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福岡で映画を見るコミュの71フラグメンツ

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実際に起きた事件を元にした、
「感情の氷河期三部作」の三作目。

銀行で大学生が突然拳銃を発砲し、
三人が犠牲になるという事件が起こる。

その犯人の大学生と、
当日その銀行に居合わせた人々の、
事件の日に至るまでの日常が断片的に描かれる。
その71の断片(フラグメンツ)で構成された映画である。

難民として国境を越えてオーストリアにやって来た、
ストリートチルドレンの少年が、街をさまよっている。
公園で遊ぶ親子からジャンパーを盗んだり、
ゴミ箱をあさったり、車上荒らしをしたりしていたが、
ついに保護され、テレビでインタビューを受ける。

子宝に恵まれず、
施設の子供を引き取ろうとしている夫婦がいる。
施設の女の子を自宅に泊まらせ、
動物園に連れて行ったりするが、
女の子は心を開かない。
そんな時、テレビで見た難民の少年に同情し、
この子を引き取ろうと思う。

一人暮らしの高齢の男性がいる。
妻を亡くして年金生活を送っているようだ。
時折娘の家に電話して、孫と話すのを楽しみにしている。
この男性の娘は事件のあった銀行に勤めている。

もう若くはない夫婦がいる。
夫婦の関係はあまり良くなさそうで、
家庭には重苦しい空気が流れている。
幼い子供は病弱なようで、熱を出している。
夫は警備会社に勤めている。

そして、事件を起こす大学生。理系の学部で、
パズルを解くゲームソフトのようなものを開発しているのだが、
途中、なぜか友人から拳銃を購入する。
ゲームの一部のような感覚ということなのだろうか。

この5つの別々のエピソードが、
断片化して複雑に絡み合い、
パズルのように、
ひとつの映画をくみ上げていく。

そして、映画終盤、
大学生がガソリンスタンドに行くが、
現金の持ち合わせがなく、カードが使えないので、
近くにある銀行に向かう。

子宝に恵まれない夫婦の奥さんが、
難民の少年を車に乗せて、銀行の前に止まり、
少年を車に待たせて銀行に入る。

高齢の男性が孫へのクリスマスプレゼントを持って銀行に入る。

警備会社の男性が、
お金の入ったトランクを回収するために銀行に来る。

大学生は銀行でカードが使えず、イライラする。
一度車に戻って、拳銃を取り出し、
また銀行に乗り込んで発作的に銃を乱射する。

撃たれて倒れる警備会社の男性。
もしかしたら他の二人も撃たれたのかもしれない・・・


時間を記録して、切って、並べて、
貼り合わせるのが映画だが、
そういう意味では、
まさにこれは映画である。

ミヒャエル・ハネケの緻密な計算によって、
一見バラバラだった断片は、
映画が終盤に近づくにつれて、
緊張感を高めながら集束していく。

そして、意図的に原因や結果を解説せず、
意味の判断を観客にゆだねるのが、
ミヒャエル・ハネケのやり方である。

なぜ大学生は発砲したのか、
そもそもなぜ拳銃を購入したのか、
それらは一切説明されない。

そして、その他の人々、
警備会社の男性以外の人は撃たれたのか、
大学生はどうなったのか、
難民の少年はどうなったのか、
それらのことは一切語られない。

しかし、無理矢理解説して
つじつまを合わせないところが、
かえってリアリティーを感じさせるし、
このままでも充分魅力的な映画に仕上がっている。

こんな映画が作りたい。

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