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ミュリのオリジナル小説連載コミュの聖ラフィーユ学園黒潮学舎 第9話

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聖ラフィーユ学園黒潮学舎 第9話

「病院にはカフェとか食堂もあるんだ。それに医局にいけばコーヒーとかジュースなら揃ってるけど、どこがいい?」
沙樹ちゃんに聞かれてあたしは迷ったけどカフェに行くことにした。
「じゃあ一般用のカフェに行ってみようか。けっこう組織の人間も利用してるんだけどね。」
そうしてあたし達は組織専用病棟をでて、一般用の病院のほうに向かった。カフェはけっこう広かったんだけどそこそこ利用者がいた。ちらほら美形の顔が見えるからたぶん組織の関係者なのかも。あたしは紅茶で沙樹ちゃんはキャラメルマキアートを頼んだ。
「あれ沙樹。珍しいなお前がこっちに来るなんて。」
あたし達が席に座ってすぐに、一人の白衣を着た男の人が沙樹ちゃんに声をかけてきた。
「お久しぶりです。海棠先生。」
どうやら沙樹ちゃんの顔見知りらしい。やっぱりその人もイケメンだった。年齢は30代半ばってとこかしら。
「今日はかわいい子をつれてるね。新人さん?」
海棠先生は私の方をちらっと見て沙樹ちゃんに聞く。
「噂は届いてると思うけど、これが絵里華のお姫様だよ。シャレイル先生も気にいったみたい。」
なんかあたしの噂ってどの程度まで広がってるんだろう。行く先々であたしの存在が知られてるっていうのはけっこうショックなんだけど。
「へぇ、これが絵里華のお姫様か。お会いできて光栄です。循環器の医師をしている海棠隆幸と申します。以後お見知りおきを。」
優雅に頭を下げて海棠先生は挨拶する。
「ちなみに海棠先生もシャレイル先生の同族だからね。」
沙樹ちゃんがあたしの耳元にこそっという。ヴァンパイアってあたしが知らなかっただけでこの世にごろごろいるんだなぁ。まぁここはWKFという組織の中だし、ヴァンパイアがかたまりやすいのかもしれないけど。
「同族なんて組織の中ではたいして珍しくもないだろう。特にこの病院にはかなりの数そろってるしな。シャレイルが医者になったんで、後追っかけて医者になった奴も多いんだ。それだけ皆この長い時間に退屈してたってことだろうけど。」
海棠先生は言いながら沙樹ちゃんの隣に座った。
「今週あたりも一人同族が増える予定なんだ。オレが見つけてきた女の子なんだけど、表向きは5年前に事故でこの病院に運ばれてきて亡くなったことになっている。彼女はアメリカのローゼンクランの運営する学校で教育を受けさせて、今日本に帰ってきてるところなんだ。仲間入りの儀式は私が行うことになっているからね。」
そういえばシャレイルさんの話だと人間がヴァンパイアになるにはいろいろ条件があるって言ってたっけ。確か普通にはなれなくて、元々因子を受け継いでる人が致死量の吸血を受けて変化すると言ってた気がする。てことは、海棠さんがその子を人間としては殺してしまうことになるんだろうか。
「その影響でしばらくオレは病院を休むよ。彼女が目覚めるまではそばについているつもりだからね。」
海棠先生の説明によると、人間として死んでからヴァンパイアになるには個人差はあるものの一定時間が必要らしい。人間としての細胞がヴァンパイアとしての細胞に生まれ変わる期間のあいだ、不測の事態が起こらないかどうか儀式を行ったものが監視する決まりになっているそうだ。その役目を果たすために海棠先生は病院を休んでその少女が無事ヴァンパイアとして目覚めるまで見守っているのだ。
