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三十分作成小説(ベジタブル編)コミュの風邪っぴきシンドローム

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風邪をひいた。


昨日の花見で

調子に乗りすぎたのが

マズかったのだろうか。

せっかくの休みだというのに、

朝から天井ばかり見つめて

実にさえない。

感覚的には、

結構熱がありそうだ。

少なくとも、

37度くらいの微熱ではない。


こういうときに改めて、

自分は一人なんだなと思う。

家族とは離れて暮らしているし

友達はいるけど、

俺が風邪をひいたからといって、

わざわざ訪ねて来るわけがない。

体が弱っているせいか

心まで弱気になってしまう。


激しく咳が出た。

呼吸が苦しい。

体はだいぶ弱っている。

早く治すためにも

何か食べなければいけないのはわかっているが

体が布団から出ようとしない。

冷蔵庫には何もない。

食料も飲み物も

自分で買いに行かなければ、

手に入ることはできない。


外は春らしく、

実にいい天気だった。

穏やかで暖かい日なのに、

俺は強烈な寒気に襲われていた。

朝起きた時点では

寝ていれば良くなると楽観視していたが、

時間が経てば経つほど、

明らかに症状は悪化していった。


このままどんどん症状が悪くなれば、

もしかしたら死ぬかもしれない。

そんな不安が頭をよぎると、

一気に怖くなってきた。

まだ俺は人生の中で、

何もしてない。

社会に出るために

勉強して、

人間関係を築いて、

世の中の流れを知って、

さぁこれからというとこだった。

言うならば準備運動を終えた段階、

これからが本番だったのに

俺の人生はここで終わってしまうのか?


時刻はまもなく

午後2時になろうとしていた。

俺は弱った体に鞭打ち、

何とか服を着替え、

食料と飲み物と薬を求めて外に出た。

まだ早い。

こんなところで

俺の人生を終わらせるわけにはいかない。


たった200メートル先にあるスーパーが、

まるでマラソンコースのように

果てしなく遠く感じた。

立つことで、目眩と吐き気が加わった。

過去にこんなキツイ風邪をひいたことはあるだろうか?

これは俺の重ねてきた罪に対する

神様からの罰なのかもしれない。

申し訳ありません、神様。

これからは心を入れ替え、

今まで以上に真面目な生き方をします。

俺はあまりの辛さに

わけのわからない懺悔を神に捧げた。


どうにか店に辿り着き、

必要な物を買い揃えた。

帰りは荷物が加わり、

行きよりもさらにキツかったが、

最後の力を振り絞りどうにか帰宅した。


水分と軽い食事、

そして薬を飲んで一眠りしたら、

症状は少し落ち着いた。


目が覚めると

辺りはすっかり暗くなっていた。

汗をかいた体を拭き、

服を着替えた。


再び布団の中に体を沈め、

目の前の闇を見つめていると、

彼女がほしいと、

心が淋しそうな声でつぶやいた。

コメント(4)

> e co.*さん
コメントどうもです。

一人暮らしの病気は本当に弱気になります…。

健康なときは気楽でいいんだけどねがく〜(落胆した顔)
一人暮らしは大変だよね(笑)
うん。病気のときは誰かにいてほしいね(>_<)

実話か!?あっかんべー
> ☆Ryo*Suke☆さん
コメントどうもです。

実話かどうかはノーコメントでペンギン

弱ってるときほど人の存在が有り難いですわーい(嬉しい顔)

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