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日本のエネルギー政策コミュの自然エネルギー・再生可能エネルギー全般

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コメント(4)

再生可能エネルギーに関する五つの誤解
2011/07/11 10:17 野澤 哲生=日経エレクトロニクス
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20110711/193233/

スペインREE社が公開している電源別の出力曲線で、2010年11月9日のデータ。風力発電(緑色)の割合が非常に大きくなり、一方で、石炭火力(赤色)を大きく減らすことが出来ている。。

 電力危機の中、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーが話題になっています。テレビでもそれを取り上げた番組を見ない日はないほど。ところが、残念ながら、再生可能エネルギーに否定的なコメンテータの方の多くは、再生可能エネルギーを事実に基づいて正しく理解していない、つまり誤解しているようです。誤解しているから、否定的なのでしょうけど。幸い、その誤解の多くは事実を知れば解消するものがほとんどです。ここでは、その解消を試みようと思います。

 いくつかある誤解を整理すると、再生可能エネルギーは、(1)発電コストが高い、(2)太陽電池は大量導入しても発電コストが下がらない、(3)既存の発電源(例えば、原子力発電など)とは量的に対抗できない、(4)広大な土地が必要、(5)出力が大きく変動する、と五つぐらいになるようです。

太陽電池の価格は5年前の半額以下に

 (1)の発電コストが高いという主張は多くの場合、太陽電池について、資源エネルギー庁の「49円/kWh」というデータに基づいています。ただし、これはその資料に書いてある通り2001年の数字。10年前のデータです。

 今はいくらかと言えば、多くの国・地域で18〜20円/kWh前後であると見積もる調査会社が多いようです。太陽光発電を大量に導入中のドイツでは、FITと呼ばれる固定価格買い取り制度での価格が24〜33円/kWh(20年間)になっています。この価格は、太陽電池を購入、設置して、発電した電力をこの価格で電力会社に売電することで、遅くとも20年後までには、初期投資を償却して利益が出るという水準に設定してあります。つまり、実際の発電コストはこれより低いことになります。

 太陽電池以外の再生可能エネルギー、例えば風力発電では既に発電コストが約10円/kWh。電力系統安定化対策費というコストを考慮しても12円/kWhほどになっています。「日経エレクトロニクス」の7月11日号のワールド・レポートでは、スペインでの風力発電の導入状況について詳しく紹介しています。

 それでも「7〜9円/kWh」などとされる天然ガスを用いた火力発電の発電コストより高い、といえば確かにその通りです。しかし、再生可能エネルギーの発電コストは今後さらに下がることが確実なのです。

 コストが下がるという見方に対しては、(2)の、太陽電池は大量生産してもコストが下がらない、という「反論」があります。太陽電池も半導体の一種ですが、太陽電池には集積回路でのムーアの法則が成り立たないというのが主な論拠です。集積回路では、製造技術の微細化によって集積度を上げると、同じ回路規模(あるいは機能)であればチップが小型になる、つまり必要なSiの資源量が下がる、その結果として同機能のチップの製造コストは急速に下がります。確かに多くの太陽電池ではこの法則が成り立ちません。集積回路を使うわけではないし、ましてや(集光式用の太陽電池を別にすると)チップを小型化しても意味がないからです。

 実際には、太陽電池には「太陽電池版ムーアの法則」があります。これは、単純に言えば大量生産すれば製造コストが安くなるという「法則」で、液晶パネルの価格が大きく下がってきたのもほぼ同じ理由です。つまり、たくさん製造すればするほど、さまざまな技術の改良、習熟、標準化に加えて、調達コストや運搬コストの低下などが積み重なる結果、製造コストが低下します。なのでその価格の低下曲線は「習熟曲線」と呼ばれます。

