本がよかったね。中西コーチもかなり期待していると言っていた。今後も見ていきたい」
1月22日
 (コーチ会議後、鳴尾浜で囲み取材に応じ)
 −春季キャンプでも選手に変わってもらいたい。
 「現時点で大きな補強もしていないし、同じようなメンバーで戦っていく上で、このままでいいのか、という危機感を持っている。メンバーが変わらないなら、意識を変えないと。実際、優勝したわけでも優勝争いしたわけでもない。4位からのスタート。最初に挙げるのは意識改革」
 −コーチ陣には。
 「どうやって現有戦力の能力を上げていくか。若手の底上げだけでなく、中堅もベテランも、全部の選手を1割、2割引き上げるような指導をしてほしい」
 −伊藤隼について。
 「実際に連れて行って、練習して、実戦に入ったときにどういう動きを見せてくれるか。楽しみは持っています」
 −統一球対策は。
 「打撃コーチ、各担当コーチが考えていると思う。監督がああせい、こうせいではない。昨年1年間の考えを担当コーチに伝えていくし、1年間やって、こうしていこうという反省がある。生かしていかないといけない」
1月23日
 (講習後に囲み取材に応じ)
 −どんな内容だったか。
 「合気道の藤平先生からは意識、気持ちの持っていき方を、広岡さんからは技術的なことを教えていただいた。キャンプに行くに当たって、そういう教え方もあるんだと。各担当コーチが自分の教え方があると思うが、かみ砕いて、学んだことをベースに選手に教えてくれたら」
 −印象に残ったのは。
 「われわれが勘違いしていたこともあった。背筋を伸ばす、あごを締めると逆に力が入り過ぎる。腹の下に意識を持っていかないと、1歩目も早く動けない。意識しないでできるまでトレーニングしないといけないが、やみくもに量をこなしてもうまくならない。本当の意味でうまくなるために、どう選手に伝えていくか」
1月30日
 (チーム宿舎で担当記者とお茶会)
 −いよいよ、という気持ちか。
 「明日選手の顔を見てからになる。自主トレで個々は見てるけど、みんなそろってそういうのが大事。担当コーチが第1クールの細かいメニューも考えてくれている」
 −一日の練習時間は長くなりそうか。
 「時間で判断はできないけど、ほぼ同じ −春も最初のメニューは投内連係か。
 「そういう形になると思う。そこから、というより終始そういう形になるんじゃないかな、午前中は」
 −沖縄での楽しみ、リラックス方法は。
 「まだ分からんもんな。どうなるか。スケジュールを見ると去年とは違う感じがするし、そういう時間があったらいいんだけど」
 −コーチ時代は他球団のキャンプを見に行ったりしたのか。
 「いや、行ったことはない。行きたいなとは思うけど。プロ野球人として、よそがどういうキャンプをやっているいるかは、現役のときから興味はあった。話は聞くけど、実際に見たら感覚は違うだろうから。ユニホームを脱いだら見てみたいね。ただ着ている間は、なかなか他球団の見るのは、向こうが嫌がるだろうし」 −われわれ報道陣もついていく。
 「ほんまやな。大騒ぎになる。コソッといかないと」
 (ここで監督付の松尾広報が「Tシャツにジーンズ姿で、浦添に行ったらバレますか」と発言)
 「バレないやろ。でも帽子にサングラスぐらいじゃバレるか」
 −自宅周辺でも気軽に外に出づらくなったか。
 「結構、以前は球場の帰りにショッピングモールに寄ってたけど、減ったね。今もコソッとは行ってるんだけど。本とか充実してるから。行きづらいけど、そんなん言ってたらどこにも行かれへん。どこにでも松尾広報がついてきてくれるんで。今度一緒に映画見に行こうか」
 (松尾広報が「この前、舞台は見ましたね」と発言。元阪神投手で俳優の嶋尾氏が演出した「Bloody Mary」のこと)
 「ああ、嶋尾のな。あれ面白かったよな」
 −年末年始は宝塚歌劇団も見た。
 「元旦にな。よかったよ。ぜひみんなも観劇に行って。お客さんも女性ばかりでもない。元旦なんて、3割くらいは男性だった。せっかく関西にいるんだから1回は行った方がいい」
 −監督はAKB48は分かるのか。
 「分からないこともないけど。息子とか娘がいるから。前列くらいは分かる。いっぱいあるじゃん。いくつあるの?なんば、博多。ジャカルタも?NMBの人がAKBに行くわけ?」
 −NMBで人気が出るとAKBの劇場に出たりする。
 「ふーん。じゃあ入れ替え戦じゃん。総選挙って全部でやるの?全員なの?で、上位48名まで?何人おるの?何百人も?AKBだけで?」
 (そう質問責めにして)
 「こんなんで原稿になるの?そろそろ野球の話にしようか」
  −投手の配置はいつまでに決める。
 「選手にとっては早い方がいい。でもバランスとかあるから、すんなり決まる選手もいれば、キャンプやオープン戦を見ながらという選手もいる。競争もあるだろうし。判断した上で伝えたい。あんまり選手を迷わせるのもいけないので」
 −守り勝つために守備練習も増えるのか。
 「連係でのミスが結構ある。チーム力というか、まとまっていないなという印象を与える。付け入るスキを与えてはいけない。スキは突くものであって、与えるものではない。キャンプでは年に1回か2回しかないプレーでも反復していく。そのプレーがいつあるかはわからないが、常に準備だけは、みっちりやっていきたい」
1月31日
 (全体ミーティング後)
 −選手の表情は?
 「当たり前かもしれないが、やるぞ、というものが伝わってくるようだった。こっちもますます、というね」
 −昨年の秋季キャンプでは、ライバル選手を同組で練習させた。
 「担当コーチのやり方もあるが、練習メニューには意味がある。選手には朝起きて、ホワイトボードを見て感じてほしい。組み合わせはライバルかもしれないし、コンビかもしれない。淡々とこなすのでなく、差がつくのはメニューが終わってから。“努力の器”を1つ2つ大きくして帰るくらいのキャンプにしていかないと」
 −監督の気持ちは。
 「選手から伝わるものがあって、よーし、やるぞ、とより一層ね。2月1日は野球選手の元旦。これから戦うぞという気持ち、今年初めてユニホームに袖を通した初心を、長く持ち続けることが大事。反復、積み重ねがオープン戦、シーズンに入って出てくる」
 −新ユニホームは。
 「勝つことでユニホームがよく見えていくのもある。ファンがどう思うか、勝つことでどう思うか。いいユニホームだな、と言ってもらえる1年にしたい」

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