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三十分作成小説(ベジタブル編)コミュの不自由ウサギ

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大切なものを捨てるとき、

それはもう、

大切ではないのだろう。


過去に出会ってきた多くの人達が、

それぞれの「大切」を私に向けてきた。

「大切」な想い。

「大切」な君へ。

君は「大切」だ。


…一体、何度言われただろうか。

しかし、どの「大切」も偽物だった。

私を大切に思うのは最初の一瞬だけ。

軽くて、薄っぺらいただの言葉。


結局、

みんな他の大切なものを見つけては

私を捨てていく。

捨てられては拾われて、

また違う「大切」と出会う。

しかし何度繰り返しても、

本物とは出会えない。

人に刷り込まれた常識達が、

私を大切から突き放すからだ。


過去と現在がクソなのだから、

当然、信じられるのは未来だけになる。

私は束縛されないと心に決めたが、

未来に導く者のためなら

いくらでもこの身を捧げる覚悟はあった。


遅刻する夢を見た。

私は慌てて飛び起きたが、

すぐに現実を思い出して一人で笑った。

もう時間に追われて行動する必要はない。

昨日、

私を束縛するものの一つを取り除いたのを

すっかり忘れていた。

早く起きる必要もなければ、

化粧をする必要もない。

どうにも自由な生活が

まだ体に馴染んでないようだ。

まぁ、

昨日の今日では

仕方ないのかもしれない。


立ち上がってみると、

何となく頭が痛かった。

どうやら、

昨日は少し調子に乗って飲み過ぎたようだ。

私は冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、

コップに分けることなく、

直接口をつけて飲んだ。

冷たい水が、

アルコールに漬かった体に染みて

実に美味しかった。


食欲はなかったので、

朝食は食べないことにした。

テレビをつけながら、

今後のことを考えた。


今の「自由」とは、

正直見かけだけのものだった。

お金にも、

時間にも、

限りがある。

いくら私が自由を主張しようとも、

その限界を迎えた瞬間、

全ては姿を変えて

私の負担となり襲いかかる。


しかし、

この見せかけの自由こそが、

本物の自由への切符であることもまた事実だった。

今、私に与えられた時間の中で、

何を選択するかで私の未来は変わる。


私の未来とは二択。

理想に届くか、

届かないか。


優等生の夢パンダは、

私にもれなく

優秀なおもちゃが手に入ると予想した。

曖昧な表現だが、

夢パンダはいつも信用出来るので

一応その言葉は、

心の深い部分に書き留めておいた。


今、私が持っているおもちゃはたったの三体だ。

はっきり言って少ない。

だからと言って、

大切にする必要はない。

特別なわけではないので、

乱暴に扱えば当然壊れる。

壊れても代わりはないけれど、

きっとそのときにはもう

それは大切ではない。


常識のせいで、

社会のせいで、

私は最後まで大切にされなかった。


だから私は自由になって、

何もかも大切にしない。

壊すのも捨てるのも、

全ては私の自由なんだ。


理想に届くために、

一体私は何をすればいいのだろうか?


コメント(2)

> LILLYさん
最近続きますな(^^)

いいことあるのかしら(´`)

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