 太陽電池の場合、過去20年近くも「累積生産量が2倍になれば、製造コストは20%下がる」という習熟曲線に沿って価格が下がってきました。前述のドイツの太陽光発電の電力の買い取り価格は数年前の半額以下に下がっています。日本での太陽電池パネルの価格も、5年前には1kW当たり100万円近くした製品がありましたが、今では国産のものでも同40万円台の製品があります。この数年で爆発的に生産量が増えたことが背景にあります。

 今後もこの「太陽電池版ムーアの法則」が成り立つとすれば、発電コストが現在の半分の約9円/kWhに下がるには、累積導入量が現在の16倍になればよい、という計算になります。ちなみに、世界の太陽電池累積導入量は過去5年で約20倍になりました。風力発電はもちろん、太陽電池でも天然ガス並みの発電コストの実現はそれほど遠い将来のことではなさそうです。

ドイツでは、太陽光発電がピークカットに多大な貢献
 (3)の、再生可能エネルギーは導入量が小さいという見方も、すでに過去の話です。ドイツでは2010年に定格7.6GW(760万kW)分、イタリアでも同3.8GW分の太陽電池がたった1年で導入されました。世界での太陽電池の生産能力は、約20GW/年(関連記事)に達しています。つまり、出力ベースでは原発20基分が1年で生産可能になっています。

 ドイツでは、太陽電池の累積導入量も2010年末までに定格17.3GWに達し、同国の全電力源の2割超を占めるまでになっています。ただし、太陽電池は夜間発電できず、天候にも左右されるため、発電量でみるとその影響は出力ベースで見た場合の1/8〜1/9に低下します。その結果、太陽電池の年間発電量は、ドイツでも全消費電力量の3%ほどです。しかし、総発電量が出力よりも重要だ、とは必ずしも言えません。現在の日本で大きな課題になっている「ピークカット」には、総発電量よりも出力の大きさがものを言います。

 例えば、ドイツFraunhofer Instituteが6月に発表した資料によれば、2011年5月のドイツでの太陽光発電量による出力は最大で13.2GWに達しました。昼間増加する電力需要の半分近くを太陽電池でカバーし、ピークカットに多大な貢献をしていることが分かります。

 公正を期せば、ドイツの5月は1年でも最も晴天率の高い季節。一方、冬のドイツは天候が悪く太陽の高度も低いため、出力ベースでみても太陽光発電の貢献度は小さいというデータもあります。ただ、日本の太平洋側ではこうした季節による出力の差はずっと小さいのです。

スペインでは風力の発電量が43%を占めた日も

 一方、スペインでは、風力発電が全設備容量の2割超を占めるまでになりました。風力発電の出力は、夜間むしろ高くなり、しかも昼間もゼロにはならないので、発電量でもやはり2割を超える貢献をしています。全体の消費電力が小さかった2010年11月9日には、風力発電の発電量が相対的に高まり、43%を占めました。再生可能エネルギーはその気になれば、比較的短期間に大量に導入できる、というのが事実なのです。

 (4)の広大な土地が必要という話は、以前のブログ「原発と太陽光発電,実は似たもの同士」でも書きましたが、話の前提や比較対象によって意味が全く変わってしまいます。

 太陽電池を建物の屋根に設置するなら、必要な占有面積はゼロとも言えます。一方、非常に残念ですが、原発は一度大事故を起こすと、「1基約0.6km2の敷地で済む」とはとても言えないことも分かってしまいました。福島県で避難対象になった地域だけでも、東京・山手線の内側の面積の10倍以上になっています。事故後でさえも「原発で必要な敷地は、太陽電池に比べて小さい」と主張する学者はおられますが。

導入すればするほど、急激な出力変動は小さくなる

 最後に(5)の、再生可能エネルギーは出力変動が大きいという誤解について触れます。私の取材経験では、太陽光発電や風力発電に携わっている方でさえも、「誤解」されている方がおられるようです。

 確かに、太陽光発電は太陽電池パネルごとで見る限り、天候や太陽の位置によって出力が変わります。風力発電も風車1基ごとに見る限り、出力が風まかせで、太陽光発電以上に大きく、そして激しく出力が変わります。これ自体は誤解ではありません。

