みやざき中央新聞コミュの５月３０日号、限界を感じたら力を抜いて流れに任せましょう

真宗大谷派僧侶　　フリーアナウンサー
川村　妙慶　

私は北九州で寺の娘として生まれました。
高校２年のとき、住職である父が突然亡くなりました。

母も親戚も兄に「継いでくれ」という思いをぶつけました。
兄は誰にも相談できず、部屋に引きこもってしまいました。
心の病です。

人はなぜ心に病を持ってしまうかというと、
「思い」の中に入ってしまうからです。
「誰も私のことを分かってくれない。もういい、
自分ひとりで生きる」と世間や家族を遮断するんです。

この状況を見て、１年間で門徒はゼロになりました。
そこで、今度は京都で仏教を勉強して僧侶になってくれ
頼むと頭を下げられました。

「私？冗談じゃない」と思いました。

人は何で反発するのかというと、目の前にある大切なものを
見る勇気の無さ、やる自信のなさから、背中を向けたくなるんです。

自信は全くありませんでしたが、お寺がどんなに大切かは分かっていました。
いろいろ思いはありましたが、池坊短大、そして大谷専修学院で仏教を学びました。

ある時、先生が「川村、お前いつもニコニコ笑っているけど、
そんなに笑わなあいかんほど過去が暗いんか？お前が笑えば
笑うほど背中に隠された暗い過去を俺は見てしまう。人間誰だって
楽しい自分もあれば暗い自分もある。それがあって人間なんや。
お前な、自分の力ですべて解決するなんて、そんなことできんのや。
背中に背負っているその荷物を一回阿弥陀さんの大地に置いてみぃ。
そしてその中身を一つ一つ点検してみぃ。今は全部解決できんでも
必ず何とかなっていくから」そう言われて、私、すごく楽になりました。

頑張っても頑張ってもどうにもならないことって
ありますよね。そんなときには力を抜きましょう。

他力本願の本当の意味は、

「自分の限界を感じたら一度力を抜いて、あとは
阿弥陀さんにお任せしましょう」という意味なんです。

努力の仕方、間違っていませんか？
限界を感じたら力を抜いて流れに任せましょう。

コメント(3)

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[1] mixiユーザー 06月04日 16:48

昔、偉いお坊さんに相談した時、同じことを言われました。
「なんでも白黒つけると、大切なものまで失ってしまうぞ。
白でもなく、黒でもない、いまはグレーでいいこともある。」
この言葉でどれだけ救われたかわかりません。
人間として一回り大きくなった時、いつのまにか
解決していることばかりでした。仏教用語で「中庸」というそうです。

[3] mixiユーザー 06月05日 01:01

こんばんは�

自分の限界ってありますよね
頭では限界だと認識してなくとも‥
身体は生身だから正直です�
特にハートは‥
あんまり無理すると必ず心が‥
疲れてきたりと‥
そんな時は‥力を抜いて‥
阿弥陀さまに任せる
この言葉に感応しました�

物事の白黒ハッキリさせる事にも‥
時にはグレーで良いと‥
なるほどぉ～�です。

自分自身が‥真剣に考えてても
それは自分のものさしで見てるだけで‥
相手にしたら真剣ではない時もある
そんな考える視点が‥違うとすると‥
グレーで良いのかもしれません

私もどちらかというと真面目な考え方なので‥
グレーは‥中途半端だと思う気持ちが
ありましたが‥何が正しい訳ではない。
どちらが正しい訳ではない。
感性の違いがあるとしたら‥
時には‥グレーで人間関係は
上手くいくのかもですね�

またまたスゴく勉強になりました�

忠行さんありがとうございました�

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