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三十分作成小説(ベジタブル編)コミュのさよなら毎日

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僕は生まれたときから、

明日の天気を

100%の確率で

当てることができた。

それは根拠のない直感からくるものだったが、

それでも外れたことはなかった。

明日は雨か。

明日は晴れか。

明日は晴れるけど少し寒いな。

明日は雷がすごいから外出を控えよう。

僕を知る人は、

僕のことを超能力者という。

だけど僕はそうは思わない。

僕は明日の天気がわかる以外、

何もできないからだ。


僕はこの能力を活かして、

天気予報士になった。

もちろん百発百中の完璧な予報。

僕の能力が

唯一役に立つ仕事だ。

僕はこの仕事にやりがいを感じていた。


しかし、

天気予報士になってから

一年が経った頃だった。

一通のハガキが僕の元に届いた。

ハガキには、

定規を使ったような字で

こう書かれていた。

(朝からお前の汚い顔なんか見たくない。さっさとやめろ)

僕は文章を何度も読んだ。

そしてとても悲しくなった。

仕事自体は完璧なのに、

何でこんなことを言われなければいけないのだろう?

とても心が傷つき

僕は眠ることさえ出来なくなった。

しかし、それでも能力は僕の意思に関係なく働く。

明日は一日中雨だ。


それから少しずつ、

似たような手紙が増えていった。

このところ雨が続き、

その不満を僕にぶつけているようにも思えた。

(雨ぶ男の降板希望)

(朝から不愉快、即刻やめるべし)

(毎日雨って言ってるんじゃねーよ。ひっこめ)

僕は自分の能力が発動する度に嫌な気持ちになった。

明日も雨だ。

言えば批難されるが、

嘘をつくわけにもいかない。

僕が予報すればするほど、

苦情はどんどん膨れあがった。


そして、

クレームを理由に、

僕は会社側から降板を言い渡された。


僕は悔しくて泣いた。

仕事は完璧だった。

一度だって外したことはない。

それなのに辞めさせられた。

唯一の仕事を奪われた僕は、

悔しさの余り、

仕事を休んだ。


布団の中で、

能力が働く。

明日は雨。

明日も雨。

明日も雨。

明日も雨。

ずーっと雨。


さすがの僕でも気がついた。

僕は、生まれてから一度も天気を予報したことがない。

天気が、僕の希望に応えてくれるのだ。


もうこの世に天気予報はいらない。

これからは、

僕が死ぬまでずっと雨だ。

コメント(4)

ちょ、ちょ!!
なんかおもしろくてびっくりしたんだけど(o>ω<o)

次回楽しみにしてるね(o^∀^o)
> ☆Ryo*Suke☆さん

コメントありがとう。

一日一小説を目標に頑張ります。これからもヨロシク(..)

今回、実は35分かかったのはご愛敬(^^)
> e co.*さん

貴重なコメントありがとう。

この作品、三つの中で一番手を抜いたのはご愛嬌(笑)

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