 しかし、いくつかの地域に分散した太陽電池、あるいは風車の発電出力を合計していくと、多くの場合、個々の変動が相殺して、タイムスケール(時間幅)が小さい急激な変動はどんどん小さくなります。導入量を増やせば増やすほど、そしてそれが広い地域に分散しているほど変動を相殺する効果が大きくなるのです。産業技術総合研究所はその様子を説明したWebページを設けています。この点は、意外に知られていないと感じます。

 全設備容量/発電量の2割を風力発電が占めているスペインで、出力変動で電力系統が破たんしないのも、この変動の相殺によって、全体としては急激な出力変動が非常に小さくなっているためです。数時間以上のタイムスケールでは、出力変動は依然大きいですが、これは予測できさえすれば、十分な対処が可能で、実際にスペインではそれをやってのけています。その様子は、スペイン唯一の送配電会社Red Electrica Espana(REE)社が、半ばリアルタイムで公開しています。スペインの電力系統は、他の欧州諸国との連系線の容量が非常に小さいため、「他国との電力の融通ができない日本とは違う」とも言えません。

 最近よく聞く、「太陽電池や風力発電は出力変動が大きいので、蓄電池で出力を平準化する必要がある」という議論は間違いではないのですが、電力系統での出力の平準化は、導入量を増やすことでも実現可能であることは知っておきたいと思います。
■シャープ発表
集光型化合物3接合太陽電池で実現
集光型太陽電池セルで世界最高変換効率43.5%を達成
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/120531-a.html

太陽電池(PV:光起電性)の発電効率の歴史がこの画像一枚に収められています。
http://www.nrel.gov/ncpv/images/efficiency_chart.jpg
今回の発表成果も反映されています。
■ピーク電力への貢献が大きいようです。
発電能力自体を見れば、26GWなので、原発20基強に相当しますが、稼働率の問題もあるのでそのとおりの発電量は期待できません。しかし、年々増加しているし、系統のありかたも変わってくるでしょう。

ドイツの太陽光発電、過去最高の22GWH
http://www.jiji.com/jc/rt?k=2012052800241r

 【ベルリン26日ロイター時事】ドイツの再生可能エネルギー関連シンクタンク、国際経済フォーラム再生可能エネルギー(IWR、本部ミュンスター)のディレクター、ノルベルト・アルノホ所長は26日、同国の太陽光発電量が25、26日の昼ごろの時間帯に過去最高の22ギガワット時(GWH)を記録したことを明らかにした。
 同国政府は昨年、福島原子力発電所の事故を受けて、8基の原発を直ちに閉鎖し、残りの9基を2022年までに閉じることとし、その分風力や太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーで発電することを決めた。
 アルノホ氏は「過去にこれほどの太陽光発電をした国はない」とし、「この数週間、何回か20GWHに近づくことはあったが、25、26日に初めてこの水準を上回った」と指摘した。同氏は、先進工業国の一つが平日(25日)に電力需要の3分の1、工場やオフィスが休みの土曜(26日)には半分近くを太陽光発電で賄えることが示されたと強調した。1年前の太陽光発電量は14GWHだった。
 政府の再生可能エネルギー促進政策もあって、ドイツは世界でもトップの同エネルギー利用国となり、年間の総電力需要の約20%は同エネルギーから得ている。また、同国で設置された太陽光発電設備の能力は諸外国のほぼ全てを合わせたほどに達しており、太陽光発電は年間需要量の約4%を占めている。同国は温室効果ガス排出量を2020年までに、1990年比で40%減らすことを目標にしている。
 ドイツの太陽光発電装置の能力は11年に7.5GW増え、さらに12年第1四半期(1〜3月)に1.8GW拡大して、合計26GWとなった。[時事通信社](2012/05/28-11:08)

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