「お役目がんばってね。しばらくかっこいい姿が見れないのは残念だけど。」
沙樹ちゃんが冗談交じりに言う。海棠先生は沙樹ちゃんの言葉に苦笑したけどまんざら悪い気分でもなさそうだった。
「じゃあオレはそろそろ失礼するよ。沙樹、あんまり新人さんで遊ぶなよ。」
海棠先生は笑いながら言うと立ち上がり病棟の方に消えていった。
「なんていうか、かっこいい人ばかりだね。」
あたしが沙樹ちゃんに呟くと沙樹ちゃんは
「きっと美形の遺伝子にしかヴァンパイア因子って入ってないんだよ。統計とったわけじゃないけど、あきらかに美形以外のヴァンパイアを見たことないもの。」
と言った。あたしはなんとなくその説に同意できた。というか組織って美形率多すぎるよ。あたしにとっては目の保養でいいけど。
「さて、ジュースも飲んだし。夕方まで遊び行こうか。」
沙樹ちゃんはそう言うと、席を立ちあがる。あたしも紅茶を流し込んで席をたった。それからあたし達は学園内の遊び場のいくつかを回った。学園内には遊べるところが何カ所もあって、デパートやショッピングモールなんかもある。移動は学園内の循環バスで無料で行けるし入場料がいるとこなんかもすべて組織持ちだ。あたし達は学生証を見せるだけでいろいろなものが楽しめた。約半日遊び倒して、夕方を通り越して夜になった頃にあたし達はまた病院の絵里華の部屋に戻ってきた。ミュリシスさんの部屋にも一応寄ったんだけど、ミュリシスさんはすでにシャレイルさんの薬で眠っていて。すごく美しい寝顔が見れた。ミュリシスさんの寝顔で目の保養を十分してから、あたしと沙樹ちゃんは絵里華の部屋に入った。絵里華の部屋にはシャレイルさんや佐藤さん真紀子さんが揃っていた。
「さっき睡眠薬の投与を打ち切って拮抗剤いれたから、もうすぐ目が覚めると思うわ。」
部屋に入ったあたしたちに真紀子さんがそう説明する。
「さーて。怪我の具合はどんなもんかな。」
沙樹ちゃんはまるで面白いものを見つけた子供みたいに興味深々で絵里華を覗きこむ。あたしも一緒になってベッドの上の絵里華を見ると、絵里華のまつ毛が少し震えてゆっくりとその目が開かれた。
「おはよー絵里華。といってももう夜だけど。」
沙樹ちゃんがにっこりと笑って言う。絵里華はほんの少しの間まだぼんやりするのか表情が虚ろだったが、すぐに沙樹ちゃんの声に反応するようにその顔に表情が戻ってきた。
「沙樹、どうせなら朝に起こせよ。睡眠のリズム取り戻すのが大変だろうが。」
意識がだいぶはっきりしてきたらしい絵里華は頭に手を添える。少し頭痛みたいなのがあるのかも。といってもその原因は沙樹ちゃんだろうけど。
「どうせ朝までもっかい薬で眠ってもらおうと思ってたから、そこらへんは大丈夫。一応状態のチェックだけね。」
沙樹ちゃんはそう言うと絵里華につながっているモニターの数字に目を走らせる。それから絵里華の身体に触っていった。
「痛みのあるところは?」
沙樹ちゃんが聞くと絵里華は首を横に振って否定を示した。
「痛みはいまのとこないな。鎮痛剤が残ってるのならそのおかげかもだけど。」
絵里華の言葉に沙樹ちゃんは
「痛みどめももうきれてるから大丈夫よ。怪我の方は完璧に治癒してるみたいね。さすがバケモン並みの体力だわ。」
なんか、けなしているのかほめているのかわからない言葉で沙樹ちゃんは絵里華の状態を評価する。
「とりあえず体内の出血も取り除いたし。一日眠っていたからね、絵里華ならそれくらい回復するだろう。」
シャレイルさんが沙樹ちゃんに言う。
「オレ全然覚えてないや。病院ついて沙樹が点滴の側管から麻酔薬いれたのは覚えてるけど、そのあと今まで完全に意識がなかったからな。」
絵里華は言いながらベッドから起き上がる。そしてあることに気がついた。
