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三十分作成小説(ベジタブル編)コミュのニートの公式(その6)

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最近、

すごい発見をした。

駅近くのパン屋さんで、

大量のパンの耳が、

10円で売られているのだ。


残金が千円をきった私にとって、

10円で食料が手に入るなんて、

まるで夢のような話だった。


いざ買いに行くと、

「お一人様一点まで」という

厄介な言葉が書かれていた。

そこで私は、

買う→帰宅→再び買うを三回繰り返し、

パンの耳を三袋ゲットした。

本当はもっと買いたかったのだが、

三回目で店員が

あからさまに嫌な顔をしたので、

さすがにやめておいた。

…まぁ、

今日はこれくらいで勘弁してやろう。

明日も来るから、

覚悟しておけ。


三袋目のパンの耳を片手に、

私はルンルン気分で、

アパートへ戻った。

このところ水が中心の食生活だったので、

固形物はかなり嬉しい。

早速、

美味しくいただきますか。

せっかくだったので、

調理してから食べることにした。


調理といってもそんな大したことはしない。

フライパンに多めに油をひいて、

油の温度が上がったところでパンの耳を投入。

こんがりと香ばしい匂いがしてきたところで拾いあげ、

砂糖をふりかける。

はい、完成です!!

名付けて、

「揚げたパンの耳の砂糖まぶし」

うん。

そのまんま。


お菓子感覚で食べやすく、

昼食、夕食の二食ぶんつくったつもりだったが、

ペロリと全部たいらげてしまった。

美味しく調理するのも考えものだ。

出来が良すぎると、

つい、

食が進んでしまう。


喉が渇いていたので、

水道水をガブガブ飲んだ。

今日の食費はトータルで10円くらいだろうか。

しかし、

いくら節約をしても、

お金が増えることはない。

「パンの耳で食費を浮かすの術」は、

素晴らしい術ではあるが、

根本的な解決にはなってない。


ベランダに出て、

日光浴をしながら、

どこかに二万円くらい落ちてないかなーと

ぼんやり考えた。


こうして一日一日を過ごすたびに、

親の偉大さを

改めて思い知らされた。


子供のためとはいえ、

自分で稼いだお金を

自分以外の人間に投資する。

それも一日二日ではなく、

子供が独立するまでずっとだ。

…私には、

とてもじゃないが真似できない。

子供よりも、

お金の方が可愛いと言ってしまいそうだ。

…結婚って、

好きなだけではできないんだな。


てか、

そもそも、

私には彼氏がいなかった。

自分の生活でさえ満足に送れてないくせに、

やれ恋愛だ、

やれ結婚だ、

なんて図々しいにもほどがある。

私が男だったら、

私みたいな女とは

絶対に付き合いたくはない。

部屋はゴミだらけ。

化粧やお洒落とは無縁。

生産性のない自堕落女。


…うーん。

改めて確認すると、

悲しくなるなぁ。

まぁ、

私には生まれ持った美貌があるから、

馬鹿な男は引っかかるかもしれない。

恋愛に関しては、

そんな悲観的になることはないかなぁ。

それよりも、

明日の生活だ。

いい男に会う前に、

死んでしまっては意味がない。


(つづく)

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