「沙樹。コレはなんだ?」
言いながら絵里華は自分のまわりに配置されていたものの一つを手に取る。それは犬の形をしたビーズクッションだった。真紀子さんがそんな絵里華の姿に苦笑している。
「何って、ビーズクッションでしょ。絵里華に限って血流うんぬんはないとは思うけど、一応は普通の人間並みに処置してみただけよ。」
沙樹ちゃんのしれっとした言葉に絵里華が項垂れた。
「まぁ、理屈はわからないでもないが。悪趣味ですぎだぞ。」
俯いたまま絵里華が言う。まぁさすがにあたしも今回は絵里華に同情しないでもない。
「どうせならかわいいほうがいいじゃん。こっちも楽しいんだし。」
主に沙樹ちゃんの楽しみ優先なんだろうけど、そんなやりとりについにシビレをきらしたのか佐藤さんがくすっと笑った。その笑いに絵里華が反応する。
「あれ、貴仁も居たんだ?」
絵里華は佐藤さんのことも知っているらしい。
「ひどいな。私が君を迎えにドクターカーで羽田まで行ったのに。」
佐藤さんは言いながら絵里華の傍に近づく。
「ごめん、あんときはさすがに限界でさ。シャレイルに点滴刺された記憶はあるんだけど、その他のことはあいまいなんだよね。」
絵里華は佐藤さんに申し訳なさそうに言った。
「君の処置を担当したのは私だよ。麻酔で眠った君の胸にドレーンを刺して貯留していた血液を抜いたんだ。そのおかげでこの短時間でここまで回復できたんだからね。」
佐藤さんの話に絵里華の眉が少し顰められる。痛い系の話は絵里華はけっこう苦手みたいだ。
「本当なら局所麻酔でするような処置なんだけど、絵里華が針キライだからわざわざ全身麻酔薬を使ってあげたの。あたしに感謝しなさいよ絵里華。」
沙樹ちゃんが胸を張って言う。絵里華にとっては意識のない方が確かに幸せだったのかもしれない。
「まぁ神の血族の便利な身体だからいろいろし放題できるとこもあるんだけどね。普通の人間ならこんなに簡単にばんばん麻酔とか使えないわけだし。その点、絵里華は楽だよね。どんな薬でも使いたい放題だし、中毒にもならないし、致死量なんかの計算もほとんどいらないもんね。」
沙樹ちゃんの言葉に絵里華はあきらめたように目を伏せた。抵抗する気力をなくしたようだ。
「私達はその点少し不利かな。人間の薬は私達には一切効かないし。ヴァンパイア用の薬がいくつか開発されたけど、限られた場所にしか用意されてないから。私達だって痛覚はあるからね。まぁ滅多に怪我をすることもないんだけど。」
佐藤さんはそう言うと自分の手首を少しだけ噛んだ。うっすらと血が滲みでる。驚くあたしの前でその出血はすぐに止まり、手首にできた小さな傷口は早送りの再生でも見ているかのようにふさがってしまった。
「私達を傷つけることが出来る物は自分達の牙か爪、もしくは特殊な金属で作られた武器だけだからね。それ以外では私達の肌は傷つくことがない。当然傷ができれば痛いわけだが、私達にはその痛みを止める薬がなかなかないんだよ。まぁ、余程の大怪我じゃない限り痛みを感じるのは受けた傷が再生する間の僅かな間だけどね。」
佐藤さんの説明にあたしはなるほどーと納得する。
「一番手っ取り早いのは、同族に噛んでもらうことだな。吸血せずに毒液だけを送り込んで貰えれば痛みは感じなくなるしな。」
そういえばヴァンパイアの牙からは一種の麻酔薬がでるんだっけ。それはヴァンパイア同士でも有効なのね。そう考えてあたしはふと一つの疑問を思いついた。
「ということは、怪我したら自分で自分に噛みつけばいいってこと?」
あたしが思い浮かんだ疑問を口にすると、佐藤さんがぷっと吹き出した。
「それがそうはいかないんだ。自分の毒液は自分には無効なんだよ。自分ではないヴァンパイアの毒液は有効なんだけどね。」
笑いが止まらなくなっている佐藤さんの代わりにシャレイルさんが答えてくれる。なかなかめんどうなこともあるのね。
「お姫様。クソ親父にいじめられなかったか?」
突然絵里華に聞かれてあたしはびくっとなったけど、すぐに気を取り直して答えた。
「絵里華のお父さん、とっても紳士だったわよ。まぁ絵里華に対してはSなのはわかったけど。」
あたしが言うと、絵里華は微笑を浮かべる。
「真美はほんといろいろ適応力高いよね。本当はすごい人間観察能力があるのかも。やっぱり運命に選ばれて組織に入ったんだよ。」
沙樹ちゃんが驚いたようにいったけど、あたしにはあまりその実感がなかった。でも組織に入って後悔はしていない。むしろ楽しい日々を過ごせてると思う。でもドキドキすることは多いけどね。
「さてと、オレはもう少し休んだほうがいいのか?」
絵里華が言うと沙樹ちゃんが
「そうね。明日には退院させてあげるから、ありがたく思いなさい。」
と言いながら薬液が吸い取られている注射器を手に取った。絵里華はその言葉にゆっくりと身体をベッドにあずけた。
「ルートの側管から入れるから痛くないよ。よかったね絵里華。」
佐藤さんが絵里華の腕につながれているチューブを手に取ると沙樹ちゃんに渡した。沙樹ちゃんは受け取ったチューブについているキャップみたいなのを取り外してそこに注射器を繋げた。
「じゃあ明日の朝までぐっすり眠れる薬を入れるからね。おやすみ絵里華。」
言いながら沙樹ちゃんの手元が動いて注射器の中身がゆっくりと流し込まれていく。絵里華はそれをじっとみていたが、沙樹ちゃんが注射器の中身をすべて入れ終える頃には、その瞳がゆっくりと閉じられていった。完全に力が抜けてた絵里華の身体に注射器を片付けた沙樹ちゃんが布団をかける。一応朝まではこれで大丈夫なんだろう。
「じゃあ私は食事に行ってこようかな。シャレイルはどうする?」
ひと段落ついて佐藤さんがシャレイルさんに言うと、
「私はミュリシスから昨日もらったばかりからまだいいよ。お腹は空いてないんだ。」
とシャレイルさんが答える。それを聞いてあたしは佐藤さんのいう食事が普通の食べ物ではないことに気がついた。
「シャレイルはグルメだもんな。私は普通の人間の血で満足なんだけどね。」
佐藤さんはこれから人間の血を吸いに行くんだ。あたしは怖いと思いながらもちょっと興味をひかれていた。
「お姫様の血もおいしそうだね。」
急に耳元で佐藤さんに言われてあたしは思わず後ろに飛び逃げてしまった。
「冗談だよ。私は普通に組織の献血用のパックで済ませてるから。」
佐藤さんは意地悪そうに笑ってあたしの肩をぽんっと叩いた。
「佐藤先生、いつも冗談がきついんだから。真美をいじめたらあたしが許さないわよ。」
沙樹ちゃんが佐藤さんに注射器を投げつけた。佐藤さんはそれを華麗に手で受け止める。
「了解。沙樹は怒らせると怖いからな、素直に従っておいた方が身のためだな。」
佐藤さんは軽口を叩きながら手を振って部屋から出て行った。
「ヴァンパイアの食事って人間から直接だけじゃないんだね。」
あたしが言うとシャレイルさんが
「普通のヴァンパイアはまったく血を吸わないか、組織が調達した献血のパックで補給しているんだ。私のように任務で能力を酷使でもしないかぎり血を吸うのはあまり必要のないことなんだよ。そのあたりは人間には誤解されているんだけどね。もともと私達は細胞が永遠に死ぬことのない細胞に変化した種なんだ。通常、人間の細胞は加齢とともに老化してやがて細胞崩壊を起こす。私達はこの自然の摂理からはずれているんだ。ヴァンパイアの細胞には強力な再生能力が備わっていて何かの原因で破壊されたとしても形状記憶合金のように元の形に修復されてしまうんだ。ただしその時には自分の血をエネルギーにしてそれを行っているんだけどね。だから私達が怪我をしたりすると自分の血が極端に少なくなるから人間の血で補給するか、自然に再生するのを待つかになる。自然に再生するには長い時間がかかるんだけど人間の血を補給してそれを核にして自分の血を作り出すのは速いんだ。だから私達が人間の血を吸うと能力や体力の回復が速いんだよ。貴仁は絵里華の処置をするのに少し能力を使ったからね、その分献血パックで補給するんだろう。」
シャレイルさんの説明はわかりやすくてあたしでもヴァンパイアの吸血を行う理由が理解できた。
「私なら佐藤先生になら血を吸われてもいいのに。佐藤先生って絶対献血パック以外口にしないんだよね。普段あんなに女たらしなのに。」
真紀子さんが悔しそうに言う。なんとなくその気持ちがあたしにもわかった。でもあたしはやっぱちょっと怖くていやだな、血を吸われるの。噛む時痛いって聞いたしね。あたしはけっこう痛いの嫌いだからそのあたりは絵里華と気があうのかも。
「貴仁は女遊びはするけど、食料として人間を見ていないからね。あくまでも恋愛を楽しむだけで、彼には彼なりの流儀があるんだろうけど。」
シャレイルさんが言いながら絵里華のベッドサイドに置かれていた電子カルテの端末みたいなのにいくつか記入をする。
「あたしは今夜当直するけど、真美はどうする?一緒にお泊りしていってもいいわよ。当直室もあるし、なんなら空いてる病室使ってもOK。ホテル並みには施設そろってるから。」
沙樹ちゃんの提案もあったけど、あたしはクロノスタワーの私室に帰ることを選択した。とりあえず片づけもまだだし、授業は来週からだとはいえ、いろいろとまとめておかないといけないこともあったからだ。
「そっか残念。じゃあシャレイル先生に玄関まで送ってもらう?一人じゃ迷子になるだろうから。」
沙樹ちゃんの言葉は悔しいけどそのとおりだった。沙樹ちゃんと真紀子さんはまだしばらく絵里華の部屋にいるらしい。あたしはそんな二人に見送られながら、シャレイルさんに導かれて病院の正面玄関まで向かった。
「またいつでも遊びにおいで。私は居ない時もあるだろうけど、貴仁なんかはほぼ毎日いるからね。またいろいろと遊んでやってくれ。」
シャレイルさんに玄関でそう言われてあたしはこくんと頷く。そして美形な金髪医師に見送られながらあたしは病院のバス乗り場にむかった。学園内では夜遅くまで循環バスが運行されているのであたしはスムーズにクロノスタワーに戻ることができた。バスの運行時間外でも、移動したいときには組織の専用車が24時間動いてくれるのでそのあたりは心配なかった。
クロノスタワーの私室につくとあたしは一気に疲れがでてきてベッドに倒れ込んだ。片づけはまた明日以降になりそうだ。絵里華もミュリシスさんも明日には退院できることだし、何も心配はいらなそうだ。宿泊研修を終えてみてあたしは組織のことについてまたいろいろなことを知ったことを自覚していた。今までお伽噺にしか思っていなかったことが現実にあったり、映画の様なシーンを何度も目にしたり。総帥とお話したり。組織に入ってからこんな短期間にいろいろあったのもまぁめずらしいかもしれない。でもあたしはその事実に負ける気はなかった。なんでもアリと言われたらそれまでだけど、あたしはできる限りなんでもアリで行きたいと思っている。だって人生って楽しんだもの勝ちでしょ?あたしはそう結論付けるとシャワーを浴びるために浴室に向かう。明日も何がまってるかわからないけど精一杯がんばろう。そして楽しもう。

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